新幹線N700S系電車
新幹線N700S系電車(しんかんせんN700Sけいでんしゃ)とは、東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道・九州旅客鉄道が所有・運行する、新幹線用の鉄道車両である。
東海道・山陽新幹線用[編集]
登場の経緯[編集]
2016年(平成28年)6月24日に確認試験車の投入が決定・発表され[1]、2017年(平成29年)6月28日にデザインが決定・発表された[2]。N700Sの「S」とは、Supreme(最高の)の略である[1]。その後、2019年(平成31年)1月25日に量産車の投入が決定した[3]。
確認試験車は次期に投入する車両へ向けた新技術の最終確認のために製造され、最終確認を行った後はさらなる技術開発に向けた車両として活用される[1]。
量産車は、既存の新幹線N700系電車の置き換え用として投入が計画され[3]、その後投入されている。
構造[編集]
外装[編集]
先頭車両のデザインには、左右両サイドにエッジを立てた「デュアルスプリームウィング形」という形状を採用した[2]。前照灯は新幹線車両で初のLEDとした[2]。車体色は従来通りの白地に青帯だが、先頭車両の青帯は「S」を表現した形となっている[2]。
内装[編集]
普通車は海側に3列、山側に2列の合計5列の座席が設置される[2]。普通車も全ての座席にコンセントが設置されている[2]。リクライニングは座面も連動するように改良された[2]。
グリーン車は海側・山側共に2列となっている[2]。フットレストの大型化と読書灯の改良が行われた[2]。
照明はLEDの間接照明で、普通車は昼白色、グリーン車は電球色となっている[2]。停車駅に近づくと荷棚の照明の輝度が上がり、乗客に荷棚への注意を促す[2]。
車内案内表示装置は液晶を採用した[2]。
床下機器[編集]
制御装置にはSiC素子を採用し、これによりN700Aと比較して消費電力量を7%削減できる見込みである[1]。
西九州新幹線用[編集]
登場の経緯[編集]
2022年9月23日の西九州新幹線先行開業に備えて、N700Sベースの6両固定編成が落成した。当日より運用を開始。5本在籍。うち1編成は2023年8月に予備車確保のため増備されたものである。
番台は8000番台に区分される。形式はすべて720番台とされた[注釈 1]。
構造[編集]
基本構造は16両編成のN700Sに準ずるが、4両ユニットから3両ユニットを基本とする設計に変更され、こちらも全電動車構成とされた。しかし、九州新幹線向け8両より設計変更を小規模で済ませることができた。
検測車としての役割[編集]
西九州新幹線は他の新幹線と線路が繋がっておらず、ドクターイエローの乗り入れができないため、九州新幹線の800系のようにY1編成とY3編成に軌道検測機器を、Y2編成に架線検測機器をそれぞれ搭載し、検測を実施している。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ そのため、現存する7000番台を含め700系の中間車と形式が重複するが、700系に8000番台の設定は全くなく、車番重複は発生していない。
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