新幹線951形電車
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951形電車(951がたでんしゃ)とは、日本国有鉄道(国鉄)が開発した新幹線高速試験電車である。
概要[編集]
山陽新幹線の岡山駅延伸に先立ち、時速250km/hでの営業運転を可能とする新型車両の開発用に2両1編成が製造された。
外観は0系とよく似ているが、車体は鋼製からアルミ合金製へと変更され、剛性確保のためにボディーマウント構造を採用。更に先頭部の鼻の長さも0系からおよそ2m延伸され、空調装置も床下搭載とすることで低重心化を図っている。主要機器類も設計時点での最新技術を投入し、制御装置にはサイリスタ連続位相制御を採用。定速運転装置も搭載された。ブレーキは発電ブレーキ・渦電流式ブレーキと油圧ブレーキの組み合わせを電気指令でコントロールする。
運用[編集]
1969年(昭和44年)3月より試験走行を開始。翌年2月から速度向上試験を開始するも220km/h運転を目指した試験中に枕木折損事故を起こしたことで試験が一時中断となる。
1970年(昭和45年)4月以降試験が再開され、1972年2月24日、開業前の山陽新幹線姫路 - 西明石間の上り線で最高速度286km/hを記録した。これは当時の鉄輪式鉄道車両における日本最速記録であり、チャンピオンプレートが制作されている。
その後1980年4月に廃車となった。951-2は東京都国分寺市の鉄道技術研究所に引き取られ、鉄道総合技術研究所へ改組後の2008年まで試験に用いられていた。相方の951-1は国分寺市に寄贈され、鉄道総研正門向かいにある市複合施設「ひかりプラザ」敷地の屋外で保存されている。車内は資料館となっており、前述のチャンピオンプレートなどが展示されている。