新幹線100系電車

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新幹線100系電車
基本情報
運用者 日本国有鉄道
東海旅客鉄道
西日本旅客鉄道
製造所 川崎重工業
日本車輌製造
日立製作所
近畿車輛
東急車輛製造
東海旅客鉄道浜松工場
製造年 1985年 - 1992年
製造数 1,056両
運用開始 1985年10月1日
運用終了 2012年3月14日(定期運転)
引退 1999年10月1日(X編成)
2002年11月23日(V編成)
2012年3月16日(K編成)
廃車 2015年10月1日
投入先 東海道山陽新幹線
主要諸元
編成 16両編成(12M4T)
12両編成(10M2T)
6両編成(6M)
4両編成(4M)
軌間 1,435 mm
電気方式 交流25,000 V・60 Hz
減速度(常用) 2.6 km/h/s
自重 51.6 - 55.4 t(平屋電動車両)[** 2]
46.1 - 49.5 t(平屋付随車両)[** 2]
54.3 - 56.5 t(2階建て車両)[** 2]
全長 26,050 mm(先頭車)[** 1]
25,000 mm(中間車)[** 1]
車体長 25,800 mm(先頭車)
24,500 mm(中間車)
全幅 3,380 mm[** 1]
全高 4,490 mm
車体高 4,000 mm(平屋車両)[** 1]
4,490 mm(2階建て車両)
車体材質 普通鋼
台車 IS式ダイレクトマウント空気ばね台車
主電動機 直流直巻電動機 [** 3]
主電動機出力 230 kW
駆動方式 WN駆動方式
制御方式 サイリスタ位相制御[** 4]
制動装置 発電ブレーキ(チョッパ連続制御)併用粘着パターン制御[** 4]
電気指令式空気ブレーキ電動車付随車とも)[** 1]
渦電流ブレーキ併用粘着パターン制御[** 4]
保安装置 ATC-1型
備考
  1. a b c d e 『高速鉄道物語 -その技術を追う-』 日本機械学会、成山堂書店、1999年、P.33。ISBN 4-425-92321-9。
  2. a b c 『レイルマガジン』通巻238号、p.20
  3. 『レイルマガジン』通巻238号、p.26
  4. a b c 『高速鉄道物語 -その技術を追う-』 日本機械学会、成山堂書店、1999年、P.86。ISBN 4-425-92321-9。
第26回 (1986年) ローレル賞受賞。

新幹線100系電車とは、1985年から2012年にかけて運転された、国鉄JR東海JR西日本が製造した新幹線車両である。

概要[編集]

1964年東海道新幹線開業時から生産され続けていた0系の技術がマイナーチェンジを繰り返したとはいえ徐々に時代遅れとなっていた1980年代に0系の後継車両として登場した。また、2階建て車両の導入により、サービス面の進化を前面に押し出した。

編成[編集]

X編成[編集]

G編成[編集]

標準型
100系の中でも最大勢力となる編成で、50編成が1987年1992年にかけて製造。
  • 速度、両数などは基本X編成とほぼ同じだが、食堂車がなく(カフェテリアとグリーン車のみ)、基本的に東海道新幹線区間のみの運用であったことがX編成と異なる点である。
暫定型
  • 一部の0系を置き換えるために1986年に登場した暫定的な編成で、標準型G編成とは何の関連性もない
  • 2階建て車両を連結しない12両編成で落成した。0系の置き換えが完了したときにX編成に格上げされた。
移籍型
  • 仕様は標準型と全く同じ。保有者がJR東海からJR西日本に変わっただけ。
  • 1996年に登場したのだが、彼らが現れた理由はJR西日本に残存していた0系を置き換えるためである[注 2]

V編成[編集]

  • JR西日本が独自に製造した編成で、1989年に製造。「100N系」、「N100系」の呼称も存在した。
  • 先頭車両にモーターがあることから、ノーズの下部にモーター冷却装置を搭載[注 3]
  • 通常2階建て車両が2両のところが4両になり[注 4]、「グランドひかり」という愛称で活躍した[注 5]

P編成・K編成[編集]

  • V編成を種車とし、短編成化改造が施された編成[注 6]。4両編成がP編成、6両編成がK編成であり、それぞれ2000年2001年に改造[注 7]
  • JR西日本での「こだま」運用に細々と使われた[注 8]。最後まで残った編成である。

運用[編集]

デビューから移籍G編成の登場まで[編集]

  • この当時、航空機側の価格が安くなり、鉄道利用客が減少するようになってきた。また、国鉄も分割民営化を控えており、0系も老朽化や陳腐化が進んでいた。そこで、0系からのフルモデルチェンジ車として1985年に登場した。
  • 最初に現れた区分はX編成で、長距離運用に使われた。しかし、一部のX編成は0系を置き換えるために暫定G編成として落成し、0系の置き換えが一通り完了したときにX編成に格上げされたモノもいる。
  • 1988年にはJR東海が保有し、東海道新幹線をメインに運用に就くG編成が、翌年にはJR西日本が保有し、グランドひかりとして活躍したV編成登場。バブル時代は当時の経済と平行する形で100系の全盛期となっていた。
  • やがて300系や500系が登場すると、JR東海はJR西日本に残存する0系を全て置き換えるために、余剰となっていた一部のG編成を譲渡。移籍G編成が登場した、残存する全ての0系を置き換えた。

X編成の引退から完全引退まで[編集]

  • 1999年に入ると、100系の初期車(X編成)の老朽化がひどくなっていた[注 9]。そして、0系が東海道新幹線引退後から半月後にX編成が完全消滅。平均してわずか14年の運転期間だった。
  • 2000年に入ると、V編成から4両編成に短縮化されたP編成が、翌年には6両編成のK編成が登場。グランドひかりから短縮化・全車普通車に格下げされるとは皮肉なモノである。これにより、2002年にはV編成が完全引退することになった。
  • やがて、2003年9月16日に東海道新幹線から姿を消すことになり、翌年には移籍していたG編成も完全消滅した。これにより、残存する100系はP編成とK編成のみになった。
  • 2009年からは復刻塗装化され、同時に短編成化された500系が現れ、それに置き換えられる形でP編成・K編成の廃車が進んだ。そして、2011年にはP編成が完全引退した[注 10]
  • そして、2012年3月16日にラストランが行われ、完全引退[注 11]。最後まで残存していた100系はK53編成、K54編成、K55編成の3編成のみだった。

愛称[編集]

V編成は「グランドひかり」、G編成が「シンデレラ・エクスプレス」という愛称だった。

フィクション[編集]

巨大ロボに変形する事もあるとか[1]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 量産車との違いは、ノーズ・ライトの形状と小窓になっている点
  2. この当時、300系がデビューし、JR東海は老朽化が進み、高速化には足手まといとなる0系を中心に置き換えていた。しかし、JR西日本側は配備が思うようにできず、依然と16両編成の0系を使用していた状況下にあった。こうなると東海道新幹線に0系が残存し、高速化が思うように進まないため、JR東海はG編成を西日本に無償で譲渡したのである。
  3. これにより、速度が230km/hに上がっている。
  4. 個室こそないものの、2階建て仕様の4両のうち3両がグリーン車(2階部分、液晶モニターも装備)と普通車(1階部分、4列でテレビ付き)の構造で、いかにもバブル期に造られたことが分かる仕様となっている。まさにバブルの申し子である。
  5. 登場から引退まで「ひかり」の運用を貫いた編成でもある。
  6. しかし、V編成時代とはうって変わって全車普通車となっている。速度もまた、220km/hに落ちている。
  7. 改造車の中には、モーターの位置を揃えるために先頭車両と中間車両を合体させた編成も存在する。
  8. P編成は原則岡山駅(一応姫路駅も)~博多駅間の運用、K編成は山陽新幹線全区間での運用。
  9. 長距離運用であったことや、少数編成であったことが、皮肉にもX編成が短命になってしまった遠因となった。
  10. もっとも、P2編成は廃車後訓練車として転用され、2013年まで残存したのだが。
  11. 奇しくも300系の引退日と同じである。

出典[編集]

関連項目[編集]

先代の車両
同世代の車両
後継車両
新幹線の車両
現役車両
JR北海道
北海道新幹線 H5系
JR東日本
東北新幹線 E2系(1000番台) / E5系
北陸・上越新幹線 E7系
山形新幹線 E3系(2000番台) / E8系
秋田新幹線 E6系
JR東海
東海道新幹線 N700系(2000番台X編成) / N700A(1000番台G編成) / N700S(0番台J編成)
JR西日本
山陽新幹線 500系(7000番台V編成) / 700系(7000番台E編成) / N700系(5000・7000番台K・S編成) / N700A(4000番台F編成) / N700S(3000番台H編成)
北陸新幹線 W7系
JR九州
九州新幹線 800系 / N700系(8000番台R編成)
西九州新幹線 N700S(8000番台Y編成)
事業用車両
JR東日本 E926形(East-i) / E956形(ALFA-X)
JR東海 N700S(確認試験車J0編成)
JR西日本 923形(3000番台T5編成)
運用終了車両
国鉄→JR東日本
東北・上越新幹線 200系 / E1系 / E2系(0番台J編成) / E3系(700番台R19編成) / E4系
北陸新幹線(長野新幹線) 200系(F80編成) / E2系(0番台N編成) / E4系(P51、52編成)
山形新幹線 400系 / E3系(1000番台700番台R18編成)
秋田新幹線 E3系(0番台)
国鉄→JR東海・JR西日本
東海道・山陽新幹線 0系 / 100系 / 300系 / 500系(0番台W編成) / 700系(0・3000番台C・B編成) / N700系(0・3000番台Z・N編成)
事業用車両
国鉄 1000形 / 921形 / 941形 / 922形(0・10・20番台T1・T2・T3編成) / 951形 / 961形 / 962形 / 925形(0・10番台S1・S2編成)
JR東日本 952形・953形(STAR21) / E954形(FASTECH 360 S) / E955形(FASTECH 360 Z)
JR東海・JR西日本 500系(900番台W0編成、WIN350) / 955形(300X) / 923形(0番台T4編成) / 300系(J1編成) / N700系(9000番台Z0・X0編成)
東海旅客鉄道のロゴ.png JR東海の鉄道車両
客車
特急型 14系*
急行型 12系*
近郊客車 50系(救援車)*
気動車
特急型 キハ80* - キハ85 - HC85
急行型 キハ58・キハ28*・キハ65*
一般型 キハ30* - キハ40・キハ47・キハ48*(・2代目*) - キハ11 - キハ25 - HC35予定 - キハ75
電車
特急型 381系* - 371系 - 373系 - 383系 - 285系3000番台 - 385系予定
急行型 165系・167系*
近郊型 111系・113系* - 115系* - 117系* - 119系* - 123系* - 211系0番台*0番台のみ廃車 - 213系 - 311系 - 313系
通勤型 103系* - 315系
事業用車
機関車 EF64* - EF65* - DD51*
電車・気動車 145系* - キヤ95(ドクター東海) - キヤ97
新幹線
旅客 0系* - 100系* - 300系 - 700系 - N700系(N700A・N700A) - N700S
検測車 923系(ドクターイエロー)
「*」がある形式は国鉄から継承。右上に「廃」と書かれた形式はJR東海には書類上存在しない。なお、JR東海内が保有する国鉄車は全廃している。385系は製造予定。
データは2022年9月1日現在のもの。
JR西日本の鉄道車両
客車
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急行形・特急形 12系* - 14系* - 20系* - 24系*
貨車
ヨ8000形* - チ1000形* - チキ5200形* - チキ5500形* - チキ6000形* - チキ7000形* - ホキ800形* - トラ45000形* - トラ70000形* - ワム80000形* - ワキ5000形* - ワキ10000形*
気動車
急行型 キハ58系* - キハ65形*
特急型 87系 - キハ181系* - キハ187系 - キハ189系
一般型 キハ20系* - キハ33形 - キハ35系* - キハ37形* - キハ40系 - キハ45系* - キハ120形 - キハ121系 - キハ122系 - キハ126系 - キハ127系
電車
直流用
特急型 183系 - 271系 - 273系 - 281系 - 283系 - 285系 - 287系 - 289系 - 381系*
急行型 165系 - 167系* -
近郊型 クモハ84形 -111系*・113系* - 115系* - 117系* - 123系* - 125系 - 211系 - 213系 - 221系 - 223系 - 225系 - 227系
通勤型 直流用クモハ42系* - クモニ83形* - 101系* - 103系* - 105系* - 201系* - 205系 - 207系 - 321系 - 323系
交直流
特急型 485系* - 489系* - 583系* - 681系 - 683系
急行型 457系 - 471系 - 475系*
近郊型 413系* - 415系* - 419系* - 521系
通勤型 なし
ハイブリット車 DEC700形
その他車両
事業用車
機関車
電気機関車
直流 EF15形* - EF58形* - EF59形* - EF60形* - EF64形* - EF65形* - EF66形*
交直流 EF81形*
交流 なし
ディーゼル機関車 DD14形* - DD15形* - DD16形* - 912形* - DD51形* - DE10形* - DE15形*
蒸気機関車 C56形160号機、展示用) - C57形1号機) - C61形(2号機、展示用) - C62形(2号機、展示用) - D51形200号機
電車
直流 クモヤ90形* - クモヤ91形* - 145系*
交直流 441系* - 443系*
交流 なし
客車 マヤ34形* - オヤ31形*
貨車 ケ10形* - ソ80形* - 923形* - 931形* - 935形*
気動車 キヤ141系 - キヤ143形 - キヤ191系* -
ハイブリッド車 DEC741形
新幹線 500系 - 921形 - 922形* - 923形
新幹線 0系* - 100系* - 300系 - 500系 - 700系 - N700系 - N700S - W7系
「*」がある形式は国鉄から継承。右上に「廃」と書かれた形式はJR西日本には書類上存在しない。
データは2024年10月1日現在のもの。