ドクターイエロー
ドクターイエローは、東海道新幹線・山陽新幹線の線路を点検する車両で、「新幹線のお医者さん」とも呼ばれている。車体が黄色いことから、黄色い医者、「ドクターイエロー」という愛称がつけられた。
概要[編集]
乗客を乗せることはできず、線路や電気設備の検査に特化した車両となっており、現行のものは新幹線700系電車をベースとした新幹線923形電車が使われている。色は黄色に紺色の帯の塗装で、他の新幹線と区別をつけるために採用されている。線路や設備の異常を発見し、安全な運行を支えている。1ヶ月に数回走行していて時刻は非公開だが、ダイヤから特定する鉄オタがいる。見かけると幸運が訪れると言われており、「幸せの黄色い新幹線」とも呼ばれいる。
主な役割[編集]
歴代のドクターイエロー[編集]
921形[編集]
軌道検測用の車両で、単独での走行はできない。
- 0番台
東海道新幹線開業前に用意された客車タイプの軌道検測車。2両が製造され、1は完全新造車だが2は余剰となっていた在来線の旧型客車であるマロネフ29 11から改造された。また2は予備車としての役割が強く、測定項目が1に比べて少なかったという。1については自走による構内入換を可能にすべくサービス電源兼用の62psのバス用ディーゼルエンジンを搭載していた。
客車であるため、検測運行の際には911形ディーゼル機関車が牽引した。検測運行時の最高速度は160km/h。922形による牽引も可能ではあったものの前記の最高速度が原因で行われることはなかった。
2は1975年に廃車。1は1979年より東北新幹線小山試験線で各種試験に用いられた。1の廃車は1980年。
- 10・20番台
922形に中間車として組み込まれており、電気・信号検測と軌道検測が1度に行えるようになった。検測方式は3台車式。
- 30・40番台
925形に中間車として組み込まれていた。東北・上越新幹線開業に際して用意された31・41号と長野新幹線開業に際して用意された32号の3両が在籍していた。
31・41号は3台車式だが、32号は軸重制限の厳しい長野新幹線区間への入線を可能とするため、200系の中間車である226-63を改造し、レーザーによる2台車式軌道検測を日本で最初に導入した。
当初は31が925形S1編成へ、41がS2編成へ組み込まれていた。32は通常S1かS2編成のどちらかに31か41を外して組み込み、通常の定期検測では一定期間同一編成を連続して使用した。
941形[編集]
東海道新幹線開業前、鴨宮モデル線で試験走行に用いられていた1000形A編成から改造された救援車。
2両編成で、1号車に資材室、2号車に作業員用の座席と工具棚を設置した。幸いにも救援車としての出番は一度もなく、1975年に廃車。ちなみに本形式が新幹線電車における廃車解体の第1号となった。
922形[編集]

詳細は「新幹線922形電車」を参照
1000形から改造された0番台T1編成と0系をベースに新造した10番台T2編成、20番台T3編成が存在した。
T1編成は941形と同じ1975年に廃車。T2・3編成はJR東海と西日本にそれぞれ継承され、T2編成は2001年に、T3編成は2005年に廃車された。
923形[編集]

詳細は「新幹線923形電車」を参照
700系をベースに新造された車両で、T4編成とT5編成の2本が製造された。
T4編成は2025年に廃車、T5編成は2027年に廃車が予定されている。
925形[編集]
詳細は「新幹線925形電車」を参照
東北・上越新幹線開業に際して製造された0番台S1編成と、東北・上越新幹線開業前に試験用として製造した962形を改造した10番台S2編成が存在した。
廃車はS1編成が2002年、S2編成が2003年。
引退[編集]
JR東日本のドクターイエローはE926形East iで置き換えられ2003年までに姿を消し、そのまま全車解体となり現存しない。
JR東海のドクターイエロー「T4」は2025年1月に引退し、JR西日本のドクターイエロー「T5」は2027年1月に引退予定である。また、T4編成のうち1両がリニア・鉄道館に展示されている。後継車は用意されず、以降はN700Sへの検測装置搭載で対応される。
過去にはT3編成が現在のT4編成の場所に保存されていたが、T4編成の転入により白山市に移設された。
関連項目[編集]
新幹線の車両 |