新幹線E3系電車
E3系電車(イー3けいでんしゃ)とは、東日本旅客鉄道が保有するミニ新幹線用電車である。
0番台[編集]
秋田新幹線のこまち号としてデビューした。当初は200系・E2系と併結していたが、2013年9月を以て併結相手がE5系に固定された。また、両数も最初は5両だったが、後に6両に増結されている[注 1]。
後継のE6系登場により2014年3月改正で秋田新幹線から退き、大半の編成が廃車となったが、後述の通り一部編成が2022年まで残存した。
量産先行車(S8→R1編成)[編集]
1995年3月に落成。先代の400系に近いおでこライトのデザインになっている。当初は菱形パンタグラフを採用していたが、1997年の量産化改造でシングルアーム式に変更された。しばしば「1つ目こまち」などとネタ編成としてファンから絶大な人気を誇ったが、2013年7月20日に運用を離脱、廃車となった。尚、車番プレートが秋田市役所にて保存されている。
量産車[編集]
- 前期車
1996年〜1998年にかけてR2-17編成の16本が落成。量産先行車から全面デザインが大幅に変更され、運転台回りも改良が加えられた。定期運用引退後は老朽化を理由にそのまま廃車となった。
- 後期車
2002年〜2005年にかけてR18-26の9本が落成。ドアチェンジの設置やVVVFの種類変更[注 2]などのマイナーチェンジが行われた。
定期運用引退後は、車齢が比較的若かったために改造されたり波動用車両として運用に就くことになった。R18編成がとれいゆつばさに、R19編成が現美新幹線に改造(700番台として再スタート)され、R23-26編成は組み替えを行い1000番台に編入された。R21,22編成は「こまち」ロゴを撤去のうえ「やまびこ」「なすの」などで活躍したが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う減便で運用を離脱し、そのまま廃車となった。しかし、R20編成はこれといった行き場がなく、そのまま廃車となった。
1000・2000番台[編集]
山形新幹線の「つばさ」用車両として登場。2024年3月改正よりE8系への置き換えが開始され、2025年12月24日に営業運転を終了した。
1000番台[編集]
新庄延伸に伴う増発に合わせて、L51・52編成の7両2本が登場した。2005年には追加でL53編成が落成した。2014年、0番台から改造されたL54・55編成が転入し、入れ替わりでL51・52編成が引退[注 3]。コンセントが設置されていないため一般客にとっては外れ枠扱いだったが、少数派のためやはりファンからの人気は高かった。
2024年3月改正では、E8系に置き換えられる形で全編成が引退、消滅した。
2000番台[編集]
2009年から従来の400系置き換えのためL61-72編成の計12本が製造された。1000番代と酷似しているが、ライト形状や側面行き先表示など相違点が多い。
2016年度末までに1000番台ともども従来のシルバーから赤・オレンジ・紫の派手な配色に塗装変更を行った[注 4]が、ファン層を中心にかなりの不評を買った。他方、2023年2月にL65編成が原色へリバイバルされた。
2024年6月末のL63編成を皮切りに、この番台でも廃車がスタート。2025年12月にはリバイバル色のL65編成も新潟へ廃車回送された。
今後[編集]
JR東日本は、E3系1本(2000番台カタL70編成)を座席撤去などを行った荷物専用新幹線に改造し、25年秋に運転を開始する予定だったが、おそらくE8系の不具合の影響で計画に遅れが生じたために計画をやり直し、当該編成は新潟に廃車回送された[注 5]。
また、2026年度中にカタL67編成がインド新幹線の試験車両として海を渡る予定である。
余談[編集]
- 運用線区やカラーリング、挙げ句の果てには観光列車になったりと、新幹線界でも変わった性格を持つ当形式だが、なんと当形式をベースに開発された検測車E926形まで存在する。こう言った事例もあり、E3系は変幻自在にして可能性無限大の新幹線といえよう。
- しかしながら、そんなE3系にも唯一存在しないモノがある。それは、保存車。0番台(改造車の700番台も)・1000番台はおろか2000番台でさえ存在しないのである。なお、近年のJR東日本では他系列でも保存車を用意しない傾向にある。
ひょっとしたら維持費とかの問題がありそうだが…。
脚注[編集]
関連項目[編集]
- 前世代の車両
- 同世代の車両
- 次世代の車両
- E3系に関連する車両
- とれいゆつばさ - 山形新幹線にて運転されていたジョイフルトレイン。
- 現美新幹線 - 上越新幹線にて運転されていた走る美術館。
- 新幹線E926形電車 - E3系0番台をもとに製造された。
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