JR東日本107系電車
JR東日本107系電車は、1988年 - 1991年にかけて製造されたJR東日本の直流通勤形電車である。
概要[編集]
107系の投入された地域では、急行列車の廃止により有り余った国鉄165系電車が普通列車として使われていたが、いかんせん急行列車用であるためデッキ付き2扉ボックスシートという普通列車に使用するにはあまりにも非効率的な構造だった。また、165系は最低でも3両編成までしか組めなかったため、閑散時間帯には空気輸送となってしまっていた。このような悲惨な事態を打ち破るために製造されたのが107系である。
構造[編集]
107系製造当時のJR東日本は分割民営化直後であったためお金がなく、ケチるコストカットのため165系から主要な床下機器を流用した。歯車比は165系時代の4.21から105系・119系と同様の6.07ではなく、101系、201系と同様の5.60に変更された。なお、国鉄413系電車や国鉄717系電車と異なり、165系の改造名義ではなく完全新造ということになっている。
先代の165系とは異なり、国鉄105系電車や国鉄119系電車のような1M方式を採用し、165系で輸送力過剰となっていた3両から2両に減車した。加えて、105系・119系と違い電気連結器を装備することで併結による輸送力の調整を簡単に行えるようにした。従来車との併結も想定して一応ジャンパ連結器も装備しており、165系や115系との併結も可能としたが、歯車比の違いからそのような併結は基本的に行われなかった。
車体の製造もJR東日本社内で行われ、大宮工場、大井工場、大船工場、長野工場、郡山工場、新津車両所で製造した。
車体形状は3ドア両開きとされ、105系新製車とほぼ同じであるが、将来のワンマン化を見据えて運転台よりのドア位置をずらしている。
前面は105系や119系に類似した切妻の貫通形となっている。119系と異なりスカートを装備しているが、105系のスカートとは異なり2分割された。
車内は165系で混雑を招いたボックスシートから105系と同様のオールロングシートに改善した。
各番台解説[編集]
0番台[編集]
JR日光線用として小山に投入されたグループで、2連8本の計16両が導入された。うち4 - 8は霜取りパンタグラフを新造時から搭載する。後に1 - 3も改造で搭載した。
2013年3月のダイヤ改正で205系600番台に置き換えられて運用離脱し、同年6月に全車廃車された。
100番台[編集]
高崎に投入されたグループで、2連19本の計38本が導入された。0番台と違い横軽対策がされているが、実際に横軽を通過したことはない。また、耐雪ブレーキも装備されたが、0番台にある霜取りパンタグラフや砂撒き装置はなしとされた。
106 - からは2次車となり、戸袋窓を廃止しその他の窓も窓割りを変更した。
2016年から211系による置き換えが始まり、2017年11月までにすべて廃車されて廃系列となった。廃車後は6本が上信電鉄に譲渡され、うち5本が同社の700形となった。
上信電鉄700形電車[編集]
詳細は「上信電鉄700形電車」を参照
関連ページ[編集]
注釈[編集]
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