国鉄C57形蒸気機関車180号機

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国鉄C57形蒸気機関車 > 国鉄C57形蒸気機関車180号機
会津若松駅にて停車中のC57 180

国鉄C57形蒸気機関車180号機とは、国鉄C57形蒸気機関車のうち1両。

概要[編集]

現役時代は新潟を拠点に活動していた蒸気機関車で、2025年現在SLばんえつ物語の運用に使用されている。

経歴[編集]

現役時代[編集]

1946年8月8日に三菱重工業三原工場にて落成(製造番号は513)。
生まれは広島県だが、現役時代は新潟県を拠点に活動。引退までの23年間新潟を去ることはなかった。
新津駅を拠点に、羽越本線(秋田駅以南)、信越本線(直江津駅以北)、磐越西線(会津若松駅以西)にて運用に就いた。
当初は新潟機関区に配置されていたが、1963年に新津機関区に転属。引退までそこに所属した。

静態保存期間の30年[編集]

1969年9月に除籍され、[注 1]新津市小学校に静態保存された。
保存場所では、屋根が設置されたり、年に数回の頻度で整備や清掃をされたりと、優遇な扱いを受けた。[注 2]
平成に入ると、D51形498号機やC58形363号機が新潟地区を走行したことを皮切りに、180号機を動態復元するといった機運が高まるようになった。

SLばんえつ物語の牽引機として[編集]

詳細は「SLばんえつ物語」を参照

やがて、当機の復元を望む声が強くなり、[注 3]JR東日本は約1年と約2億円の費用をかけて復活させることを決定。
1998年に復元作業が開始され、大宮工場サッパボイラが復元作業に携わった。
そして、1999年3月25日に車籍が復活。同年4月29日にSLばんえつ物語[注 4]の牽引機として運行を開始した。
動態復元において、現役時代及び静態保存時の部品の整備・交換が行われた。[注 5]
また、運行開始後もちょくちょく検査を行い(2006年2007年には復活後初の全般検査が行われた)、2025年現在は2023年にリニューアルした形態となっている。
しかし、SLばんえつ物語としてデビューした時には落成から50年を過ぎていたため、[注 6]運行開始から数年後には不具合や故障が目立ってくるようになった。[注 7]
2003年には煙管に亀裂が入り、[注 8]2005年には動輪軸受に発熱を起こしたりと、なんだかんだ軽い故障で済んでいたが、2013年に入ると重度な故障が頻発した。
これにより、当時新潟車両センターに所属していたDE10形2両[注 9]による代走が頻繁に行われた。
2014年秋に全般検査が施行されたが、症状が重かったために2015年の夏まで大宮工場に入場。その間、運行に関しては先述したDE10形(DLばんえつ物語)やC61形20号機(C61ばんえつ物語)が担った。
大規模な修繕が施行されたことにより、主要部品による不具合が起こることは少なくなったが、それでも周辺機器による軽い故障は起こった。
2018年の夏には炭水車足回りによる不具合が発生。炭水車の車輪全てを一体圧延型車輪に変更し、それと平行して本来秋に予定していた検査を施行した。検査期間である1年間は、やはりDE10形が代走を担った。
その後、2019年7月末に復帰。それからは軽度の故障を起こしながらもその度に修繕され、今に至っている。

その他[編集]

脚注[編集]

  1. 全般検査施行から1年しか経っていなかったため、引退する直前には転属する計画もあった。
  2. そのため、保存状態が良く、動態復元も容易であった。
  3. 1997年には「SL・C57-180号を走らせる会」が結成されたほどである。
  4. 当初はSLばんえつ物語であった
  5. 前照灯運転台屋根の交換、砂箱前方に手摺り、ランボードに白線、全ての車軸に温度センサーを加え、重油タンク・列車無線アンテナを新たに装備…。といったマイナーチェンジが施された。
  6. 2025年現在の車齢は79年。
  7. 現役時代は同形式の1号機と比較して故障癖は少なかったらしいが…。
  8. 重油併燃装置のバーナー取り付け位置に問題があった。また、毎年冬に運転されるSL X'masトレインの牽引はD51形498号機が担った。
  9. 1680号機&1700号機が該当。

関連項目[編集]