JR西日本227系電車
JR西日本227系電車(JRにしにほん227けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道が2015年から運行している直流近郊型電車である。
概要[編集]
主に地方や末端部に残る115系や113系などの国鉄型電車を置き換えるために導入された。
225系の短いバージョンみたいなもので、0.5Mの全電動車構造やクラッシャブルゾーンのある構造は225系と同様である。顔は521系3次車とほぼ同じである。
225系と異なる点としては、行先表示がフルカラーLEDになっていることや、車内にLCDは搭載しておらず、223系同様の千鳥配置された3色LEDに退化していることが挙げられる。
番台[編集]
0番台[編集]
広島に投入された227系で、Red Wingの愛称を持つ。抑速ブレーキの設置により瀬野八の通過も可能。
Red Wingの名前の通り、赤色の見た目をしている。また、座席のモケットが赤色になっている。
3連のA編成が64本、2連のS編成が42本投入された。
1000番台[編集]
紀勢本線・和歌山線・きのくに線など和歌山周辺の105系・113系・117系といった国鉄形電車を駆逐するために投入された227系で、105系の流れを汲みオールロングシートとなっている。投入線区の都合から運賃表、運賃箱、整理券発行機、車載ICカードリーダーが設置されている。また、前照灯がLEDに変更された。この区分は227系で唯一愛称を持たない。
ダブルパンタでセラミック噴射装置非搭載のSD編成8本、いずれも非搭載のSR編成14本、セラミック噴射装置のみ搭載するSS編成12本が新在家派出所に所属するが、車番は通し番号で特に区別されていない。
500番台[編集]
岡山に投入された227系で、Uraraの愛称を持つ。車両は桃などをイメージしたピンク色である。この番台では立ち席スペースを増やすために座席が少なくなっている。なお、500番台は526以降が先行登場しており、トップナンバーの501は後に登場した3両編成への付番となる[1]。
3連はL編成を、2連はR編成を名乗る。
番台区分未定(山口向け)[編集]
2025年10月末に発表された区分で、Kizashiの愛称を持つ。車両はSLやまぐち号などを意識した黒色。番台区分どころか形式は不明だが、後述の経緯により227系500番台に区分される可能性が高い。
まず2連3本、3連6本が2026年より投入される。
事故廃車[編集]
2022年9月に0番台A11・33編成が広駅で連結失敗事故を起こし、うちクモハ227-11・モハ226-33・クモハ226-33の3両が翌年11月1日に除籍され、本系列初の廃車となった。残る3両はA65編成に組み替えられている。
外見は損傷が少なさそうではあり、クモハ227-11とモハ226-33が通電していたという報告があったものの、事故からの復活を成すことなく惨めに散っていった。台枠が歪んでいたか、連結失敗の影響で短絡を引き起こして修理不能になった可能性がある。
型式[編集]
クモハ227形[編集]
車両番号:1-106,501-539,555-556,1001-1034
パンタグラフ付き制御電動車。
クモハ226形[編集]
車両番号:1-106,501-539,555-556,1001-1034
制御電動車。
モハ226形[編集]
車両番号:1-64,501-525,539
電動車。1000番台には存在しない。
今後[編集]
2024年度に、173両の増備が計画されているJR西日本であるが、2023年度に引き続き導入が延期された。その後2025年度すら227系80両弱の導入に留まり、Aシート新造や227系増備などが2026年度に延期されたことなどを受けて227系導入の考察が変わっているエンペディアンの想像をご覧いただきたい。
以下、2026年頃の未来をエンペディアンが勝手に想像したものを書く。
山口地区[編集]
2025年10月末に発表された「Kizashi」により山口地区への導入が決定した。初期導入分は2両3編成と3両6編成の計24両である。2両編成は115系T編成[注 1]、3両編成はN編成を主に置き換えると思われる。ただT編成の置き換えを1本に限定した上でN編成を追加で置き換える可能性もある。また東海道・山陽本線系統で新快速として運行されていた、117系の改造車である3500番台が組み込まれているN14編成からN21編成が先に置き換えられる可能性もある[注 2]。123系に1両単行の運用があるため、それの置き換えは後回しになりかねない[注 3]。車番に関しては、585番からは山口地区用であるとの情報が複数あるため、本系列500番台の続き番号に区分され593番までは山口分になるものとみなせる。
播但・加古川線[編集]
こちらも103系が未だ蔓延っており編成数も17編成となっており、更にこの区間では輸送密度が高くなっていることや車内運賃収受が途中で撤廃されていることも考えると、増発や3両固定編成に増車される可能性も高く、その分を加味すると最有力候補である。ただ、加古川線向けは125系との併結対応を加味する可能性があり、227系で対応できるかはやや疑念が残る。もっとも、現行の103系と125系のように運用を分けるなら加味する必要は全くない。また、207系や223系の転用改造で対処するなら話は別である。
福知山地区[編集]
113系が蔓延っているが、同地区の223系5500番台は京都の221系や223系と連結する運用が存在するため、もし同地区用に227系を製造する場合は221系や223系との併結、120 km/hでの運転に対応した新仕様にする必要がある。そのような運用の都合を考えると、223系の転用改造や225系短編成仕様の製造あたりが最も可能性が高い。
山陰地区[編集]
車両は岡山所属の115系G編成であるため、こちらも岡山地区と同時に置き換えを行う可能性がある。同地区の115系は霜取りパンタグラフが取り付けられているが、227系にも1000番台に霜取りパンタグラフを取り付けている車両がいるため、製造上の懸念はほぼないだろう。また、運賃箱が必須なことから製造される場合はR以外の編成番号が充てられる可能性もある。
広島地区[編集]
可部線ではロングシートであった車両を転換クロスシートである227系で置き換えたため、混雑が激化した。またミナモア開業に伴い利用客が増加し、増発の機運が高まったため、導入が噂されている。可部線での混雑の緩和のため500番台で既存の0番台を置き換えた場合、2連12両程度を導入すると思われる。また増発用に2連6本、3連4本程度の導入が考えられる。
570番台[編集]
車両番号570はR29編成の落成をもって達成。製造中だった頃は複数の憶測が立っていたが、単純に岡山向け500番台の続き番号に収束している。
580番台[編集]
現在川重で製造されていると見られる番台。山口地区・広島地区の・山陰地区のいずれかに投入されると見られる。クロスシート車での混雑悪化はドア付近のスペースを増やすことで対応する。
590番台[編集]
現在川重で製造されていると見られる番台。上述で色々語っているためそれは端折るがどうやら蓄電池を搭載しているという話がありこれが本当なら播但線または関西本線ら辺に導入されるのではないかと見られる。しかし、蓄電池車なのに普通の電車と形式はおろか区分すら分けないのは全く意味不明であるため、そのような機構を搭載する可能性はほぼないと考えてよいだろう。
500番台大量増備論[編集]
クモハ226-592が確認されているがその車番まで500番台製造し続けるのではないかとする説。山口地区・兵庫県内2路線・山陰地区・広島地区・岡山地区・福知山地区の旧型車置き換えで500番台を大量製造するのではないかと見られ、この場合は600番台への突入も予測される[注 4]。流石に1年で300両超も置き換えられないので3年程度に分けて置き換えられるのではないか。
なお、岡山向けの2次増備は2連R編成18本[注 5]、3連L編成16本で終わった[1]ため、別地区・用途向けや異なる編成番号としての導入はほぼ確定な可能性が高い。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ この場合は1本をやりくりしてどうにか置き換えする事になるが、3両への増車の可能性もある。
- ↑ 何なら3両編成と2両編成連結の数が同一となるこちらの方が有力である。2両編成1本は予備ということになるが、それであると227系はこれ以上導入せず、京阪神地区からの中古(223系RS50など?)で済ませる可能性も出てくる。
- ↑ 本山支線を2両で運行するとは考えられないため、非電化または別形式の単行電車を導入することとなると思われる。そのため当形式での置き換えはなされないと考えられる。
- ↑ 0番台の増備自体も100番台に突入してから終了した。
- ↑ R31編成からR33編成の3編成はダイヤ修正に間に合わなかった。
出典[編集]
- ↑ a b “下関総合車両所岡山電車支所227系編成表”. FC2. 2025年10月10日確認。
近い世代の車両[編集]
- JR西日本225系電車 - 長編成
- JR西日本521系電車 - 交直流用
- JR西日本287系電車 - 特急用
- 新幹線N700S系電車 - 新幹線用
- JR東日本E129系電車 - JR東日本車
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