名鉄モ870形電車

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札幌市交通局A830形電車 > 名鉄モ870形電車

名鉄870形電車(めいてつ870がたでんしゃ)は、名古屋鉄道が運用していた路面電車用電車である。

概要[編集]

当時札幌市交通局が運営していた路面電車の札幌市電では旺盛な輸送需要に対応するため多数の連接車・連結車が在籍していた。しかし地下鉄の開業や路線の相次ぐ廃止で連接車・連結車の活躍の場は徐々に狭まり、車齢の新しい車両でも容赦なく休車となっていた。
同時期、名鉄は美濃町線の輸送改善用に輸送力の大きな車両を欲しており、交通局・名鉄双方の利益が一致した結果、1965年製のA830形のうちA837・A838、A839・A840、A841・A842の3編成が1976年(昭和51年)に名鉄へ譲渡された。

名鉄への入線に際しては岐阜検車区

  • 戸袋窓を除くおよそ半分の窓を開閉式へ変更
  • 折りたたみステップの設置
  • 車体色の変更

といった改造工事が施工された。

車番の新旧は以下の通り。

  • A837 - A838→モ871 - モ872
  • A839 - A840→モ873 - モ874
  • A841 - A842→モ875 - モ876

運用[編集]

ラッシュアワー時に連接車の輸送力を発揮した。しかし、当時の美濃町線は田神線を介して各務原線に乗り入れの新岐阜駅発着の列車の方が需要が旺盛にも関わらず、モ870形は電装品が600V専用で新岐阜発着運用に入れず、制約が生じた。

1980年(昭和55年)に1500/600Vの両電圧に対応するモ880形がデビューして車両数に余裕が生じると600V専用のモ870は真っ先に追いやられ、モ871 - モ872が1988年(昭和63年)に廃車された。

残った2編成は引き続き使用され、1996年(平成8年)から翌年にかけて冷房化工事を施工。同時に車体更新工事が行われ、外観に変化が生じた。更に2000年(平成12年)には電装品が1500/600Vの複電圧仕様に更新され、ワンマン化も行われた。

2005年(平成17年)の名鉄600V線区廃線と運命を共にし、全車両が廃車された。モ600形と共に車両の譲渡先は現れず、モ875の前頭部のみがカットボディとなって旧美濃駅で保存されている。

営業車
特急車
2000系系列 2000系 - 2200系・2300系
1000系系列 1000系・1200系 - 1800系
本線通勤車
3R車 3500系 - 3700系 - 3100系 - 3300系・3150系 - 9500系・9100系
6R車 6000系 - 6500系 - 6800系
機器流用車 5000系
地下鉄直通車 100系・200系 - 300系
瀬戸線車 4000系
事業用車
機関車 EL120形
貨車 チキ10形 - ホキ80形
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