名鉄9500系電車
名鉄9500系電車とは、名古屋鉄道が2019年から導入を開始した、通勤型電車である。本項目ではその派生形式である9100系電車についても解説する。
概要[編集]
9500系は4両編成、9100系は2両編成である。
名鉄は、マイナーチェンジがされつつも2004年より15年近く3300系・3150系を製造していたが、時代の変化に合わせてフルモデルチェンジを図るために開発・製造された。
2扉という特性上様々な問題があった5300・5700系や、6000系、6500系初期車・6800系初期車などの老朽化が進んだ車両を置き換えている。
車体[編集]
片側3扉の日本車輌製造製オールステンレス製車体。日車式ブロック工法が採用されており、基本的な構成は3300系と変わらない。
前面[編集]
先頭部は衝突安全性と変形時の保守性向上のため普通鋼製。黒色と名鉄のコーポレートカラーの赤色で塗り分けられている。前面の行先表示器はフルカラーLEDで、前照灯はつり目になっている。3300系の優しいデザインからシャープなデザインに。横8粒のLEDを縦に3段、斜めに配列した前照灯により、これまでとはひと味違うシャープで精悍な顔つきとすることで、伝統と目新しさを表現している…らしい[1]。でも近未来感があってかっこいい印象。
車内[編集]
座席配置はオールロングシート。スタンションポールや袖仕切りなど部品の形状は変わっていないが、3300系が明るい水色系ベースの車内となっているのに対し、9500系は化粧板を白色とし、天井や床板、ドアなど一部にクリーム色を取り入れ、座席の色は紺色とすることで、全体的に清潔感のある落ち着いた雰囲気となっている。また、扉上の案内表示器など、金属の押さえ面を減らして意匠性に統一感が出る工夫もされている。
設備面では、液晶ディスプレイと防犯カメラが千鳥配置されている。バリアフリー設備として、全車両に車いすスペースを設け、同時期に内装更新が施工された3500系にも設置された。
2022年以前に製造された車両のみ、無線LANによるフリーWi-Fi(MEITETSU FREE Wi-Fi)も搭載していたが、2023年に撤去された。
機器類[編集]
制御装置の制御方式はハイブリットSiC-VVVFで、1C2M2群分割方式。9500系は東芝製で、315系でも採用されている一般的な東芝SiCの音だが、起動加速が遅めに設定されている都合上、非同期音へ移行するタイミングが少し遅いのが特徴。対して9100系は三菱製で、3300系・3150系前期車の三菱IGBT、通称「竜巻インバータ」の音程を下げたような音色である。
主電動機は全閉外扇誘導電動機とし、3300系のかご型三相誘導型と比較して駆動音が小さい。出力は従来車と変わらず170kw。
台車はボルスタ付きで、トレーラー台車がFS571TC、電動台車がFS571MC。
20番台[編集]
2024年度製造分からは貫通扉が装備され、20番台となった。先頭車はかつての1600系を想起させるデザインとなっている。
編成構成[編集]
9500系[編集]
豊橋方からク9500(Tc)、モ9550(M)、サ9650(T)、モ9600(Mc)。2025年10月現在、第1~第15編成、貫通型の第21~第24編成までが営業運転に入っている。
9100系[編集]
豊橋型からク9100(Tc)、モ9200(Mc)。2025年10月現在、第1~第10編成、貫通型の第21・22編成までが営業運転に入っている。
運用[編集]
2021年以降に登場した9500系(9506F~)は登場時よりワンマン対応となっており、各務原線・知多新線や広見線を中心に、3500系ワンマン対応大幅リニューアル車と共通で運用される。9100系は上記に加え、築港線における運用が存在する。
それ以外の9500系は3500系ワンマン非対応車、3700系、3300系と、とそれぞれ共通の運用を組んでいる。
代走や増発の際には三河線に乗り入れることもあり、特にワンマン対応車による代走の際はワンマン運転を実施する。