JR東日本E721系電車
JR東日本E721系電車とは、JR東日本の交流型車両の1つ。
- 平成中期~後期における東北を代表する鉄道車両である。
- 尚、本項では私鉄(全て第三セクターだが)における派生車両である仙台空港鉄道SAT721系、青い森鉄道青い森703系、阿武隈急行AB900系についても解説する。
概要[編集]
後述の通り仙台地区に残っていた国鉄型や旧型の719系の置き換えや増便に対応するために、2006年から製造を開始した。JR東日本所属の車両は2016年~2017年の間に落成した1000番台を最後に製造が終わっているが、第三セクター(特に阿武隈急行)における派生車両は現在もなお製造を続けている。
本系列における最大の特徴は低床構造であり、台車および車輪が従来の車両より小さいモノを採用しているため、低床プラットホームにおける段差に対応するといった構造となっている。
設備[編集]
車体[編集]
低床構造にしステップを廃止。701系と併結できる。
車内[編集]
セミクロスシートである。トイレがある。
その他[編集]
自動放送が付いていて、0番台 (一部のみ)・500番台はワンマン運転に対応している。
番台別・第三セクター車両における車両の差異[編集]
0番台・1000番台[編集]

東北地方に残っていた国鉄型や719系を一掃するために開発された。
0番台は2両編成、1000番台は4両編成固定で製造されている。どちらも動力車と付随車の比率は1:1。701系との併結運転も行うが、そのときは車内LEDと自動放送は動作しない。
0番台が2007年から東北本線・常磐線で運転開始され、2010年には701系との併結運転を開始した。
磐越西線には0番台のワンマン運転対応車両のみを所定で充当するため、ワンマン運転に対応していない大半の0番台と1000番台は代走以外で入線する機会がない。東北本線の小牛田 - 一ノ関間でも基本2両のため大半がワンマン対応車での運用となる。ワンマン対応車は14編成存在するが、このうちP-12編成は2020年に一部の座席をリクライニングシートに変更するといった改造が施され、快速あいづ専用車両として運用に就いている[注 1]。
2016年から導入開始された1000番台は車体の帯が0番台で赤と緑だったのが、赤の部分が桜色になっている[注 2]。
0番台は44編成88両、1000番台は19編成76両が製造されたが、東日本大震災による津波で0番台2本が流され事故廃車、かつ0番台のうちP-5編成は500番台に改造されたため2024年現在0番台は41編成82両が在籍する。
500番台・SAT721系[編集]

仙台空港アクセス線向けに製造された。
どちらも0番台と同じく2両編成でワンマン運転に対応した設備を搭載しているが、いわゆる都市型ワンマンと呼ばれる運転を行うため、運賃箱などは有していない。また、空港連絡線用の列車なので大型荷物置き場を設置している[注 3]。
両者は別の会社の車両(500番台はJR東日本、SAT721系は仙台空港鉄道が保有)で、名目上は東北本線と仙台空港線を直通運転する運用だが、その実態はもっぱら共通運用となっている[注 4]。また、どちらもJRの仙台車両センターに在籍し、SAT車に関しては車両管理業務を委託している状況下にある。両者の違いとしては、ラインカラー、座席の配色、ドアのラインカラーの有無などが挙げられる。
500番台はP-505編成を含めた5編成、SAT721系は3編成が在籍する。
青い森703系[編集]
青い森鉄道の輸送力増強のために製造された。2編成4両のみの在籍で、IGRいわて銀河鉄道および青い森鉄道線八戸駅以南には乗り入れない。
AB900系[編集]
阿武隈急行の8100系電車の置き換えのため、2019年より製造開始。2026年現在7編成が運用されており、10編成が出揃う予定となっている。
事故廃車[編集]
関東でいうE233系や東武50000系電車などと同世代の新しい形式だが、事故廃車が発生している。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波により、常磐線新地駅に停車していたE721系0番台のP-1編成とP-19編成が大破し、同年4月に現地で廃車となった。 新地駅は駅舎ごと津波に流され、2016年の運転再開時は駅が内陸寄りに移設されている。
この影響でE721系0番台のトップナンバーは現存しておらず[注 5]、1000番台はこれらの廃車後に製造されたため系列内の全車が同時に在籍したことはない。
また、AB900系AB-8編成も2025年度に落成予定だったが製造中の不具合により落成することなく導入延期となり、元の構体は2026年1月に解体搬出されている。
今後[編集]
山形線にてE723系の投入が決まったことから以下のいずれかが考えられる。
- 標準軌はE723系、狭軌は低床ホームが多いためE721系の増備
- 標準軌、狭軌ともにE723系の増備で、狭軌向けはステップ付き
いずれにしても標準軌向けに本系列は投入されない見込みとなった。
また、狭軌向けにE723系を増備する場合、0番台の非ワンマン車を中心にワンマン化改造を施工し秋田地区や盛岡地区に転用する可能性も否定できず、今後に注目したい。
運用区間[編集]
0番台・1000番台[編集]
500番台・SAT721系[編集]
青い森703系[編集]
AB900系[編集]
脚注[編集]
- ↑ 尚、リクライニングシートが設置された車両は外観も変更されており、鶴ヶ城の桜をイメージしたデザインとなっている。
- ↑ E721系が主に走る区間である東北本線沿線には、桜の名所が多いことからこのようなマイナーチェンジが施されている。
- ↑ ただし、0番台P-5編成からの改造車であるP-505編成は、この大型荷物置き場は設置されておらず、種車である0番台と同じく座席設備を有している。
- ↑ もっとも、JR車とSAT車の2形式が併結して運用されることもあり、なんならSAT車同士の併結運用がレアな有様となっている(SAT車は3編成しか在籍していないため)。
- ↑ なお、新製配給時このトップナンバーを牽引したのは悲劇の釜とも呼ばれるED75形1039号機(ED75形におけるラストナンバー)。こちらも東日本大震災で津波の影響で廃車となり、現地で解体された。
関連項目[編集]
- JR東日本E233系電車
- JR東日本E129系電車
- JR西日本227系電車
- 新幹線E7系電車 - 災害の影響でトップナンバーが廃車になった点が共通している。
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