シャルガン8
シャルガン8(セルビア語:Шарганска осмица/Šarganska osmica)とはセルビアとボスニア・ヘルツェゴビナの鉄道路線である。
概要[編集]
セルビア鉄道(セルビア鉄道博物館)が保有する軌間600mm及び760mmの狭軌鉄道博物館と観光複合施設であり、モクラ・ゴラ-シャルガン・ヴィタシなどを結んでいる。かつて存在したベオグラード=ヴィシェグラード=サラエボ線の一部を観光用に改修した区間であり、4月から10月及び12月25日から1月25日まで博物館列車の「ノスタルジア」が運行される。この路線の改修工事は2003年に完了し同年9月1日よりJŽ83-173号機が牽引する最初の列車が多くの観光客や鉄道ファンを乗せて輸送を開始した。
シャルガン8は法的に保護されているシャルガン自然公園を通る。ズラティボル、タラ国立公園、ズラタルの交わる場所に位置しており、標高1627mのブルド山の山頂からはオジロワシの生息地の一つであるウヴァツ川の渓谷を望める。またズラティボル山を源にモクラ・ゴラへ流れるカミシェナ川にはヴェリキ・スカカヴァツ滝というセルビアで8番目に高い滝がある。
シャルガン8からそう遠くないところにジェティニャ川沿いにあるウジツェには1900年に建設された水力発電所の博物館がある。1991年にセルビアで初めて、そして世界最古である、テスラの交流原理に従って建設されたシーメンス・ホール発電所は現在でも発電が可能である。
鉄道駅には宿泊施設、飲食施設があるためシャルガン8沿線で数日滞在も可能である。
名所[編集]
モクラ・ゴラ-シャルガン・ヴタシ間の8の字ループ線が有名であり、シャルガン8の名前の由来にもなっている。これは同じ線路が2回交差している。さらにヘアピンカーブも存在する。また映画「ライフ・イズ・ミラクル」の撮影のためにゴルビチ駅が開設された。
車両[編集]
車両はベオグラードのポジェガにある鉄道博物館 (ベオグラード)狭軌鉄道部門の機関車と貨車・客車が搬入された。
- JŽ83形蒸気機関車:173号機が在籍。普段は走らず動態保存されている。特別な日などに運用される。
- L45H形ディーゼル機関車:96号機と98号機が在籍。96号機が基本的に運用される。98号機は予備機。
現在[編集]
2011年9月にこの路線はかつてのルートだったボスニア・ヘルツェゴビナのヴィシェグラードまで延長された。またこれもかつてのルートのセルビア鉄道108号線のウジツェまで延長することを計画している。