未来少年コナン
『未来少年コナン』(みらいしょうねんコナン)は、1978年4月4日から10月31日にNHK総合テレビジョンで毎週火曜日19時30分から20時00分に放送された全26話のテレビアニメ。
概要[編集]
NHK初の全編オリジナル国産アニメで、宮崎駿の初監督作品[1]。企画・制作は日本アニメーション。最終戦争と地殻変動による文明崩壊から20年たった2028年の地球を舞台に、主人公の少年コナンが科学都市インダストリアに連れ去られた少女ラナを救うための冒険に出るSF冒険アニメ。アレグサンダー・ケイのSF小説『残された人びと』(1970年)を原作としているが、大幅に内容が変更されている。
1976年10月に新日本婦人の会東京都本部がNHKに「夕方、民放にチャンネルをまわさずにすむよう、NHKが良いマンガを組んでほしい。とくにアニメーションの起用を積極的に」と要望した[2]。これがきっかけとなって[2][3][4]、NHKは初めてテレビアニメシリーズを放送することを決定した。日本アニメーションが制作会社に選ばれ、同社はこれまで制作してきた名作路線に近い企画をいくつか提案した。NHKは企画の佐藤昭司が用意した原作の中から、『残された人々』を選んだ。『アルプスの少女ハイジ』(1974年)や『母をたずねて三千里』(1976年)のレイアウトを担当した宮崎駿に監督が依頼され、宮崎は作画監督に大塚康生を起用することを条件に監督を引き受けた[5]。ライバル社のシンエイ動画の役員であった大塚は日本アニメーションへの出向という形で作画監督を担当した。
当時は宮崎より大塚の方が知名度が高く、『コナン』や翌年の『ルパン三世 カリオストロの城』は大塚の作品として認識されることも少なくなかった[6]。大塚は第1話でヒロインのラナの作画を担当したが、宮崎は試写を見た感想として「僕はもう1話を見た途端首を吊ろうかと思った」「ラナってのは、コナンが一目見た途端に一生この女のために生き抜くぞと頑張るような美少女でなければいけないのに、すごいブスラナが出て来ましてね…」と語っている[7]。第2話以降は宮崎がすべての原画をチェックするようになり、宮崎や篠原征子がラナの作画を担当した。
1980年代初頭に宮崎駿は『未来少年コナン』の第2弾として『海底世界一周』を構想した。この企画は実現しなかったが、宮崎監督の『天空の城ラピュタ』(1986年)、庵野秀明監督の『ふしぎの海のナディア』(1990-1991年)に転用された[8][9]。高木淳監督の『七つの海のティコ』(1994年)にも転用されたとされる。
1999年からTBS系列で日本アニメーション制作、早川啓二監督の『未来少年コナンII タイガアドベンチャー』(1999-2000年)が放送されたが、『未来少年コナン』の「冒険活劇テイストを受け継ぐべく制作された作品」であり[10]、直接的な続編ではない。第15話から『タイガアドベンチャー』に改題したが、VHSは『未来少年コナンII タイガアドベンチャー』のタイトルで発売された。
主要登場人物の1人であるダイス船長のモデルは、東京ムービー新社社長の藤岡豊であると言われる[11][12]。
スタッフ[編集]
※『未来少年コナン(劇場版)』(1979年)のエンディングクレジット「テレビシリーズ制作スタッフ」にテレビ版のクレジットから一部追加。
- 製作:本橋浩一
- 製作管理:高桑充
- 企画:佐藤昭司
- 原作:アレグサンダー・ケイ 「残された人びと」より
- 脚本:中野顕彰(#1、3、5~8、12~14、23~26)、吉川惣司(#9~11、15~22)、胡桃哲(#2、4)
- 演出:宮崎駿(#1~26)、高畑勲(#9~10)、早川啓二(#11~26)
- 絵コンテ:宮崎駿(#1~4、8、12、15~19、22~26)、早川啓二(#3、4、8、12、15)、奥田誠治(#5、6)、高畑勲(#7、9、10、13、20)、石黒昇(#11)、とみの喜幸(#14、21)、鈴木孝義(#17)
- 音楽:池辺晋一郎
- キャラクターデザイン:大塚康生、宮崎駿
- 場面設定/メカニックデザイン:宮崎駿
- 作画監督:大塚康生
- 美術監督:山本二三
- 撮影監督:三沢勝治
- 録音監督:斯波重治
- 動画チェック:前田英美
- 動画チェック助手:大島秀範
- 美術補:阿部泰三郎(#16~26)
- 色指定/検査:保田道世
- 背景:アトリエ・ローク 川本征平、阿部泰三郎、笠原淳二、高野正道
- 編集:瀬山武司、割田益男、上遠野英俊
- 撮影:東京アニメーションフィルム 清水達正、金子仁、小山信夫
- 演奏:コンセール・レニエ
- 効果:イシダサウンド 石田秀憲
- 整音:桑原邦男
- 録音制作:オムニバスプロモーション
- 録音スタジオ:シネビーム
- 現像:東洋現像所
- 演出補佐:早川啓二
- 演出助手:馬場健一、鈴木孝義
- 制作進行:細田伸明、竹内孝次、星出和彦、神田喜雅、照井清文、内山秀二
- プロデューサー:中島順三、遠藤重夫
- 作画:近藤喜文、河内日出夫、篠原征子、富沢信雄、新川信正、岡田敏靖、北島信幸、保田夏代、川尻善昭、岡迫恒弘、大島秀範
- 彩色:砂芳子、中村真理、金坂さよ子、池亀麻貴子、浜下栄、進藤薫子
- 制作:日本アニメーション
キャスト[編集]
- コナン:小原乃梨子
- ラナ:信沢三恵子
- ジムシー:青木和代
- おじい/ラオ博士:山内雅人
- ダイス:永井一郎
- モンスリー:吉田理保子
- レプカ:家弓家正
- ドンゴロス:神山卓三
- グッチ:増岡弘
- パスコ:池田勝
- ドウケ:若本紀昭
- クズウ:水島鉄夫
- オーロ:石丸博也
- テラ:つかせのりこ
- ガル:宮内幸平
- ルーケ:田中秀幸
- ナレーション:伊武雅刀
主題歌[編集]
- エンディングテーマ:「幸せの予感」
- 作詞:片岡輝
- 作曲・編曲:池辺晋一郎
- 歌:鎌田直純、山路ゆう子
劇場版[編集]
- 『未来少年コナン』
- 『未来少年コナン・特別篇/巨大機ギガントの復活』(未来少年コナン 特別篇 巨大機ギガントの復活)
出典[編集]
- ↑ 未来少年コナン|番組 NHKアーカイブス
- ↑ a b 北川隆吉、隅井孝雄 『テレビを子どもの味方に――国際児童年の新テーマ』現代史出版会、1979年、66-67頁
- ↑ 座談会「子どもとテレビ」『しんぶん赤旗』1998年5月23日・24日付
- ↑ 有原誠治「テレビに子守りをさせないで」『女性&運動』2000年11月号
- ↑ 叶精二「宮崎駿監督が猛烈に働いて作った『未来少年コナン』」論座、2020年11月10日
- ↑ 小黒祐一郎「アニメ様の七転八倒 第68回 宮崎駿と判官びいきのやり過ぎ」WEBアニメスタイル、2006年8月15日
- ↑ アニドウFilm1/24編集室編『Film1/24別冊 未来少年コナン』アニドウ、1979年、57頁
- ↑ 安藤健二「『天空の城ラピュタ』と『ふしぎの海のナディア』の知られざる関係。どちらも宮崎駿監督が構想した企画が元になっていた」BuzzFeed、2024年8月29日
- ↑ 「海の日」特集|番組 NHKアーカイブス
- ↑ TVアニメ 未来少年コナン II タイガアドベンチャー (1999~2000) allcinema
- ↑ 長野辰次「アニメスタジオ経営は難しい? 宮崎駿監督が仕えた「3人のボス」が示した哲学」マグミクス、2023年9月25日
- ↑ 映画ゾンビ・バブ「『カリオストロの城』は実話ベースだった? 宮崎駿監督の実らなかった初恋エピソード」サイゾーオンライン、2025年6月27日
- ↑ 映画アニメ 未来少年コナン (1979) allcinema
- ↑ 未来少年コナン・特別篇/巨大機ギガントの復活 松竹
- ↑ 映画アニメ 未来少年コナン特別篇 巨大機ギガントの復活 (1984) allcinema
外部リンク[編集]
- 未来少年コナン公式サイト - 日本アニメーション
- 未来少年コナン - ディースリー・パブリッシャー
- 舞台『未来少年コナン』 - ホリプロステージ