母をたずねて三千里
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『母をたずねて三千里』(ははをたずねてさんぜんり)は、1976年にフジテレビ系列のカルピスこども劇場で全52話が放送されたテレビアニメ。日本アニメーションが制作する世界名作劇場シリーズの2作目。
監督は高畑勲、脚本は深沢一夫、場面設定・レイアウトは宮崎駿、作画監督・キャラクターデザインは小田部羊一。『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年)、『パンダコパンダ』(1972年)、『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』(1973年)、『アルプスの少女ハイジ』(1974年)と続いてきた高畑・宮崎・小田部チームの最後の作品[1]。なお小田部は高畑・宮崎演出の『ルパン三世 PART1』(1971-1972年)、宮崎監督・高畑プロデューサーの『風の谷のナウシカ』(1984年)にノンクレジットで参加している。
エドモンド・デ・アミーチスの小説『クオレ』(1886年)の中の短い挿話「アペニン山脈からアンデス山脈まで」を原作としているため、登場人物やエピソードのほとんどはスタッフのオリジナルである[2]。重要な登場人物である人形劇の旅芸人「ペッピーノ一座」もアニメのオリジナルであり、人形劇出身の深沢が設定したものである[2]。アニメの作中で「ペッピーノ一座」の座長ペッピーノがマルコの母を探す旅をヒントにした人形劇を上演し、観客を泣かせるために即興でマルコの母が理不尽な理由で死ぬ結末に差し替えて大受けするというエピソードがある。これは前年に同じ世界名作劇場枠で放送された『フランダースの犬』(1975年)を批判したものとも受け取られる[3]。
劇場版[編集]
- 『母をたずねて三千里』 - 1976年7月18日公開。25分。TVアニメのブローアップ版。配給は東映で「東映まんがまつり」の1本として公開。
- 『母をたずねて三千里』 - 1980年7月19日公開。107分。TVアニメを再構成した映画。配給は東宝東和。
- 『MARCO 母をたずねて三千里』 - 1999年4月3日公開。97分。TVアニメをリメイクしたオリジナル劇場版。監督は楠葉宏三、脚本は深沢一夫。小田部羊一がオリジナルキャラクター、才田俊次がキャラクターデザイン・作画監督を担当。配給は松竹。
出典[編集]
- ↑ 五味洋子「アニメーション思い出がたり その78 続『母をたずねて三千里』」WEBアニメスタイル、2010年3月26日
- ↑ a b 五味洋子「アニメーション思い出がたり その77 母をたずねて三千里」WEBアニメスタイル、2010年3月12日
- ↑ 井上征剛「高畑勲と「大衆と共にある芸術」──『太陽の王子 ホルスの大冒険』と『母をたずねて三千里』の音楽」、米村みゆき、須川亜紀子編『ジブリ・アニメーションの文化学――高畑勲・宮崎駿の表現を探る』七月社、2022年
関連項目[編集]
- 奥山玲子 - 作画監督補佐
- 篠原征子 - 作画、動画チェック
- 富沢信雄 - 作画、動画チェック
- 大塚康生 - 作画
- 才田俊次 - 作画
- 丹内司 - 作画
- 横田和善 - 演出助手
- 保田道世 - 仕上検査
- 竹内孝次 - 制作進行
- 小山明子 - 『MARCO 母をたずねて三千里』の色彩設計
- 佐藤昭司 - 『MARCO 母をたずねて三千里』の企画
- 赤毛のアン - 高畑勲が監督した世界名作劇場シリーズ作品
関連文献[編集]
- ちばかおり「マルコはハイジと夢を見る――高畑勲による海外児童文学のテレビアニメ化とその演出」、中丸禎子、加藤敦子、田中琢三、兼岡理恵編著『高畑勲をよむ――文学とアニメーションの過去・現在・未来』(三弥井書店、2020年)
- 井上征剛「放送劇音楽としての『母をたずねて三千里』付随音楽」、中丸禎子、加藤敦子、田中琢三、兼岡理恵編著『高畑勲をよむ――文学とアニメーションの過去・現在・未来』(三弥井書店、2020年)