しんぶん赤旗
しんぶん赤旗(しんぶんあかはた)は、日本共産党中央委員会が発行する、同党の機関紙(日刊新聞)である。
概要[編集]
1928年2月1日創刊。日本共産党の党活動や国会での答弁に、反戦、民主主義、平和などのニュースを中心に掲載。
世界各国の左派系の政党では勢力拡大や右派系問題の批判に機関紙を発行することが多い。その中でも日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、他の大手新聞と同様に一般家庭に配達されるため広く知られている。
日本共産党は、企業や富裕層の不適切な政治介入を防ぐため企業献金を一切受け取らず、庶民や党員による、しんぶん赤旗の収入(9割以上)で支えている。
最終面は一般紙と同様にテレビ番組表が掲載されていたが、2023年から最終面を一面と同じカラー印刷にする都合上、カラーページの集中をはかって、ラジオ・テレビ欄は中面に移動された。
本紙とは別の「日曜版」も発行され、YouTubeチャンネルも開設されている。日曜版は週1回発行だが、財政上の問題から2023年から月に5回日曜日がある月には合併号をいれて月4回発行となった。子ども向けに少年少女新聞が発行されていた時期があった。カルト宗教の介入に関しては、共産主義には無神論の考えがあるため他社より、ある程度防げるとされる。一方で国民の右傾化に伴い購読者が減少しているという。
作品[編集]
漫画は手塚治虫・宮崎駿・赤塚不二夫・やなせたかしなど共産主義にゆかりのある漫画家の作品が、しんぶん赤旗(少年少女新聞含む)に連載されていた。連載小説は日本民主主義文学会に所属する作家の作品(浅尾大輔など)が中心だが、最近では山崎ナオコーラ、木村紅美、王谷晶などの一般文芸誌にも登場する作家の作品が掲載されることもある。
| タイトル | 作者 | 連載紙 | 連載期間 |
|---|---|---|---|
| ごくろうサン | 宮下森 | 朝刊(毎日) | 1971年1月1日 - 1975年2月26日 |
| ぼくの満洲 | 森田拳次 | 日曜版 | ? - ? |
| 六助くん | 板井れんたろう | 日曜版 | ? - ? |
| 台所剣法 | 亀井三恵子 | 朝刊(毎週木曜) | 1970年10月28日 - 2015年より休載 - 2017年終了 |
| まんまる団地 | オダシゲ | 朝刊(毎日) | 1975年2月27日 - 連載中 |
| 今どき小学生 くるみちゃん的生活 | おおえだけいこ | 原則第1土曜日 | |
| 悩みごと、あったらね? | 高口里純 | 日曜版 | 2002年6月 - ? |
| ミラクルダイエッターMIYUKI | 原作:高口里純 作画:高口組 |
日曜版 | 2003年11月 - 2004年10月 |
| ドボン&ウズ・メメス | 葛西映子 | 日曜版 | 2004年11月7日 - 2005年12月 2006年12月31日・2007年1月7日合併号 - 2007年12月 2009年12月27日・2009年1月3日合併号 - 2010年12月 |
| 今日もいい天気 | 山本おさむ | 日曜版 | 2008年 - 2009年, 2012年,2017年 |
| ミラクルダイエッターMIYUKI vv | 原作:高口里純 作画:高口組 |
日曜版 | 2016年1月 - 2016年12月 |
赤旗砲[編集]
一般のメディアが報じないことを報じる機関であるとされ、赤旗に権力者の不祥事を報じられることは、赤旗砲と呼ばれ、文春砲と並び恐れられている。近年有名となった赤旗砲に自民党の2000万円の問題があり、赤旗の情報からテレビ各局が一斉に報道し、自民党を少数与党に追い込むきっかけとなった[1]。
購読費[編集]
- 日刊紙:月額3497円
- 日曜版:月額990円
- 2025年12月時点
押し売り問題[編集]
共産党系の地方議員が、自治体の庁舎内において自治体幹部職員らに「しんぶん赤旗」の購読を求める行為が横行しており、問題視されている[2]。
一例として、東京都新宿区で区によって課長級以上の管理職を対象を対象に実施されたアンケートでは、約8割が共産党区議から「しんぶん赤旗」の購読の勧誘を受けており、このうち6割以上が心理的圧力を感じている[2]。また、35%が「購読した」、50%が「やむを得ず購読した」と回答しており、断っても重ねて勧誘されるケースも複数回答がある[2]。千葉市においても2025年3月に行った管理職への調査でも、同様の回答が得られており、市長の神谷俊一が千葉市議会に対し、配慮を求める文書を提出している[2]。
神奈川県鎌倉市では2014年度に「職務の中立性」を理由として政党機関紙などの庁舎内での勧誘を禁止する規則を設けている[2]。
自治体の管理職は議会対応も職務の一環である以上、議員の要求を断りにくいというのもある[2]。また、日本共産党は同党の収入総額の約8割が「しんぶん赤旗」の購読料など機関紙関連事業と表明しており、自治体職員が日本共産党の収入に加担しているとなれば、政治的中立性を損なうことも憂慮される[2]。
これに対し、日本共産党では「政党議員の政治活動の自由への不当な規制要求」と反論している[3]。
関連記事[編集]
脚注[編集]
- ↑ 「赤旗砲」スクープの裏側 与党過半数割れに影響した「裏金問題」「2千万円問題」が放てたワケ
- ↑ a b c d e f g “<主張>赤旗の「押し売り」 全国で実態調査し対策を”. 産経新聞. (2025年10月30日) 2025年12月16日閲覧。
- ↑ “「産経」主張が「赤旗」の「押し売り」と攻撃 憲法違反、内心の自由侵害の「実態調査」は許されない”. 日本共産党 (2025年11月2日). 2025年12月16日確認。