ヴェストバーン
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種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
![]() ウィーン |
設立 | 2008年 |
業種 | 運輸業 |
事業内容 | 鉄道事業 |
売上高 | 約1億2000万ユーロ |
従業員数 | 約4000人 |
外部リンク | https://westbahn.at |
ヴェストバーン(ドイツ語:Westbahn、正式名称:Westbahn Management GmbH)とはオーストリアで鉄道事業を行う民間事業者でウィーン、ザルツブルク、シュトゥットガルト、リンダウ、ザンクト・ヨハン・イム・ポンガウ間などで旅客輸送を行う。同社は2011年12月にウィーン-ザルツブルク間で同社と同名の路線で運行を開始して以来鉄道市場で事業展開している。名前は西の鉄道の意。とある会社ではない。
歴史[編集]
ヴェストバーンは、2004年10月から2008年3月までÖBB旅客輸送のCEOを務めていたシュテファン・ヴェーヒンガーの考案で設立された。ヴェーヒンガーはÖBB社内で自身の個人コードに使用されていた略称「WE(hinger) ST(efan)」にちなんで、ヴェストバーン(WE STBAHN)という名前を選んだ。
2008年10月8日にヴェーヒンガーがハンス・ペーター・ハーゼルシュタイナーを投資家として迎え、設立した。
2009年6月にÖBBインフラストラクチャーと2011年から2016年まで線路容量の割り当てに関する取り決めが締結された。これによりウィーン-ザルツブルク間でのヴェストバーンの運行が可能となった。
オーストリア連邦鉄道が2010年12月のダイヤ改正でグラーツ-リンツ間での直通列車の運転を廃止した。2011年2月中旬にヴェストバーンがこの路線での運行を検討していることが明らかとなった。しかし、オーストリア連邦鉄道がこの区間での運行を再開すると発表したため、この計画は中止された。2011年以降、フランス国鉄が合弁会社を通して、ヴェストバーンの株式を26%保有している。
ヴェストバーンはブラグスとレイル・ホールディングの合弁子会社であった。ブラグスが51%、レイル・ホールディングが49%保有していた。しかしレイル・ホールディングがバス事業から撤退し、49%の株式をブラグスに売却した。
企業[編集]
構造[編集]
ヴェストバーンの所有者はレイル・ホールディングである。同社は2008年10月にシュテファン・ヴェーヒンガーとハンス・ペーター・ハーゼルシュタイナーによって設立された。
- 株主(2024年3月26日以降)
- ハーゼルシュタイナー家私設財団(49.9%)、コロマニ・ホールディング有限会社(32.7%)、フランス国鉄(17.4%)
- 取締役:トーマス・ポッシュ、マルコ・ラムスバッハー
- 監査役会:アンドレアス・J・ルートヴィヒ (会長)
業績[編集]
ヴェストバーンは2012年度に2345万ユーロの損失を計上した。さらにヴェストバスの運行により170万ユーロの損失が上乗せされた。これには、同社の年次報告書において、当初の事業計画が野心的すぎたと記述されていた。同社によると2013年夏には黒字化しているとのこと。
2012年6月5日に創設者のシュテファン・ヴェーヒンガーは取締役を辞任した。後任としてエーリヒ・フォースターがなり、そして2022年2月28日に退職した。2022年の売上高は9000万ユーロだった。2023年には初めて1億2000万ユーロに達し、利益は400万ユーロから1000万ユーロに増加した。しかし、当初の高額損失には至らなかった。2022年3月1日から取締役を務めていたトーマス・ポッシュとフロリアン・カザレクは、2024年9月まで務めた。2024年9月、フロリアン・カザレクはグロッソ・レールに異動し、マルコ・ラムスバッハーが後任となった。
路線[編集]
同社は2011年12月以来、ウィーン西駅とザルツブルク中央駅間の317kmの路線で毎時長距離サービスを提供し、2011年12月以来のインターシティと競合している。2013年9月1日まで、ザルツブルク中央駅の収容能力不足のため、列車はザルツブルク・タクサム・ユーロパーク駅に途中停車し、フライラッシンク駅まで延長運転されていた。木曜日から金曜日まではウィーン-ザルツブルク間で13往復の列車が運行され、ウィーン-リンツ間では最大14往復の列車が運行されている。オーストリア東部で高速線区間が開通して以来、所要時間は2時間30分となっている。途中停車駅は、ウィーン・ヒュッテルドルフ駅、St.ペルテン中央駅、アムシュテッテン駅、リンツ中央駅、ヴェルス中央駅、アットナンク・プッフハイム駅、フェックラブリュック駅、ザルツブルク中央駅である。 ÖBB旅客輸送と同様に、同社はÖBBインフラストラクチャーに走行距離1kmあたり3ユーロを支払わなければなならない。
2012年5月、オフピーク時の列車3本が運休され、ウィーンからザルツブルクへ向かう午後の列車が追加で投入された。2013年初頭、ザルツブルク西鉄道がザルツブルク中央駅–フライラッシンク間での運行に対してザルツブルク交通協会から使用料を受け取っていなかったことが明らかになり、このためザルツブルク-タクサム-ユーロパーク駅とフライラッシンク駅への停車を廃止した。この路線は、ザルツブルク中央駅が改修工事のため十分な停車スペースを確保できなかったためにその当時のみ運行されていた。通常ダイヤの導入後および利用率の低さから、ザルツブルク-フライラッシンク間は2013年9月初旬から廃止された。2013年12月、同社は東部交通連合(VOR)からの事実上の撤退を発表した。その理由は、VORが収益配分基準に従って会社に認められた金額よりも高い支払額の要求を拒否したためである。
2015年までにヴェストバーンはザルツブルク=チロル線を使用してインスブルックまで路線を延長する計画を立てたが、線路のインフラ状況によって断念された。
2017年12月のダイヤ改正によってウィーン-ザルツブルク間の本数が倍増した。各方面への1日の出発本数は16本から31本に増加し、同社はこれに約1億8000万ゆーろを投資した。従業員数は250人から400人に増加した。新しいダイヤではウィーン-ザルツブルク間で1時間に2本運行がされ、WESTblueと呼ばれる別の1時間に1本の列車はウィーン・プラーターシュテルン駅を始発とし、Sバーン本線を経て西線に入るというルートを取った。この路線は2019年のダイヤ改正で廃止された。
新型コロナウイルスのパンデミックの影響によって、2020年4月20日から2021年7月7日まではウィーン・マイドリンク駅、トゥルナーフェルト駅、St.ファレンティン駅に停車し、ウィーン・ヒュッテルドルフ駅への停車はしなくなった。
2022年のダイヤ改正で、一部の列車がシュトラースヴァルヘン、ノイマルクト・アム・ヴァラーゼー、ゼーキルヘン・アム・ヴァラーゼーへ停車した。これらの列車はザルツブルクへの発着が早まったり遅まったりした。
2022年のダイヤでザルツブルク-ミュンヘン間で2時間に1本の運行ができるように申請することが提出された。この目的のためにKiss-3の運転士がすでにミュンヘンで募集されていた。
2021年12月にヴェストバーンはKiss-3がまだドイツ鉄道網で運行が承認されていなかったため、ミュンヘンへの乗り入れの運行を2022年4月まで延期すると発表した。ウィーン-ミュンヘン間は2022年4月8日より予定通り運行開始した。工事のため運行当初は1日4本に制限されていたが、今日では1日最大6本となっている。
ヴェストバーンはウィーン-ミュンヘン-ブレーゲンツ間での運行を計画しており、これは所要時間6時間のアールベルク線の代替とする予定だった。しかしスイス連邦鉄道との競合のため現時点ではスイスへの単独運行は不可能である。
2023年のダイヤでは、ザルツブルク-インスブルック間で5本の列車の運行が申請された。2022年12月11日のダイヤ改正でウィーン-ザルツブルク間で3本の列車がクーフシュタイン駅とヴェルグル中央駅に途中停車してインスブルックまで延長された。2023年6月11日のダイヤ改正で4本目の列車が追加され、2023年9月4日には5本目の列車が追加され、これで5往復体制となった。
2023年12月10日からウィーン-ブレーゲンツ間で初めて2本の列車が運行されるようになった。2024年12月からはウィーンから2本がミュンヘン経由でシュトゥットガルトまで延長運転され、さらにブレーゲンツとリンダウへは2本、そして終電時にはザルツブルク、ビショフスホーフェン経由でザンクト・ヨハン・イム・ポンガウまでの列車が2本運行されるようになった。
2025年8月に2025年12月14日より実施されるリンダウ島駅行きのダイヤ改正によってリンダウ島へのサービスが拡大されることになった。これには、インスブルック発着の列車h従来の5本から7本、ブレーゲンツ発着の列車は従来の2本から7本となる。これによってウィーンからインスブルック、ブレーゲンツを経由してリンダウまでは2時間に1本で合計7本列車が運行されることになる。また、ウィーン-ブダペスト間の運行も計画されている。
WESTblue(ウィーン-ザルツブルク-ミュンヘン-シュトゥットガルト間) |
ウィーン中央駅 ウィーン・ヒュッテルドルフ駅 St.ペルテン中央駅 アムシュテッテン駅 リンツ中央駅 アットナンク-プッフハイム駅 フェックラブルック駅 ザルツブルク中央駅 ローゼンハイム駅 ミュンヘン東駅 ミュンヘン中央駅 アウクスブルク中央駅 ギュンツブルク駅 ウルム中央駅 シュトゥットガルト中央駅 |
WESTgreen(ウィーン-ザルツブルク-インスブルック間) |
ウィーン中央駅 ウィーン・ヒュッテルドルフ駅 St.ペルテン中央駅 アムシュテッテン駅 リンツ中央駅 アットナンク-プッフハイム駅 フェックラブルック駅 ザルツブルク中央駅 クーフシュタイン駅 ヴェルグル中央駅 インスブルック中央駅 |
WESTgold(ウィーン-ザルツブルク-インスブルック間) |
ウィーン中央駅 |
車両[編集]
車両は以下の鉄道車両を使用しており、将来的に使用されるものも含まれる。
車両 | 形式 | 番号 | 運行開始 | 運行終了 | 編成数 | 編成 | 車長 | 定員 | メーカー | 備考 |
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KISS-1 | 4010系電車 | 001-007 | 2011年 | 2021年 | 7編成 | 6両編成 | 150m | 501人 | シュタドラー | DB長距離輸送に売却、その後オーストリア連邦鉄道に売却。 |
KISS-2 | 4010系電車 | 008 | 2017年 | 2021年 | 1編成 | 6両編成 | 150m | 523人 | シュタドラー | DB長距離輸送に売却、その後オーストリア連邦鉄道に売却。 |
KISS-2 | 4110系電車 | 009-017 | 2017年 | 2019年 | 9編成 | 4両編成 | 100m | 323人 | シュタドラー | DB長距離輸送に売却、その後オーストリア連邦鉄道に売却。 |
KISS-3 | 4010系電車 | 018-032 | 2021年 | - | 15編成 | 6両編成 | 150m | 526人 | シュタドラー | セル内のテキスト4010-8と同一。従来の車両の代替用。 |
Smile | - | - | 2025年 | - | 3編成 | 11両編成 | 202m | 422人 | シュタドラー | ウィーン-フィラッハ間で列車を運行するためにレンタルされた。 |
DEMU2 | 4100系電車 | - | 2023年 | - | 4編成 | 6両編成 | - | 571人 | CRRC | レンタル |
Kiss-1[編集]
この車両の最高速度は200km/h、加速度0.85m/s²(4慮編成は0.9)に達する。これらは、同じくシュタドラー社が製造したチューリッヒSバーンのRABe511系電車をベースにしており、シュタドラー・キスと呼ばれている。両先頭車は動力付きで、中間車は全て非動力となっている。2017年に導入された4110系と4010系008編成のみは耐圧仕様である。
ドアの高さは570mmでバリアフリーである。乗客は革張りの座席と無料Wi-Fiを利用できる。ほぼすべての車両に専属の列車係員/スチュワードが配置されている。列車の運行は大手鉄道会社で一般的な運転士ではなく、機関士が行う。同社の約200人の従業員のうち、約85%が列車に乗っていると言われていた。中間の車両にはそれぞれ8席のヴェストカフェがあり、コイン式の自動販売機で冷たい飲み物や温かい飲み物を購入できる。ヴェストバーンではスチュワードと呼ばれる列車係員は、切符やケータリングサービスの販売、列車の清掃を行う。また、最初に導入された車両には16席の喫煙ラウンジがあり、そこから別の空調システムを使用して煙が列車の他のエリアに広がるのを防いでいる。法的措置により、2012年1月中旬に喫煙が禁止されたが、独立行政上院の裁定により2012年9月中旬より再開された。しかし、タバコ法で定められている通り、遅くとも2018年5月までに喫煙は全面禁止しなければならなかった。2017年に製造された列車では、喫煙ラウンジはすでに廃止されている。中間車両では座席は前後に並んで配置され、端部車両では4人掛けのテーブルが向かい合って配置されている。端部車両の座席はWestbahn+として指定されており、13.90ユーロ(200kmまで)または19.90ユーロ(200km超)の追加料金で使用できる。乗客1人あたり2席利用可能で、料金には毎日の新聞と小さな冷たい飲み物が含まれており、これらは乗客の座席で提供される。また、スチュワードによる各種スナックも提供される。中間車両3両には男女別のトイレが備え付けられており、男性用トイレには独立した小便器が設置されている。バリアフリー車両には、下階に車椅子対応のトイレがある。中間車両の下階には荷物棚があり、自転車を収納するための折りたたみ式の棚が付いている。自転車はホームの追加ラックに固定することもでき、最大16台の自転車を運ぶことができる。
Kiss-2[編集]
2015年にはシュタドラーに6両編成と4両編成9編成を発注し、2017年までに納入された。これらの車両は既存の6両編成との連結が可能である。この新車には、気密に閉まる片開きのスライドドアが装備され、風防ガラスは狭くなった。ヴェストバーン・プラス車両には、2+1の座席配置で幅広の座席が備えられた。
2019年3月には、Kiss-1/2の全17編成が売却されることが発表された。2019年7月には、入札を通じてドイツ鉄道に売却されたことが発表された。
2025年1月、ドイツ鉄道は保有する17編成をオーストリア連邦鉄道に転売売却した。5月、オーストリア連邦鉄道は契約を締結したと発表した。6両8編成は2025年秋から、4両9編成は1年後から運行開始の予定である。
Kiss-3[編集]
17編成のKiss-1/2を置き換えるために。シュタドラーに6両15編成を発注した。これらの車両は2017年に納入された編成(4010-008)と同一で、座席数は526席である。2021年12月からは、ウィーン-ザルツブルク間で30分間隔で運行される。最初の列車は2021年2月に納入された。最終編成は2021年夏の終わりに運行を開始した。Kiss-3では、ファーストクラス(1等車、メインカラーは黄色)、コンフォートクラス(2プラス等車、メインカラーはガソリン)、スタンダードクラス(2等車、メインカラーはオレンジ)からなる新しいクラスシステムが導入された。コンフォートクラスとファーストクラスでは、予約を含むシステムが有料で利用可能である。コンフォートクラスは、クリマ・チケットを保有する人は追加料金なしで利用できる。
DEMU2[編集]
2019年に中国鉄道車両総公司(CRRC)から車両の購入が検討されていた。2021年にCRRCは中国国営テレビを通してヴェストバーン向けの200km/hの鉄道車両を発表した。この車両は25kV/50Hzおよび15kV/16.7Hzでの運転が可能である。ヴェストバーンは2023年夏または秋から4編成を借り出し、オーストリア、ドイツ、ハンガリーを含むヨーロッパ5カ国で使用する予定であった。2026年12月からはウィーン-ブダペスト間で運行される予定である。
Stadler Smile[編集]
2024年1月にヴェストバーンはコーラルム線の開通後、西線に加えて南線でも列車を運行すると発表した。しかし、既存の2階建て車両がゼンメリンク山岳線区間の建築限界に収まらないため、ウィーン-クラーゲンフルト間を毎日3~4往復する1階建ての車両をレンタルする計画がある。当初、ヴェストバーンは「すでにメーカーと協議中」だったとのこと。2032年に開通が予定されるゼンメリンク・ベーストンネルの開通後、同線で独自の2階建車も運行できる可能性がある。
2025年3月12日、ヴェストバーンとシュタドラーは、ヴェストバーンに1階建てのシュタドラー・スマイル高速車両3編成を納入する契約を締結したと発表した。これらの車両は、2026年3月1日から南線で毎日往復運行され、ウィーン中央駅-グラーツ中央駅、そして2025年12月に開業予定のコーラルム線を経由してクラーゲンフルト中央駅、そしてフィラッハ中央駅まで運行される。ヴェストバーンが2024年初頭に発表したように、ゼンメリング・ベーストンネルの完成後、既存の保有する2階建て列車を南線で使用する予定である。
切符と運賃[編集]
当初から切符はオンラインと車内係員によって販売されてきた。2012年5月以降、一部の切符はオーストリア全土の約3000のタバコ屋でも販売されている。一部得点・割引はオンラインのみで利用可能である。切符の約80%は車内で販売される。また、クリマ・チケットも有効である。
切符には様々な種類の個人の切符、団体の切符、定期券、そして2種類のキロメーターバンクがあり、各種割引も利用可能である。ÖAMTCとARBÖの交通クラブの会員は、ヴェストバーンの切符を割引価格で購入でる。また、ウィーンの新聞社クローネン・ツァイトゥンクとの提携も締結している。切符料金は、 フォアタイルスカードを持っている場合のÖBB2等車料金に基づくようになる。
2013年9月から、同社は東部地域交通協会とオーストリア・ブルゲンラント州交通協会の乗車券を持つ乗客にピーク時に追加料金を課した。2013年12月13日から、同社はVOR/VVNB交通協会に所属しなくなった。しかし2023年8月1日、ヴェストバーンは東部地域交通協会に再加入した。
2014年3月、ヴェストバーンは料金と運賃を値上げした。キロバンクの利用者の間では、路線とキロの割り当てが変更され、最低運賃が引き上げられたため、不満を覚えた。これにより長距離運賃は安くなったものの、短距離運賃はオーストリア連邦鉄道または各交通協会の標準運賃よりも高くなることがあった。鉄道管理局とオーバーオーストリア州労働会議所は、乗客の権利が侵害されていると訴え、適切な変更を求めた。そりゃそうなる。
2014年12月のダイヤ改正により、従来の運賃体系が緩和された。現在、ウィーン-アットナンク-プッフハイム間およびウィーン-ザルツブルク間を除き、フォアタイルスカード運賃よりも高額となっている。また、ヴェストバーン・プラス車両の追加料金も引き上げられた。2015年春からは、週末の混雑する一部の列車において、車内および切符売り場での乗車券販売時に、乗車券1枚につき1ユーロの追加料金が課せられるようになった。
割引等[編集]
- ヴェストバーンはフォアタイルスカード保有者にヴェストバーンへの乗り換えを促すために割引乗車券を販売している。
- ヴェストバーンはフリクスグループと提携し、フリクストレイン/バスとの接続チケットを販売している。
- 2021年10月1日からはクリマ・チケットがヴェストバーンでの購入できるようになった。
- DBバーンカード25/50/100の保有者へは、2024年5月27日からヴェストバーンの切符を最大50%割引で購入できる。また、ドイチュラントチケットの保有者も大幅な割引が適用される。
事故[編集]
2012年12月にヴェストバーンの車両2本の列車と接触した際にドアが動くという事故が2件発生した。12月9日にトゥルナーフェルトのトンネル内でオーストリア連邦鉄道のレイルジェットと接触した際に2本の列車のドアが外れた。この事故は会社側から運輸省に報告されていなかったが、この事故の結果、西線の新線区間は速度160km/hに引き下げられた。また、同様の事故が12月13日にも発生した。2013年7月にはヴェストバーンの列車が駆動システムの不具合によってウィーンのヴァルトトンネル内で3時間も立ち往生した。数日後、夏の暑さで電力供給に問題があったと発表された。
2017年8月23日にリンツ操車場での試運転中に新型車両の1編成がカーゴサーブ社の貨物列車と衝突した。ヴェストバーンの運転士は重症を負い、他2人が軽傷だった。衝突原因は運転士の信号無視による不注意だったとのこと。
南線での運行[編集]
2024年1月にヴェストバーンは2025年圧に予定されるコーラルム線の開通後、南線とコーラルム線を経て、ウィーン-フィラッハ間での独自の運行を目指すと発表した。ゼンメリンク線での許可により、2030年に予定されるゼンメリンク・ベーストンネル開通までヴェストバーンの2階建て車両での運行が不可能であるため、ヴェストバーンは1階建て車両の導入を検討した。2025年のダイヤ改正から運行を開始するという選択肢を残すために、2024年6月13日に商業登録簿に登録されたズュートバーン(Südbahn Management GmbH)は2024年6月13日に鉄道管理局にウィーン-フィラッハ間で5往復の列車を登録した。ズュートバーンはヴェストバーンの一部と同様にエアハルト・グロッスニックの保有株によって保有されている。2025年3月12日にこの路線は2026年3月1日より運行開始されることが発表された。ウィーン-グラーツ-クラーゲンフルト-フィラッハ間ではペルチャッハ、キューンスドルフ、ブルック・アン・デア・ムルに停車する予定で、バーデン、メドリンク、カプフェンベルク、ミュルツシュラークには停車しない。また、ウィーン以南の輸送密度の限界のため、ヴェストバーンはポッテンドルフ線経由で運行する必要がある。これは線路の割り当てはオーストリア連邦鉄道が優先されるためである。