南線 (オーストリア)
南線とはオーストリアの鉄道路線である。
概要[編集]
オーストリアの首都のウィーンからグラーツを経てスロベニア国境付近のシュピールフェルト-シュトラースまで至る全長260kmの複線電化の路線である。この路線はオーストリアで2番目に利用者の多い路線であり、ヨーロッパの重要な鉄道網の幹線を構成する。この路線はウィーン-リュブリャナ-トリエステ間の接続の一部であり、グラーツからはグラーツ、ザグレブ、ベオグラード、スコピエ、テッサロニキを結ぶ汎ヨーロッパ回廊10号線の一部である。途中、ゾレナウ-ウィーン・ノイシュタット間ではアスパンク線と線路を共有する。
グログニッツ - ミュルツシュラーク間は、ゼンメリンク鉄道と呼ばれている。ゼンメリンク鉄道は、19世紀の技術でアルプスの山岳地帯を越えるための難工事が行われ、現在も橋梁など当時の建設物がよく保存されていることから、世界遺産に指定されている。現在でも急カーブ続きで、オーストリア屈指の主要幹線ながらノロノロ運転を強いられている。一方で、並行して高速鉄道を建設中で、開通するとノロノロ運転が解消される予定である。
運行形態[編集]
長距離列車[編集]
ウィーン-グラーツ間では主にレイルジェット(プラハ-ウィーン-グラーツ間)が1〜2時間に1本、フィラッハ方面へは2時間に1本運行される。そして、グラーツやリーンツ方面のインターシティなども運行される。
グラーツ - シュピールフェルト-シュトラース間では主にグラーツ-リュブリャナ間のユーロシティが2時間に1本運行される。
地域列車[編集]
- ウィーン-ウィーン・ノイシュタット間
ウィーン - パイアーバッハ-ライへナウ間のシティジェット・エクスプレスが1時間に1本運行される。さらに、REX1号線(ブジェツラフ-フローリツドルフ-ウィーン・ノイシュタット間)が1時間に2本、REX2号線(ズノイモ-レッツ-ウィーン・ノイシュタット間)が1時間に2本の運行。
- その他区間
ウィーン・ノイシュタット以南では地域列車の運行は限定的である。
Sバーン[編集]
ウィーンSバーン[編集]
S3号線(ホラブルン-シュトッケラウ-レオーバースドルフ-ウィーン・ノイシュタット間)が1時間に1本(レオーバースドルフまでは1時間に2本)、S4号線(アプスドルフ-ピッパースドルフ - ウィーン・ノイシュタット間)が1時間に1本の運行。また、メドリンク駅まではS2号線(ミステルバッハ-メドリンク間)が1時間に2本の運行。
シュタイアーマルクSバーン[編集]
- ミュルツシュラーク-グラーツ間
S1号線(ミュルツシュラーク-ブルック・アン・デア・ムル-グラーツ間)が1時間に1本の運行。
- グラーツ - シュピールフェルト-シュトラース間
S5号線が1時間に1本の運行。
駅一覧[編集]
- ウィーン中央駅(ラー・アン・デア・タイア方面、マルヘック方面、ヘジェシュハロム方面、プラーターシュテルン方面)
- ウィーン・マッツラインスドルフ広場駅
- ウィーン・マイドリンク駅(ペンツィンク方面、ウィーン・ノイシュタット方面、バーデン方面、ザルツブルク方面)
- ウィーン・ヘッツェンドルフ駅
- ウィーン・アッツガースドルフ駅
- ウィーン・リージンク駅(カルテンロイトゲーベン方面)
- ペルヒトルツドルフ駅
- ブルン-マリア・エンツァースドルフ駅
- メドリンク駅
- グントラムスドルフ-タレルン駅
- グンポルツキルヘン駅
- プファッフシュテッテン駅
- バーデン・バイ・ウィーン駅
- バート・フェスラウ駅
- コッティンクブルン駅
- レオバースドルフ駅(ヴァイセンバッハ-ノイハウス方面)
- ゾレナウ駅(ウィーン方面)
- フェリクスドルフ駅
- テーレジエンフェルト駅
- ウィーン・ノイシュタット北駅
- ウィーン・ノイシュタット中央駅(ウィーン方面/プッフベルク・アム・シュネーベルク方面、アスパンク方面、ショプロン方面)
- St.エーギデン駅
- ノインキルヘンN.Ö.駅
- テルニッツ駅
- ポッチャッハ駅
- グロッグニッツ駅
- シュレーグルミュール駅
- パイアーバッハ-ライヘナウ駅
- キュープ駅
- アイヒベルク駅
- クラム-ショットヴィーン駅
- ヴォルフスベルクコーゲル駅
- ゼンメリンク駅
- シュタインハウス駅
- シュピータル・アム・ゼンメリンク駅
- ミュルツシュラーク駅
- ランゲンヴァンク駅
- クリーグラッハ駅
- ミッタードルフ-ファイチュ駅
- ヴァルトベルク・イム・ミュルツタール駅
- キントベルク駅
- アラーハイリゲン-ミュルツホーフェン駅
- マライン-St.ローレンツェン駅
- カプフェンベルク専門大学駅
- カプフェンベルク駅
- ブルック・アン・デア・ムル駅(レオーベン方面)
- ペルナック駅
- ミクスピッツ-ベーレンシュッツクラム駅
- フローンライテン駅
- ペッガウ-ドイチュファイストリッツ駅(ユーベルバッハ方面)
- シュテュービンク駅
- グラートヴァイン-グラートコルン駅
- ユーデンドルフ-シュトラーセンゲル駅
- グラーツ中央駅(ケフラッハ方面)
- グラーツ・ドン・ボスコ駅(セントゴットハールド方面)
- グラーツ・プンティガム駅
- フェルトキルヘン-ザイアースベルク駅
- グラーツ-フェルトキルヘン空港駅
- カルスドルフ駅
- ヴェルンドルフ駅(クラーゲンフルト方面)
- ヴィルドン駅
- レブリンク駅
- カインドルフ・アン・デア・ズルム駅
- ライブニッツ駅
- エーレンハウゼン駅
- シュピールフェルト-シュトラース駅(バート・ラトカースブルク方面/ジダニ橋方面)
余談[編集]
利用者:Marmarayが生まれて初めて食堂車を利用したのは、当路線である。2025年9月現在、これが人生唯一の食堂車体験であるらしい。