フリクストレイン

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Flixtrain
FlixTrain Logo 2020.png
種類 株式会社
略称 FLX
本社所在地 ドイツの国旗.png ドイツ
ミュンヘン
設立 2017年
業種 運輸業
事業内容 鉄道事業
代表者 アンドレ・シュヴェムラインマッティアス・ミュラー
外部リンク https://www.flixtrain.de

フリクストレインとはフリクスグループ傘下の鉄道事業者である。2017年からドイツ全土で長距離旅客輸送を行っており、DB長距離輸送と競合している。フリクストレインのサービスは大都市圏canのサービスに重点を置いており、同じくフリクス傘下のフリクスバスの長距離バスのネットワークを補完している。また2021年から2024年までスウェーデンでも鉄道事業を行っていた。

歴史[編集]

2017年8月、2か月前に設立されたフリクスの完全子会社であるフリクストレインが鉄道輸送会社としての免許を取得し、倒産した民間事業者のロコモア社の運行を引き継いだ2018年にフリクストレインはシュトゥットガルト-ベルリン間及び、ハンブルク-ケルン間で路線の運行を開始した。長距離バスサービスと同様に、フリクスはフリクストレインのブランドでのマーケティング、ネットワーク計画、運賃設定を担当している。2018年には約75万枚の切符を販売した。平均乗車率は70%だった。2019年5月にベルリン-ケルン間の運行が開始された。当初は1組の列車のみがそこを走行していたが、年間を通じてサービスが拡大されていった。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い同社は2020年春から2022年にかけて運行を縮小または運休した。2020年には車両を更新し、近代化された車両で運行している。2021年5月からは路線を拡大し、ミュンヘン-ブレーメン間の運行を開始し路線網を拡張した。

タルゴ社とのタルゴ230形の発注に関する交渉を経て、同社は2025年5月末、タルゴ社に高速列車用として合計30編成(最大35編成の追加オプションあり)を発注したと発表した。これらの編成はドイツ国内のみならず、欧州各国で使用される予定である。タルゴ社はまた、これらの列車の保守作業も一部請け負うことになっている。フリクストレインは、タルゴ列車の牽引車としてシーメンスのベクトロン機関車を発注した。

路線[編集]

フリクストレインはLCCフランス国鉄ウイゴと同様に、低価格な市場セグメントでシンプルなサービスを提供し、乗客がオプションで追加サービスを予約することで拡張できるというコスト削減型の運営モデルを採用している。(→鉄道市場におけるLCC) ドイツ語ではこの方式をBaukastenprinzip(モジュール方式)と呼ばれ、英語のno frills(無駄のない)とも形容される。この列車の座席タイプは1クラスのみで構成され食堂車などはついていない。タルボット社によって2020年より車両の改造が進み、座席間隔を狭めたうえで座席定員を100人に増強した。

運賃は需要に応じて設定され、収益管理の原則に基づいて決定される。フリクストレインではいわゆる「座席保証」で路線を販売している。つまりは乗客は切符を購入する際に自動的に座席が割り当てられ、追加料金を払うことで座席を変更できるシステムを取る。車両グレードは1つのみだが、追加料金を支払うことで足元の広いコンフォートシートが利用できる。これはLCCや長距離バスなどでも似ている形態である。また、「隣接席無料」というオプションを用いて2席の列全体を予約できるというサービスもある。乗車中はどちらの席も利用できるが、追加の乗客、追加の手荷物は持ち込めない。

2019年からフリクストレインはグリーン・プラネット・エネルギーから購入したグリーン電力ですべての運行を行っていた。電力価格の高騰に伴いグリーン電力での運行を打ち切った。ただしスウェーデンではサービスを終了するまでグリーン電力を使用し続けた。

路線[編集]

2025年3月現在以下の路線で列車が運行される。

  • FLX 10
シュトゥットガルト中央駅-ハイデルベルク中央駅-(ヴァインハイム (ベルクシュトラーセ)中央駅-)フランクフルト (マイン)南駅-フルダ駅-(アイゼナッハ駅-)ゴタ駅 - エアフルト中央駅 - ハレ (ザーレ)中央駅 - ズュートクロイツ駅 - ベルリン中央駅 (-ゲズントブルンネン駅):週12本
バーゼル・バート駅 - フライブルク (ブライスガウ)中央駅 - オッフェンブルク駅 (→バーデン-バーデン駅)-カールスルーエ中央駅 - フランクフルト (マイン)南駅 - フルダ駅 - バート・ヘルスフェルト駅 - エアフルト中央駅 - ハレ (ザーレ)中央駅 - ベルリン中央駅:週4本
マインツ中央駅 - フランクフルト空港長距離列車駅 - フランクフルト (マイン)中央駅 - オッフェンバッハ中央駅 - ハーナウ中央駅 - フルダ駅 - カッセル-ヴィルヘルムスヘーエ駅 - ゲッティンゲン駅 - ハノーファー・メッセ/ラーツェン駅 - ヴォルフスブルク中央駅 - ベルリン・シュパンダウ駅 - ベルリン中央駅:週2本
  • FLX 20
ハンブルク中央駅 - (ハンブルク-ハルブルク駅-) ブレーメン中央駅 - オスナブリュック中央駅 - ミュンスター中央駅 - ゲルゼンキルヘン中央駅 - エッセン中央駅 - ドゥイスブルク中央駅 - デュッセルドルフ中央駅 - ケルン中央駅:週10本
  • FLX 30
(アーヘン中央駅-) ケルン中央駅 - (ノイス中央駅←) デュッセルドルフ中央駅 - ドゥイスブルク中央駅 - (オーバーハウゼン中央駅←) -エッセン中央駅 - (ゲルゼンキルヘン中央駅-) ドルトムント中央駅 - ハム (Westf)中央駅 - ギュータースロー中央駅 - ビーレフェルト中央駅 - ハノーファー中央駅 - (ベルリン・シュパンダウ駅←)ベルリン中央駅 - ベルリン東駅 (-エルスターヴェルダ駅 - ドレスデン-ノイシュタット駅 - ドレスデン中央駅):週14本
  • FLX 10
ハンブルク中央駅 - (ベルリン・シャルロッテンブルク駅←) ベルリン中央駅 - (ベルリン東駅←) ズュートクロイツ駅 - ライプツィヒ中央駅:週12/11本

地域交通との協力[編集]

2023年初頭、フリクストレインは最初の路線において、ドイツ完全協会との連携を開始した。それ以来、地域交通路線において、地域列車とフリクストレインの乗車券を組み合わせた直通乗車券の販売をしている。

車両[編集]

2018年から2020年までフリクストレインでは様々な車両が使用されてきた。主にインターレギオで使用された車両が使用された。また他の鉄道会社の中古車やレンタル車両なども見られた。

2020年以来、タルボット社によって内装が改造され、約135両の元インターレギオ客車の近代化を行った。配色が一新され、新しい座席、トイレ、電源ソケット、Wi-Fi、デジタルエンターテイメントサービスが装備された。座席数は座席間隔を狭めた上で60席から100席に増やした。これにより現在ドイツで使用される車両で最も座席密度が高くなった。

また。フリクストレインはサービス拡大のために、ドイツ鉄道からIC客車を100両購入し、チェスケー・ブジェヨヴィツェで近代化工事を行う予定である、さらにタルゴ230も63両を発注している。

その他の欧州諸国[編集]

スウェーデン[編集]

2021年にフリクストレインはスウェーデンでストックホルム-ヨーテボリ]間で運行を開始した。当初2020年の運行予定だったが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で2021年に延期された。同社はSJ ABやMTRエクスプレスと競合した。しかし冬の到来によるメンテナンスが難航することの問題からスウェーデンでの事業を2024年に撤退した。使用されていた客車はドイツに甲種輸送され同国の輸送強化に使用された。

  • FLX 61
ストックホルム中央駅 - セーダーテリェ駅 - ハルスベリ駅 - スシェヴデ駅 - ファルシェーピング中央駅 - ヨーテボリ中央駅

オーストリア[編集]

オーストリアではフリクストレインはウィーン-ザルツブルク間でヴェストバーンの列車の切符とウィーン・ラントシュトラーセ/ミッテ駅-ウィーン空港駅間でのシティ・エアポート・ライン列車の切符を販売している。

スイス[編集]

フリクストレインはスイス国内では列車を運行してないが、スイスのバーゼルにあるドイツの列車が発着するバーゼル・バート駅からFLX10号線が発着している。

フランス[編集]

フランスでは同社は鉄道市場の自由化の一環としてパリ-ブリュッセル間、パリ-リヨン間、パリ-ニース間(夜行列車)、パリ-トゥールーズ間、パリ-ボルドー間の5路線で運行を行うために路線使用許可の申請を行った。しかし、フランス国鉄のインフラ使用代が高額であるため、フランスでの運行計画は頓挫した。市場独占

オランダ[編集]

2023年にフリクストレインはオランダへの国際列車の運行をするために路線申請を行った。この路線はオーバーハウゼンからエンメリヒを経てアルンヘムユトレヒトアムステルダムデン・ハーグロッテルダムへ至る路線の予定だった。しかし、2024年に運行開始予定だったものの、その時点で運行は開始されなかった。

ポーランド[編集]

フリクストレインは2024年末にベルリン-ポズナン-ワルシャワ間での路線運行の申請を行った。この路線は2026年より1日2往復運行されるとのことで、現時点で、ベルリン-ワルシャワ間での接続のみが計画されており、ポーランド国内のみでの輸送は計画されていない。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]