イタロ

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Italo S.p.A.
Italo Treno Logo.png
種類 株式会社
本社所在地 イタリア国旗.png イタリア
ローマ
設立 2006年
業種 運輸業
事業内容 鉄道事業者
代表者 ルカ・コルデーロ・ディ・モンテツェモーロ(社長)、ジャンバッティスタ・ラ・ロッカ(CEO)
営業利益 8億4400万ユーロ
純利益 1億6100万ユーロ
従業員数 1512人
外部リンク https://www.italotreno.com/en

イタロ(Italo S.p.A.、旧称:Italo – Nuovo Trasporto Viaggiatori (NTV))とはイタリアで鉄道事業を行う鉄道会社である。2012年よりイタリア国鉄傘下のトレニタリアと運行競合を行い、イタリアの主要都市間で高速列車を運行している。同社は世界初の高速列車を運行する民間事業者となった。

歴史[編集]

イタロは当初、フェラーリフィアットの会長であったルカ・コルディオ・ディ・モンテツェモーロトッズグループのオーナーであるディエゴ・デッラ・ヴァッレ含む4人のイタリア人実業家によって2006年にNTVが設立された。これは欧州の鉄道部門の自由化を背景にトレニタリアと競争する意図を持っていた。2008年1月にインテーザ・サンパオロ社の参入により企業構造が変動し、同年10月にはフランス国鉄が参入した。同年、イタロはアルストムAGV (オトモリス・ア・グランド・ヴィテッス)を25編成発注し、ラ・ロシェルとサヴィリアーノの工場で製造が行われた。

2011年にはNTVの代表は欧州における鉄道の自由化がイタリアにおいて遅れてるとイタリア国鉄を批判し、ネットワーク情報目論見書の変更がイタロの列車の鉄道市場への参入を妨害しているのではと推測した。これに対して、イタリア国鉄はこの変更はイタロには影響しないと回答した。

同年10月19日に同社はイタリア鉄道安全庁から安全証明書を取得し。イタリアの高速線フィレンツェ=ローマ線ローマ=カッシーノ=ナポリ線ローマ=フォルミア=ナポリ線などの在来線での運行が可能となった。

2012年4月28日ミラノ・ポルタ・ガリバルディ駅-ナポリ中央駅間で列車の運行が開始された。

2018年にイタロという新社名が採用された。

2023年5月にはイタロはイタバス社の買収を発表し、カンパニア州シチリア島プーリア州を起点に鉄道網とバス路線網を統合する予定だとした。

車内サービス[編集]

イタロの列車の車内はアンビエンティと呼ばれる5つのグレードに席が区分される。

スマート
特別サービスなしの普通の2+2座席車両
スマート・シネマ
スマートと基本的には同一だが、20インチテレビモニターが8台設置されている。スマートト同じく、追加料金はない。
プリーマ
2+1座席構成、特別サービス、優先搭乗などがある。
エグゼクティブ・クラブ
2+1座席構成。待合室、優先搭乗、個人用スクリーン、専用ケータリングサービスのイタロラウンジ付き。
エグゼクティブ・サロッティーノ・クラブ
エグゼクティブ・クラブと似ているが、4人掛けのラウンジが備わっている。

各列車(3号車と7号車)には、外部運営会社による飲食物の自販機が設置される。車内ではWi-Fiとエンターテインメントポータル「イタロ・ライブ」を使用できる。

駅サービス[編集]

駅構内の乗客専用エリアの「イタロ・クラブ・ラウンジ」があり、エグゼクティブ・クラブ以上を利用する人と、イタロ・ピウ・プリヴィレージェ・カードを所有する人が利用できる。

車両[編集]

2008年1月17日にイタロはアルストム社にAGV575系電車を25編成発注した。最高速度は360km/h(イタリア国内のインフラ上、実際は300km/h)で定員は462人である。「イタロ」という名前はオンラインアンケートの調査により選ばれた。車両は全長に渡って、金色の帯が付いたアマランス色が施されている。

2015年10月に同社はアルストムと今後30年間のアルストム・ヌオーヴォ・ペンドリーノETR675系電車12編成のこうにゅと保守契約を締結した。この車両はイタロEVOという名称で運行を開始した。この車両は最高速度250km/hで7両編成で構成されい編成辺り472人の乗客を輸送できる。2017年に17編成が発注され、2018年にはさらに5編成、最終的に契約オプションを行使して4編成を追加発注し、合計26編成となった。

また、高速用車両のほか、工場内入換機関車としてVossloh G2000形ディーゼル機関車がボローニャ、ミラノに配備されている

車両検査[編集]

車両工場はナポリ近郊のノーラ、インテルポルト・カンパーノにある。車両検査はアルストムが30年の契約に従って現地で直接行う。2017年11月には主にETR675系専用にヴェネツィア近郊にも車両工場を開設した。

路線[編集]

イタロは以下の駅で運行を行っており、55の都市、62の鉄道駅にまたがる。

余談[編集]

イタロは設立当初、トレニタリアの営業に打撃を与えることを目標に運営を行うとした。実際、フルサービスの高速列車の運行を開始すると、トレニタリアは客が取られては大変だと焦り、フルサービス列車のフレッチャロッサで対抗した。結果、競争が激化しイタリアの航空市場が破綻したとか。つまりトレニタリアではなく航空会社に営業の打撃を与えることになったわけである。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]