2023年7月の鉄道

2023年7月の鉄道では、2023年7月の鉄道関連の出来事を記載する。

国内

• 7月1日
  • この日より特急南紀の定期列車をすべてHC85系に統一。
  • 名古屋鉄道の猿投、浄水、巽ヶ丘、住吉町の各駅が無人駅となり、日進駅も夜間駅員不在となる。
  • E233系1000番台サイ150編成に「根岸線全通50周年記念ヘッドマーク」の掲出が開始。10月30日午前中まで掲出された。
• 7月2日
  • JR西日本・美祢線は、梅雨前線発達に伴う中国地方での記録的な大雨の影響で厚狭川橋梁（四郎ヶ原 - 南大嶺間）と線路が崩落し、全線で不通となる。同路線はJR西日本によって「自社単独では維持困難」として、沿線自治体との協議を求めてきた路線であるが、村岡嗣政知事は「これを機に廃止という議論になっていくことは認められない」とコメントし、存続の意向を示した。
  • 783系CM5編成が、廃車のため疎開先の早岐から回送される。牽引機はDD200 701。同編成の解体の一部始終は同年10月11日にNHKの『解体キングダム』にて放映された。
• 7月3日
  • 105系I01+I02編成が下関総合車両センターへ廃車回送される。クモヤ145が列車最後尾で伴走した。
  • 伊豆急行2100系『THE ROYAL EXPRESS』+マニ50 2186が、JR北海道に貸出のため伊東→新鶴見信→宇都宮タ→手稲間で甲種輸送される。伊東から宇都宮タまではEF65 2096（新鶴見機関区所属）が牽引した。
  • 209系MUE-train（川越車両センター所属）が宇都宮線内で試運転を実施する。同車両の試運転は実に7か月ぶりとなった。床下には新型モニタリング装置に交換しての本線走行となった。
  • 315系3000番台シンC101編成が静岡から神領へ返却回送される。
• 7月4日
  • 七尾線用521系U07+U15編成が北陸本線で試運転を実施。営業運転では乗り入れない北陸トンネル以西にも入線した。
  • 中央本線（高尾 - 甲斐大和）で209系MUE-trainによる試運転が行われる。高尾以西に209系が入線したのは前回のMUE-trainの中央本線試運転以来である。
  • 6月17日に前面の愛称幕が撤去されているのが目撃されたE653系ニイU102編成（新潟車両センター所属）が秋田総合車両センター本所（AT）へ入場し、越後石山→土崎間で回送される。ファンの間では波動用輸送への転用であると推測する意見が多く、仮に転用された場合はカツK70編成が所属する勝田車両センターか、波動輸送用車両が不足している仙台車両センターかのどちらかになると考えられている。
• 7月5日：211系シンK3+シンK20編成が神領から西浜松へ廃車回送される。
• 7月6日
  • E235系1000番台クラJ-25編成がEF64-1031牽引により越後石山から大船へ配給輸送される。
  • HC85系ナコD108・D109・D110編成が日本車輌を出場。これを以てHC85系の製造は終了する見込み。
  • この頃より、近鉄1620系電車VG23編成の車体更新が目撃され話題になる。
• 7月8日：団体臨時列車「さよならキハ85系号」が名古屋駅→高山駅間で運転。
• 7月9日
  • 団体臨時列車「さよならキハ85系号」が名古屋駅⇔高山駅間で運転。往路は5両、復路は前日に高山へ行った5両を繋いで10両で運転。これがキハ85系最後の旅客運用となる。こちらも上記南紀ラストランと同様、警察がやってきたが、撤収後は警察一同に鉄道ファンが感謝する一面も見られた。
  • EF65 2127（JR貨物・新鶴見機関区所属）が5971レより運用に復帰。同機は2023年5月以降運用を離脱し続けており、書類上における全般検査期限についても既に失効しているため、近いうちの廃車が噂されていた。
• 7月10日
  • 8月に開業を控えていた日田彦山線BRT・ひこぼしラインの道路が、大雨災害の影響で崩落する。
  • 2021年3月の運用離脱以降長い間留置されていた415系C10編成+413系B05編成が、金沢総合車両所から吹田総合車両所へ廃車回送される。牽引機はDD51-1192で、クモヤ145-1051が中間伴走車を努めた。
  • 阪急8300系8301Fが正雀工場でのリニューアル工事を終え、正雀駅〜桂駅で試運転を実施。

廃車回送されたA10編成

• 7月11日
  • GV-E197系クンTS02編成が新潟車両センターから所属先のぐんま車両センターへ回送される。同編成は6月21日に新潟トランシスを出場し、6月27日に新津へ甲種輸送されていた。
  • 2月27日に踏切事故で運用を離脱していた211系タカA10編成が長野総合車両センターへ廃車配給される。抵抗器が故障し自走できないため、EF64-1031が牽引した。なお、EF64が211系を牽引するのはおよそ8年・9年ぶりなため各地で撮影者が殺到した。
  • E531系カツK480編成（勝田車両センター所属）がワンマン運転対応改造を終え郡山総合車両センター（KY）を出場し、郡山→小山→勝田間で回送される。
  • 西武鉄道の新2000系2513Fが横瀬へ廃車回送される。
• 7月12日
  • 関東鉄道キハ310形が、車両の老朽化により定期運用ラストランを迎える。。1977年に運用を開始した同系列は、車体以外の部分に国鉄キハ10系の部品を使用しており、足回りから車歴までキハ10系時代からそのまま引き継がれた。今後は水海道車両基地にて静態保存される見込み。
  • 横浜 - 伊東間で、185系オオB6編成（大宮総合車両センター東大宮センター所属）を使用した臨時特急「185(いっぱーご)」が運行される。
• 7月13日
  • 「ゆうゆうアンパンマンカー」(キロハ186-2)が京都鉄道博物館での展示を終え、京都貨物から高松へ配給輸送。牽引機は下関所属のEF65-1133。
  • E259系クラNe007編成が塗装変更を終え大宮総合車両センター本所から所属先の鎌倉へ回送。
  • 315系シンC19編成が日本車両を出場し神領に回送される。
  • 415系オイFo105編成が疎開先の荒木から西小倉へDE10-1209牽引により廃車回送。
• 7月14日：113系キトL9編成が向日町から吹田総合車両所へ自走で廃車回送。
• 7月15日
  • 西武6000系6104Fが西武新宿線で運用を開始。同編成は14日夜に南入曽へ転属回送されていた。
  • 東武鉄道N100系「スペーシアX」が運行開始。沿線や駅構内では新型特急を一目見ようと、多くのファンが詰め掛けた。
  • 長らく熊本地震により被災していた南阿蘇鉄道が全線で運転を再開し、同時に豊肥本線との直通運転も実施する。
  • 東京メトロ日比谷線・虎ノ門ヒルズ駅が拡張され、地下2階コンコースと新しい改札口の供用を開始。隣接する再開発ビルと一体化しており、地下鉄駅としては明るく開放的な空間が広がっているのが特徴的で話題を呼んだ。また、地下2階のコンコースが完成したことでBRTターミナルや東京メトロ銀座線・虎ノ門駅とも接続される。

東高島工臨返空牽引の1115号機

• 7月16日
  • 関東鉄道キハ310形最後の運行となる「さよなら乗車会＆撮影会」団臨を実施する。
  • (〜17日)小田急電鉄の主催で「小田急ロマンスカー・VSE 最後の全線走破ミステリーツアー」が催行される。ツアー名通り50000形・VSE最後の全線走行となり、16日は片瀬江ノ島→小田原間、翌17日は小田原→唐木田間で運転された
• 7月18日
  • EH500-31が富山貨物以西の南福井駅まで入線。EH500形の自走による石川県・福井県乗り入れは初と思われる。
  • 311系カキG9編成が西浜松へ廃車回送される。
  • 223系1000番台ホシV3編成(Aシート組み込み)が、網干総合車両所での体質改善工事を終えて出場。
  • E259系クラNe003編成が新塗装化を完了し、大宮→新宿→品川→大船で臨時回送。
  • 相模鉄道かしわ台車両センター構内にて相鉄8000系8712×10（8712F）の前照灯の位置が移設される。

E235系を牽引する1032号機

• 7月19日：E235系クラF-28編成が越後石山から鎌倉車両センター本所へ配給輸送される。牽引機はEF64 1032（新潟車両センター所属）。同編成は13日にJ-TRECを出場していたが、2022年8月落成のクラJ-17編成以来となるクリアテール装備編成であり、注目を集めている。
• 7月20日
  • 品川駅開業時から約20年間使われてきた東海道新幹線の車内チャイム『AMBITIOUS JAPAN!』の使用が終了。
  • 上記近鉄1620系VG23編成が車体更新・防犯カメラ設置の上で高安を出場し、近鉄大阪線内で試運転（高安出場試運転）を実施。
  • 近鉄1233系電車のVE34編成とVC42編成が高安に入場。上記VG23編成とほぼ同様の更新工事がなされる可能性がある。VE34の入場の際は伴走車としてVE72が連結されていたが翌日返却回送された。
  • 前日にE235系クラF-28編成のJ-TREC新津出場配給を牽引した EF64 1032（新潟車両センター所属）が田端操→長岡間で単機回送されていた中、上越線沼田 - 後閑間で故障が発生。機関車は後閑駅にて停車したのち、EF64 1001（ぐんま車両センター所属）の救援推進回送で水上まで回送され、同駅で機回しのうえ救援牽引で長岡まで回送された。この影響で上越線では沼田 - 水上間で一時運転を見合わせ、同区間でバス代行輸送を実施した。故障したEF64 1032は同年3月に秋田総合車両センター（AT）を出場したばかりであった。
• 7月21日
  • 東海道新幹線の車内チャイムが『会いに行こう』へ変更される。なお、変更はJR東海所属の車両のみとなっており、同線へ直通するJR西日本所属車については引き続き『いい日旅立ち』を使用する。
  • E531系カツK423編成が、仙台車両センターでの撮影会実施のため送り込み回送される。E531系基本編成の仙台駅入線は初と見られる。
  • 117系の営業運転がこの日の赤穂線・山陽本線1933M(播州赤穂21:27→岡山22:42)を以て終了。117系は1979年に「新快速」として運行を開始した2ドア近郊型電車で、1992年に岡山エリアにも進出していた。
• 7月22日
  • 岡山地区にて227系500番台『Urara』が運行開始。一番列車（第1825M列車）にはR4編成+R8編成が充当された。
  • 313系1100番台シンB5編成が中央西線名古屋口の211系4連の代走に入る。B0編成が中央西線へ営業運転で入線したのは2022年3月の8連統一以降初めてのことである。この代走は同月26日まで行われた。
  • あやべ水無月祭りに伴う多客対応に伴い、舞鶴線の普通列車に225系MY03編成（網干総合車両所宮原支所所属）が充当される。225系の舞鶴線の本線走行は初となる
• 7月23日：京王7000系7804F+7705Fが高幡不動検車区から若葉台検車区まで臨時回送される。7804Fは車内更新、7705Fは廃車目的のために回送された。7705Fは2023年の「陣馬」ヘッドマーク掲出編成であった。翌々日の25日には、7705Fの乗務員扉やパンタグラフの撤去が確認される。廃車搬出は同年8月1日から5日にかけて行われた。
• 7月24日
  • 大崎駅での信号トラブルの影響で、JR山手線が始発から4時間半ほど運休。
  • JR東日本より、E131系1000番台の鶴見線への投入が発表される。合計8編成(計24両)を投入し、順次既存の205系1100番台9編成を置き換えるとしている。
  • C61 20（ぐんま車両センター所属）に不具合が発生したため、同日から8月15日まで運転分の快速「SLぐんま よこかわ」・快速「SLぐんま みなかみ」の牽引機をD51 498（ぐんま車両センター所属）に変更することが発表される。
• 7月25日
  • 209系MUE-Train（川越車両センター所属）が湘南新宿ラインにて試運転を実施する。
• 7月26日
  • 211系シンK5・K6編成が廃車回送される。
  • 651系1000番台オオOM206編成が東大宮から郡山（KY）まで廃車のため配給輸送される。牽引機はEF81 139。
  • 京急1000形1501編成が川崎車両を出場し、甲種輸送される。
  • 27日にかけて、117系クハ117-1（吹田総合車両所京都支所所属）が、京都鉄道博物館にて収蔵・展示のため吹田→宮原操→大阪→京都貨物間で回送される。編成はクモヤ145-1009（ST09）+クハ117-1+クモヤ145-1003（ST03）。

久々の京急車甲種輸送

• 7月27日：京急1500形1501編成が川崎車両を出場し、28日・29日にかけて兵庫→吹田タ→新鶴見信→逗子間で甲種輸送される。牽引機は、兵庫→吹田タ間がDD200-20（愛知機関区所属）、吹田タ→新鶴見信間がEF210-344（新鶴見機関区所属）、新鶴見信→逗子間がDD200-901（愛知機関区所属）が充当された。1501編成は、逗子到着後に総合車両製作所横浜事業所（J-TREC横浜）に入場している。

上野駅・高崎線140周年記念号

• 7月28日
  • 上野駅開業140周年に伴い、JR東日本びゅうツーリズム&セールスの主催で『上野駅・高崎線開業140周年記念号』が上野駅→高崎線間で運行される。EF64-1053+12系5両の編成で運行され、機関車の前面には特製ヘッドマークが装着。埼玉県内のオカポンや東京都内の飛鳥山公園など、沿線撮影地は多くのファンで賑わった。
  • E231系コツS-03編成が、青森改造センターから秋田総合車両センターへ出入場のため配給輸送される。牽引機はEF81 136[秋]。
• 7月29日
  • 磐越西線の臨時列車「SLばんえつ物語」の運行が再開される。豪雨災害による磐越西線の不通や、牽引機のC57 180（新津運輸区所属）の全般検査によって久しぶりの営業運行となった。
  • 宇都宮線（上野東京ライン・東北本線）の尾久駅で沿線火災が発生する。この影響で東海道線と上野東京ラインの直通運転を中止し、一部の列車に遅れや運休が出た。
  • 京都鉄道博物館本館にて、117系クハ117-1の展示が開始される。
  • JR西日本・米子駅の新駅舎、駅ビル「シャミネ米子」、南北自由通路「がいなロード」の供用が開始される。
  • EF81 404（門司機関区所属）がEF81 501（門司機関区所属）の牽引で門司機関区まで返却回送される。EF81 404は28日に鹿児島本線宇土 - 松橋間で発生した踏切事故によって損傷していた。
• 7月30日：JR東海315系3000番台シンC101編成が初めて営業運転に就く。
• 7月31日
  • 7月26日に総合車両製作所新津事業所（J-TREC新津）を出場していたE235系クラJ-26編成が、越後石山→大船間で配給輸送される。牽引機はEF64-1031（新潟車両センター所属）。
  • 名鉄9100系9108F+名鉄9500系9515Fが日本車両製造（日車）を出場し、豊川→笠寺間で甲種輸送が実施される。牽引機はDD200-5（愛知機関区所属）。
  • 京急1000形1001編成（1001-）が2017年の更新時より続いてきた地下鉄直通禁止が解除され、2261H 特急泉岳寺行に充当される。

国外

• 7月24日：カナダのトロントで、スカボロー線の列車が脱線事故を起こし、5人が軽傷を負う。
• 7月26日：中国の紹興で、紹興軌道交通2号線が開通。