鉄道省モハ60形電車

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鉄道省モハ60形電車は、大日本帝国鉄道省が設計、開発した電車である。

概要[編集]

鉄道省モハ41形電車電動機を出力向上した車両である。片側3扉ロングシートで、運転台は半流形と呼ばれる丸妻貫通型である。1939年から1942年まで126両が製造された。

鉄道省モハ60形電車の性能
形式 モハ60
定員 (座席) 135 (56)
座席配置 ロングシート
運転台数、様式 1カ所 (全室貫通、)
自重 46.9t、47.5t
車体寸法最大長 20000mm
車体寸法最大幅 2870mm
車体寸法最大高 4150mm~4179mm
車体寸法車体外部の長 19355mm
車体寸法車体外部の幅 2805mm
台車中心間距離 13600mm
制御方式 直並列、弱め界磁、総括制御
制御器方式 電磁空気カム軸接触器式
回路電圧 100V
1時間定格線電圧 1500V
1時間定格出力 500kW
1時間定格引張力 3300kg (60%界磁)
1時間定格速度 56.0km/h (60%界磁)
最高運転速度 95km/h (許容95km/h)
主電動機 MT30
出力×個数 128kW×4
制動装置 AE空気ブレーキ装置・手ブレーキ
台枠形式 UF39
台車 TR25
軸距 2500mm
車輪直径 910mm
歯数比 23:66=1:2.87
電動発電機 MH49ーDM28
空気圧縮機 MH16B-AK3
連結器・緩衝装置 密着式・30t輪バネ
戸締機械 TK3×3カ所
製造初年 1940年

改造[編集]

太平洋戦争中に日本本土空襲によって被災した車両は戦災復旧客車となり、国鉄スエ71形客車として国鉄分割民営化直前まで在籍した車両があった。戦後、鉄道省モハ41形電車から電動機をMT30に載せ替えて電動機の出力を100kWから128kWに出力向上した車両は昭和28年6月1日車両称号規定改正によって本形式に編入した。その車両は運転台は平妻貫通型である。セミクロスシートに改造された車両はモハ54101~モハ54133となった。昭和34年6月1日車両称号規定改正によってモハ60はクモハ60に、モハ54はクモハ54となった。

クモハ60のパンタグラフ部分を低屋根化改造した車両がクモハ60800~クモハ600816である。浜松工場で1970年に施行。奇数番号は存在しない。

大糸線でのモハ60形電車[編集]

北松本電車区・松本運転所北松本支所の配置電車
形式 1956年3月1日 1960年4月1日 1965年3月31日 1969年3月31日 1975年3月31日 1981年4月30日
クモハ11 11両 11両 13両
クモハ12 2両 1両 1両 1両
クハ16 9両 11両 12両
クモハ40 1両 1両 1両
クモハ41 3両 9両 1両
クモハ60 9両 9両 9両
クハ55 15両 15両 9両
サハ57 3両 3両 2両
クモハ51 3両 2両 7両 4両
クモハ54 3両 3両
クモハユニ64 1両 1両
クハ68 3両 3両
クモハ43 4両 2両
クモハユニ44 2両 2両 1両
サハ45 3両 3両
クモユニ81 1両 1両
合計 24両 25両 34両 41両 50両 37両

注1) 1959年6月1日以前はクモハはモハ、クモハユニはモハユニである。

注2) 1965年以降、松本運転所北松本支所となった。

注3) 1981年7月24日以降、国鉄115系電車に取り替えられた。

参考文献[編集]