鉄道省モハ54形電車

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鉄道省モハ54形電車 (てつどうしょうもは54かたでんしゃ)は、大日本帝国鉄道省が設計、開発した電車である。

概要[編集]

出力増強形主電動機MT30を初めて搭載した形式である。大鉄向け鉄道省モハ51形電車に準じた構造である。出入口引き戸の戸袋は後位側である。54001、54002は1937年新製、54003~54009は1939年に新製している。

性能[編集]

鉄道省モハ54形電車の性能
形式 モハ54
定員 (座席) 136 (56)
座席配置 セミクロスシート
運転台数、様式 1カ所 (全室貫通、)
自重 46.9t~47.5t
車体寸法最大長 20000mm
車体寸法最大幅 2870mm
車体寸法最大高 4150mm~4179mm
車体寸法車体外部の長 19355mm
車体寸法車体外部の幅 2805mm
台車中心間距離 13600mm
制御方式 直並列、弱め界磁、総括制御
制御器方式 電磁空気カム軸接触器式
回路電圧 100V
1時間定格線電圧 1500V
1時間定格出力 500kW
1時間定格引張力 2940kg (60%界磁)
1時間定格速度 63.0km/h (60%界磁)
最高運転速度 95km/h (許容95km/h)
主電動機 MT30
出力×個数 128kW×4
制動装置 AE空気ブレーキ装置・手ブレーキ
台枠形式 UF34、UF39
台車 TR25
軸距 2500mm
車輪直径 910mm
歯数比 25:64=1:2.56
電動発電機 MH49ーDM28
空気圧縮機 MH16B-AK3
連結器・緩衝装置 密着式・30t輪バネ
戸締機械 TK3×3カ所
製造初年 1937年

運用[編集]

1936年に初登場し、首都圏京阪神圏に投入されて17m級旧型国電を置き換えたが、太平洋戦争後に国鉄モハ70系電車に置き換えられた。その後、宇部線小野田線飯田線大糸線身延線福塩線にも投入されたが、新性能電車に置き換えられた。

改造[編集]

太平洋戦争中の輸送力向上のためにロングシート化されたが、戦後、復元されたほか、鉄道省モハ60形電車21両をセミクロスシート化された車両は昭和28年6月1日車両称号規定改正によって本形式に編入した。この車両の運転台は丸妻貫通型である。さらに昭和34年6月1日車両称号規定改正によってクモハ54とした。

大糸線でのモハ54形電車[編集]

北松本電車区・松本運転所北松本支所の配置電車
形式 1956年3月1日 1960年4月1日 1965年3月31日 1969年3月31日 1975年3月31日 1981年4月30日
クモハ11 11両 11両 13両
クモハ12 2両 1両 1両 1両
クハ16 9両 11両 12両
クモハ40 1両 1両 1両
クモハ41 3両 9両 1両
クモハ60 9両 9両 9両
クハ55 15両 15両 9両
サハ57 3両 3両 2両
クモハ51 3両 2両 7両 4両
クモハ54 3両 3両
クモハユニ64 1両 1両
クハ68 3両 3両
クモハ43 4両 2両
クモハユニ44 2両 2両 1両
サハ45 3両 3両
クモユニ81 1両 1両
合計 24両 25両 34両 41両 50両 37両

注1) 1959年6月1日以前はクモハはモハ、クモハユニはモハユニである。

注2) 1965年以降、松本運転所北松本支所となった。

注3) 1981年7月24日以降、国鉄115系電車に取り替えられた。

参考文献[編集]