旧形国電

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旧型国電 (きゅうがたこくでん)とは、国鉄101系電車の登場以前に設計、開発され、あるいはこれらを改造して登場したつりかけ駆動方式日本国有鉄道所属の電車である。

名称[編集]

「旧型国電」は鉄道ファン一般人の用語であって、正式名称ではない。

概要[編集]

電動機と車軸をたわみ継ぎ手で介したカルダン駆動を採用した車両と比べて構造は簡単であるが、車輪から伝わる振動が直接電動機に伝わるために電動機の小型化が出来ない。このため大型の重い電動機を使わざるを得ず、これにより軽量化できない。また、歯車同士の遊びも大きくなり、騒音が大きくなる。

歴史[編集]

戦時買収で国有化された私鉄の電車は買収国電とされ、別扱いとなる。これらの車両は阪和電鉄引き継ぎ車を除き、早期に地方民鉄に売却された。その阪和電鉄引き継ぎ車も昭和43年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正によって国鉄線上から買収国電は姿を消した。一方、太平洋戦争中の日本本土空襲によって多くの車両が廃車になり、一部は戦災復旧客車となった。運輸省から独立した日本国有鉄道で運行する電車はそれまでの「省電」から「国電」となった。そして、国鉄分割民営化によって定期運転する旧型国電はクモハ12形電車クモハ42形電車のみとなった。その後、2003年(平成15年)にクモハ42形電車が小野田線の定期運用から引退したため、旧形国電の定期運用はなくなった。

2025年3月現在は、JR東日本鎌倉車両センター中原支所に所属するクモハ12052と、JR西日本下関総合車両所に所属するクモハ42001が車籍を有しているが、これらは保存車となっており定期運用はない。

性能[編集]

戦前製20m級3扉直流電車の系譜
形式 運転台 電動機 電動機出力 座席 荷重 便所取付車 備考
国鉄モハ30形電車 MT15 100kW ロングシート - - (1)
鉄道省モハ40形電車 MT15 100kW ロングシート - - (2)
鉄道省モハ41形電車 MT15 100kW ロングシート - - (3)
国鉄モハ50形電車 MT30 128kW セミクロスシート - - (4)
鉄道省モハ51形電車 MT15 100kW セミクロスシート - - (5)
鉄道省モハ54形電車 MT30 128kW セミクロスシート - - (6)
鉄道省モハ60形電車 MT30 128kW ロングシート - - (7)
国鉄モハ61形電車 MT30 128kW ロングシート - - (8)
鉄道省クハ55形電車 - - ロングシート - クハ55400- (9)
鉄道省クハ68形電車 - - セミクロスシート - クハ68400- (10)
鉄道省サハ57形電車 - - ロングシート - サハ57400- (11)
鉄道省クハニ67形電車 - - ロングシート 荷物5t クハニ67900- (12)
国鉄クハユニ56形電車 - - セミクロスシート 郵便1t・荷物3t 全車 (13)

備考[編集]

  1. 全車鉄道省モハ40形電車からの改造。
  2. 一部が国鉄モハ30形電車鉄道省モハ41形電車鉄道省モハ51形電車国鉄モハ61形電車に改造。
  3. 一部が国鉄モハ51形電車に改造。
  4. 全車国鉄モハ53形電車からの改造。
  5. 一部が鉄道省モハ40形電車鉄道省モハ41形電車からの改造
  6. 一部が鉄道省モハ41形電車鉄道省モハ51形電車からの改造。
  7. 全車鉄道省モハ40形電車からの改造。
  8. 一部が鉄道省モハ41形電車からの改造。
  9. 太平洋戦争中に鉄道省クハ68形電車全車編入。戦後は復帰。一部は鉄道省クハ68形電車に編入。鉄道省サハ57形電車の一部を編入。

10.太平洋戦争中に全車が鉄道省クハ55形電車に編入。戦後は復帰。鉄道省クハ55形電車の一部は改造編入。

11.一部が鉄道省クハ55形電車に編入。

12.オリジナルは1969年までに廃車、若しくは国鉄クハユニ56形電車に改造。鉄道省クハ55形電車から改造された900番台は1978年まで残存

13.モハユニ61からの改造車と鉄道省クハニ67形電車からの改造車がある。

模型[編集]

Nゲージではグリーンマックスから最初に完成車が登場し後にキット化されている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]