ニートレイン
ナビゲーションに移動
検索に移動
二ートレインとは、鉄道車両のうち、運用が皆無の編成に付けられる通称である。
原因[編集]
鉄道車両はそれぞれ目的をもって製造されるが、その目的に適った列車運用が組まれなくなった時、車庫に長期間留置される。ここからニートレインへ退化する。
ニートレインは「ニート」と「トレイン」を組み合わせてできたかばん語である。
国鉄末期に遊休車両と呼ばれたことに相当する言葉である。
主な原因は以下の通り。
- 使用するのに適切な列車が存在しない、あるいは消滅した。
- ドア数が少ない、座席配置が違うなどの理由で運用するのに適切な線区が存在しない。
- 性能が他系列と異なる。
- 他系列との共通運用が組めない。
- 機器の未設置などにより入線できない、あるいは営業運転ができない線区が存在する。
- 編成数に対して運用数が少なく、余剰気味である。
- 余剰になったため運用を離脱しているが、処遇が決まっていない。
- 予備車、あるいは予備車の予備車になっている。
- 故障などで運用を離脱しており、復活させるつもりがない。
- 部品取り用の車両。
- 事業用の車両として配置され、営業列車には一切使われない場合。
- 臨時列車に使用するための車両である。
事例[編集]
関東[編集]
- 215系
- 1.2.のパターン。着席可能にするため、電動車以外は全てダブルデッカーの車両。当時の湘南ライナーをはじめとする通勤ライナーのほかに、1993年から快速アクティーにも使用された。しかし、基本的に15両で運用される東海道線の中でも10両と比較的短かったことや、扉が2つしかなかったこと、また熱海方面の利用者を特急踊り子に転移させて増収を図るために、215系は2001年に快速アクティーから全面撤退。
その後、日中は湘南新宿ライン系統の普通列車や快速列車として運用されたものの、やはり2扉が災いし、かつ、車種統一を図るために湘南新宿ラインの運用は2004年までにE231系に置き換えられ、さらに2021年3月のダイヤ改正で、中央本線でのホリデー快速ビューやまなし号、および最後の砦とも言える湘南ライナーの運用も失い、続々と長野へと廃車回送されていき2021年7月に全滅した。
かなり有名であったために晩年はニートレインの代名詞となったが、少編成でも急行「はまなす」のようにカーペットカー改造で夜行列車に活用し、東名・東阪間のように需要の多い区間での夜行列車の退潮を防ぐ道もあったはずで、そうした点では不遇車両といえる。 - 東急サークルK編成
- 5.のパターン。2003年に東急・営団(現・東京メトロ)・東武の3社相互直通運転が開始された。その際、編成数が少ない2000系は乗務員訓練の手間を省くために直通運用には就くことはなく、また東武とは違う保安装置を採用していたために東急側でも東武の保安装置に対応しなければいけなかったが、当時5000系で8500系を置き換えている最中であり、改修工事費用の手間を抑えるために8500系には改造を施工せず、直通運用には使用されないことになった。この編成群のことをサークルK編成と呼ばれることとなった。
- 直通開始当初は東急と東武の直通列車は毎時3~4本だったため、サークルK編成の運用はたくさんあったものの、年々のダイヤ改正で直通運用が徐々に増えていったことで運用が徐々に減少していき、長津田の車両基地に留置されていることが多くなった。
- 尚、リーマンショックの不況で5000系の投入が中止されて以降、2000系3編成(2001F、2002F、2003F)、8590系2編成(8694F、8695F)、8500系2編成(8606F、8642F)で概ね固定され、2017年までこの形態が続いた。
- しかし2018年より田園都市線に新型車両2020系が投入され、それに伴った2000系の大井町線転属・8500・8590系の廃車再開により、現在はサークルK編成が消滅してしまった。とおもわれたが、東武線内でのデジタル無線更新に伴い、引退間際の8500系は更新工事が行われないことになり、消滅までサークルK編成となっていた。
- 京急2000形8両編成(3扉改造後)
- 3.5.のパターン。主に快速特急に使用されていた2代目600型を置き換える目的で1982年に登場した2000型。1983年には京急では初のブルーリボン賞受賞車両となった。
- 登場以来快速特急を中心とした運用に使用されたが、足回りの老朽化を懸念した京急は快速特急の運用を1998年から後継の2100形に譲り、3扉ロングシート化改造を施したうえで、汎用型車両と同様の運用に転用することになった。その玉突きで1000形、700形を一部置き換えた。しかし4両編成は普通や増結運用[1]につくことができたが[2]、8両編成は全面非貫通構造であり、地下鉄直通に対応していないことからニートレインになってしまった。その後、2010年のダイヤ改正にて新設された羽田空港 - 新逗子[3]間を結ぶエアポート急行に充当されることが多くなり、ニートレイン状態は解消しているが、老朽化により2018年までに全車引退している[4]。
- 後に新1000形の1001Fが機器更新直後に都営浅草線内に入れなくなり、23年7月に泉岳寺に現れ、8月以降に浅草線に乗り入れ始めるまで同様のポジションに立たされることになった。
- 京葉線 E331系
- 2.9.のパターン。京葉線は他路線からの転属車両が多い武蔵野線とともに中古車のイメージが付くことが多かった。このうち老朽化した201系を置き換えるために最新技術を惜しみもなく使ったE331系が導入された。E331系は京葉線の中でも15年ぶりの新車であり、国鉄・JRの車両の中でも初めての連接台車を採用したほか、ダイレクトドライブ機構という駆動方式を採用。2007年3月に登場したものの、3日で運用を離脱。同年4月以降は完全に顔を出さなくなってしまった。そして2007・2008年にメーカー返品を行い機器類を改良してから2008年12月より運用を再開。しかし2009年5月にまたもや運用離脱。2010年4月に再度運用が再開されるも2011年1月に営業運転から離脱。約3年間京葉車両センターでニートレイン。2014年にあっけなく長野で廃車された。
- 実働はわずか1年強で、最後の3~4年は京葉車両センターにずっと留置されていたために215系同様ニートレインの代名詞と呼ばれることも多い。
- JR東日本E231系電車800番台
- 6.のパターン。メトロ東西線乗り入れ用車両。7編成が在籍しているが、運用は平日5つ(終日運用は2つのみ)・土休日3つとなっていて、やや余剰気味である。その分予備車なしで機器更新・ワンマン化を実施する余裕があると考えて良い。
- E501系
- 7.のパターン。2024年3月に付属編成の運用がなくなったが、2編成が一般仕様のまま残り九州譲渡までは終日ニートレインとなっていた。また、2025年時点で基本編成も朝2往復、夕以降3往復の5往復しか所定運用がなく、昼間はニートレインとなっている。
- 国鉄157系電車 クロ157-1
- 7.のパターン。貴賓車として製造されたものの、後継のJR東日本E655系電車の登場で出番がなくなり、車籍こそあるものの全く動くことはないニートレインと化した。加えて、併結可能車両である185系が全廃したため、今後の稼働は絶望的である。
- JR東日本E233系電車 マト2・11編成
- 5.7.のパターン。ワンマン化改造を見送られた結果2025年3月15日のダイヤ改正で運用を離脱し、休車となり1年以上松戸に留置されている。現状転用される噂などはない。
- JR東日本E233系電車 ナハN36編成
- 5.7.のパターン。南武線の異端車だが、ワンマン化改造を見送られた結果2025年3月15日のダイヤ改正で運用を離脱し、通電こそたまにしているものの1年以上中原に留置されている。これについては房総地区へ転用する噂がある。
- JR東日本E235系電車 トウ07編成
- 7.あるいは9.のパターン。2024年3月15日を最後に運用に入らず、2年以上も東京総合車両センターに留置され続けている。故障説と転用説があるが、現状動きは見られない。
中部[編集]
- 213系5000番台
- 2.のパターン。1999年の313系による関西線でのワンマン運転開始後、ドア数が片側2箇所しかなくドア配置の都合でワンマン化できず、車内も転換クロスシートでつり革もドア付近にしかないことや未改造で最高110km/hしか出せないことから中央西線や東海道本線でも使いにくく、日中ニートレインと化した。2012年の飯田線転用によりニートレイン状態は解消したが、2021年のホームドア設置以降は新快速・特別快速の代走に使用できなくなる等、廃車まで運用上不便な側面は残っていた。
- JR東海313系電車B0編成
- 6.のパターン。315系投入後、211系0番台の全滅により予備車がなく昼間は終日ニートレインと化したが、4両編成の増備の進捗で中央西線の代走に入るようにもなり、2023年内に全車が大垣に転属しJ0編成の続き番号となる形でこの状態は完全解消した。
- 国鉄キハ40系気動車 キハ40-2093
- 7.と思われるパターン。2025年12月に岡山から富山へ転属して以降、一度も運用入りせず富山機関区に留置され続けている。
関西[編集]
- 271系 特急はるか
- 1.のパターン。2020年3月にはるか全9両化にともない運用を開始したが、コロナ禍による需要減にともなう全6両化で運用開始後わずか18日でニートレインとなってしまい、以降、翌21年3月に需要回復が見られて一部が9両運用に戻されるまで全く運用がなかった。
- 207系 モハ207-1032
- 7.のパターン。元々は4連のアカT18編成に組み込まれていたものの、アカT18編成が3連化された際に余剰・休車となり、12年間明石支所に留置されていた。2024年にJR和田岬線の103系置き換え用として207系を6連に組み替えることとなったが、その際に拾われてX1編成に組み込まれ、12年間の眠りから目を醒ました。
が、代わりにY1がニートレインと化した。 - 207系 Y1編成
- 2.7.のパターン。2両編成の207系である。207系は7両で運転されるが、5両編成は存在しておらず、2両編成は定期運用には使えない。和田岬線で2+4両編成を6両編成にして利用できそうだが、そのような形でも使われていない。では、なぜこのような編成が誕生したのかというと、和田岬線の103系R1編成を置き換えるために、207系の3両のT18編成と4両のT3編成、余剰になっていた元T18編成のモハ207-1032を組み替え、6両貫通のX1編成を組成したためである。2編成あるので、4つの先頭車があるのだが、6両貫通のX1編成では2つしか必要がないため、余った2両はこのようなニートレインとなってしまった。和田岬線の代走の際に2+4で運用されるのではないかと言われていたが、結局代走の際も103系時代と同様207系3+3で運用されており、過去のモハ207-1032同様ニートレインとなってしまっている。
いち早い加古川線・播但線向けワンマン車への改造が望ましいところ。- JR西日本521系電車E編成
- 4.6.のパターン、11.のパターンにもやや該当。4運用あるがいずれも朝夕にしか運用がなく、昼間は敦賀か米原でニートレインと化す。
昼間一時間間隔に改悪された北陸本線を30分間隔にするために使えないのだろうか。ただし、三セクおよび七尾線521系の吹田入出場がある場合は伴車として使用されるため、昼間に敦賀⇔吹田を往復する。 - JR西日本681系電車 キトW14・W21編成
- 7.8のパターン。2024年12月に運用を離脱し宮原へ疎開されたが、1年以上経った今も廃車されることなく定期的に向日町で交検を受けつつニートレイン生活を送っている。
いち早い吹田への廃車回送が求められるところ。 - 京阪6000系電車
- 1.のパターン。2025年3月の改正で昼間の普通列車が全面4両化され、プレミアムカーなしの8両編成である以上特急や準急でも運用できないことから昼間の出番がなくなった。9000系9005Fは7両化されたためこの状態からは外れている。
- 京阪9000系電車 9605
- 7.のパターン。上記9005Fの7両化で捻出されたが、13000系や10000系と組み替えない限りは寝屋川の片隅で眠る羽目になる。
- 阪急7300系電車 7851
- 7.のパターン。元々は7321Fに組み込まれていたが、2007年3月に7321Fが6連化され余剰・休車となり、それから17年間正雀に留置されていた。2024年7月に7300Fが7連化される際に組み込まれることとなり、17年間の眠りから目を醒ました。
中国・四国・九州[編集]
- 広島電鉄2000形電車
- 5.9.10.のパターン。PASPY対応工事から外れたあとも2004-2005が廃車とならず、3100形の部品取りも兼ねているのかニートレイン状態で残っている。
- 広島電鉄3100形電車
- 8.のパターン。宮島線対応の最古参だが、吊り掛け車であるためか朝夕と多客期以外運用がない。
- 広島電鉄3500形電車
- 9.のパターン。元祖軽快電車であり、1編成しかなく、2011年から故障によりニートレイン状態である。
- 広島電鉄5000形電車
- 9.10.のパターン。低床路面電車だが、当時日本では製造技術が確立されていなかったため、ドイツのシーメンスから輸入して製造した。しかし、シーメンスが日本から撤退したことでアフターサービスが悪くなり整備が困難になったため、12編成が導入されたうち1編成が廃車、他の9編成が部品取りとして車庫に留置されて、運用されているのは2編成のみとなっている。
- 115系セキT編成
- 4.6.のパターン。4配置3運用であり、3両や4両の運用がワンマン化されたことからか3スジともに朝夕のみの運用であり、宇部線や小野田線に代走で入ることもないため、日中はニートレインと化す。
- 西鉄6000形電車3連(6050形含む)
- 1.4.6.のパターン。登場当初は2重連6両による運用があったが、2007年改正以降は日中の特急運用や朝夕ラッシュ時と多客期の7両増結、および節電対策の減車運用以外出番がなく、平時の昼間は筑紫車庫で眠っていることが多い。
- もっとも、7000形との併結が開始された昨今は併結5両による代走運用も見られるようになったためこれの所定化によるニートレイン完全脱却に期待したい。
- 熊本市交通局9700形電車 9701AB - 9703AB
- 9.のパターン。アドトランツ製のVVVFを搭載していたことが災いし機器不調を起こしてしまい、9701ABは2012年以降2018年の修理まで、9702AB・9703ABは2018年以降2025年の廃車まで車庫でニートレインしている状態が続いた。
- 9701ABの修理の際には更新のために取り寄せた三菱製VVVFが車体に合わせた特注品となってしまったのか、それ以外の2編成の更新が見送られ廃車に至った可能性が高い。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ↑ 2002年から2010年までの日中時間帯の快特は基本8両編成に付属4両を増結した12両編成で運行されていた。
- ↑ 最も4両編成側も問題がなかったというわけではなく、加速性能の問題から普通運用だと800形や1500形に比べると遅延が発生した時の回復が困難であった。また、増結運用でも先述の加速性能の悪さから2000形以外の車両と併結した場合に乗り心地が悪くなるといった問題があった。更には、2000形4両編成同士の併結はドア位置がややずれ、羽田空港国際線ターミナル駅のホームドアに合わないことから避けられた。
- ↑ 現 : 逗子・葉山
- ↑ 廃車については4両編成から進められたが、8両編成がニートレインと化したことにより老朽化を遅らせることができたからという見方も不可能ではない。