広島電鉄5000形電車
広島電鉄5000形電車は、広島電鉄にて使用されている低床式の路面電車車両である。Green Moverの愛称を持つ。
概要[編集]
バリアフリー化に伴う低床車両の導入を目的として、1999年に製造が開始された。広島電鉄では初の低床式の車両で、日本国内で見ても熊本市交通局9700形電車に次ぐ2例目である。
当時は日本国内での低床式の路面電車の技術が未発達だったこともあり、ドイツのシーメンス社によって製造がおこなわれ、日本のアルナ工機が輸入後の受け入れ整備を担い、搬入された。
当時では最先端の技術とされていた低床車両であったため、外観や内装の見た目も、従来車と比較して独特的な箇所が目立つ。
沿革[編集]
こうして当時最先端の技術を活かして作られた、広電5000形。海外製の車両なこともあって世間からの注目を集め、1999年6月に華々しくデビューし、2002年までに12編成が製造。その後は国内での低床車の開発のめどが立ったこともあり、2004年からは国産車の広電5100形に製造が移行しているが、今後も先進的なバリアフリー車両としての活躍が期待されていた。
しかし、製造元は比較的気温の変化が穏やかなヨーロッパ。対して、使用されるのは高温多湿な季節もある日本。ゆえに、製造されていた場所と使用される場所の環境が違っていたため、空調能力不足で真夏時での居心地が従来と比べて悪かったり、さらには機器不調などのトラブルが目立つように。また、海外製であるがゆえ、部品調達にも時間がかかり、故障の修理も国産車と比べて困難を極めた。2006年にはベース元となっていたシーメンス社のコンビーノシリーズが生産終了となり、部品確保自体も難しくなった。
こうした状況もあって、部品を外部から調達させる方針から、1つの編成を部品取り車とする共食い整備へ移行し、2009年には5007号が故障を起こして以来運用に戻ることはなく、十数年もの間放置されることに。後には、故障を起こした編成から順次運用を離脱していき、2026年4月現在で運用に就いている車両は5008号、5011号のわずか2編成のみである。
2025年3月には、部品取り車となっていた5007号がついに廃車された。さらに、2026年4月以降は他の編成も順次廃車が進んでいる。