波動方程式

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波動方程式は、定数係数2階線形偏微分方程式である。音波、水面の波紋、電磁波などの様々な振動・波動現象を記述する。

概要[編集]

である。ここで、∇^2=Δはラプラシアン(ラプラス作用素、ラプラス演算子)である。 ∇はベクトル解析のナブラである。 sは位相速度である。例えば、電磁波では光速c、など。

波動方程式は、流体力学弾性体力学が扱う、弦、膜、空気、水など媒質の振動現象記述する。 ただし、例外として電磁波は、媒質の振動現象と同じく波動方程式で記述されるが、媒質が存在せず、 正確に取り扱うには特殊相対性理論を考慮された電磁気学の議論が必要である。 以上の例では3次元以下を扱うことが多い。そして3次元では以下のように表される。

つまり、ラプラシアンが以下のようであるということ。

一般にn次元では、変数がx,y,zではなくn個あると考えれば良い。
例えば、弦の振動は1次元で、膜の振動は2次元で記述される。

1次元の場合の求積法[編集]

(電磁波の)波動方程式の1次元版は

っちゅー偏微分方程式で表わされる(cは光速度)。以下この波動方程式の解を変数分離法を用いる事により求積してみよう[1]。まず

とゆー関数を考えて偏微分し方程式に代入したら

となる。これを変形すれば

とゆー式が成り立つ。この式の左辺は変数xに依らず右辺は変数tに依らないので上式は或る(任意の)定数に等しい。この定数をαとおくと次式が成り立つ。;

この2式は(定数係数&同次の)2階線形常微分方程式である。

とおけばであり、 と書けば関数T=T(t)は以下の如く求められる。;

同様にとおけばとなるので関数X=X(x)は次式で与えられる事が分かる。;

(※A,B,C,Dは任意定数である。)この2つの関数の積がニ変数関数φ=φ(x,t)即ち上述の偏微分方程式の一般解を表わす事になる。

次に上記の一般解を用いて波動方程式の解である正弦波の式を(強引に)導いてみよう。本来なら境界条件や初期条件をちゃんと考えて非自明解を求めなければならないんだが大変なんで割愛させてもらう事にする。(もっと本格的にはフーリエ級数を用いるんで超大変💦)

上記関数X,Tの中の任意定数B,Dを零とおけば上記の指数関数オイラーの公式を適用する事により

が成り立つ(※C'=AC,k=ω/cと置いた☆)。ここで

とおけば三角関数加法定理より

となって正弦波の公式が導かれる。//

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. この解法はフランスの数学者フーリエが発見したと言われている。