大阪市
大阪市(おおさかし)は、大阪府の府庁所在地かつ最大都市。政令指定都市に指定されている。大阪府中央部から西部にかけて位置する。1500年以上も大都市として君臨し続けており、江戸時代には三都のひとつで、日本における商業の中心であった。現在も東京都区部と並ぶ日本の大都会である。
概要[編集]
日本の三大都市圏のひとつ、京阪神大都市圏の核を形成する。人口は東京都23区、横浜市に次いで全国第3位で、昼間人口においては東京都区部に次ぐ全国第2位である。西日本においては最大の都市で、民放テレビ5系列で在京のキー局と共に全国ネット番組を制作する準キー局が市内に置かれ、NHKも令和改元以降、大阪拠点放送局を東京災害時に本部機能を働かせるべく、バックアップ機能を強化している。
古くから難波津として知られる都市であったことから観光名所が多く、大阪城、通天閣、道頓堀、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、あべのハルカス、四天王寺などがそれらに挙げられる[1]。
梅田を中心とした地域が「キタ」、難波を中心とした地域が「ミナミ」と通称されている。バブル期は京橋を中心とした地域、もしくは布施を中心とした地域を「ヒガシ」と通称する動きもあった。
近年は、前市長の橋下徹が提唱し、松井一郎および吉村洋文が継承した、大阪維新の会による「大阪都構想」の問題が議論を呼んでいる。
地理[編集]
大阪市は東淀川区、淀川区、西淀川区、此花区、福島区、大正区、西区、中央区、北区、都島区、城東区、旭区、鶴見区、生野区、平野区、東住吉区、住吉区、住之江区、西成区、浪速区、港区、東成区、天王寺区、阿倍野区の24の行政区に分けられている。
大阪市やその周辺には川が多く、中心部にも道頓堀川などの川が流れている。またこれらの川には多くの橋が架かっている。この関係から川や橋の名前がそのまま地名や駅名になっている場所も多い。このことから大阪市は八百八橋 (はっぴゃくやばし) と喩えられている。淀川区や淀屋橋駅、鶴橋などが良い例。
歴史[編集]
古代[編集]
古代、上町台地や瓜破台地を除く大阪市域には、河内海という内海が広がっていた。内海ということもあり波は穏やかで、港湾に適した立地であった。そこで5世紀ごろに難波津が開港し、現在の大阪はこのころ日本有数の国際港としての地位を獲得した。
国際港ということもあり、百済や伽耶諸国など朝鮮半島の国々や、中国、その他アジア諸国からわたってきた人や物品が多く集まり、当時先進的な考えであった仏教も伝来した。特に朝鮮半島・中国から渡ってきた集団を渡来人という。渡来人はその後日本各地に散開していき、日本の文明化や仏教国化の一助となるが、その第一歩として伝わったのが大阪の難波津であった。
仏教が広がると、それを篤く信仰した厩戸皇子(聖徳太子)の台頭により、593年四天王寺が建立される。このころには難波津は港湾機能だけでなく、そこから発展して都市機能を持つようになった。国際都市としての大阪は、すでにこの時に確立されたのである。また600年からは、遣隋使の出発拠点にもなった。
645年の大化の改新により、中国大陸の隋へ対抗するため孝徳天皇は大阪への遷都を行い、難波宮が建設された。