アメリカ空軍機の一覧

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アメリカ空軍機の一覧では、アメリカ空軍が運用した、または運用している主な航空機を年代順に解説する。

概要[編集]

アメリカ空軍は、1947年にアメリカ陸軍航空軍から独立して創設された世界最大規模の空軍組織である。その歴史を通じて、多種多様な航空機を運用し、技術革新の最前線に立ってきた。本稿では、戦闘機、爆撃機、輸送機、偵察機、練習機など、主要な航空機の系譜を追う。

第二次世界大戦後から朝鮮戦争期(1940年代後半 - 1950年代前半)[編集]

第二次世界大戦終結後、アメリカ陸軍航空軍から独立したアメリカ空軍は、ジェット機の時代へと突入する。

冷戦期(1950年代半ば - 1980年代)[編集]

冷戦の激化に伴い、アメリカ空軍は核抑止力の中核を担う戦略爆撃機と、ソ連の脅威に対抗する高性能な戦闘機を開発・配備した。

  • B-52 ストラトフォートレス:1950年代から現在に至るまで運用されている伝説的な戦略爆撃機。その堅牢性と拡張性から、数々の改修を受け、現代の戦場にも適応している。
  • F-100 スーパーセイバー:音速の壁を突破したアメリカ初の超音速戦闘機。ベトナム戦争でも地上攻撃任務に投入された。
  • F-104 スターファイター:マッハ2級の高速性能を誇るインターセプター(要撃機)。「ミサイルに翼を付けた」と形容される。
  • F-4 ファントムII:多用途性に優れた傑作戦闘機。元はアメリカ海軍の艦上戦闘機だが、その高性能が評価されアメリカ空軍でも主力戦闘機として多数採用された。ベトナム戦争で空対空戦闘、地上攻撃に活躍した。
  • F-111 アードバーク:可変翼を持つ戦術爆撃機。長距離侵攻能力と全天候攻撃能力を併せ持つ。
  • SR-71 ブラックバード:マッハ3級の高速性能と高高度飛行能力を持つ戦略偵察機。「黒い鳥」の異名を持つ。その性能は今日でも多くの航空ファンを魅了する。
  • C-130 ハーキュリーズ:汎用性の高い輸送機。短距離離着陸能力に優れ、世界中で運用されている。現在も現役で改良型が生産されている。
  • KC-135 ストラトタンカー:ボーイング707をベースとした空中給油機。B-52など、多くの航空機への空中給油を担い、空軍の作戦範囲を飛躍的に拡大させた。
  • F-15 イーグル制空戦闘機として設計され、高い空対空戦闘能力を持つ。今日でもアメリカ空軍の主力戦闘機の一角を占める。
  • F-16 ファイティングファルコン:軽量で機動性に優れた多用途戦闘機。世界中の空軍で採用され、ベストセラー機となった。

冷戦終結後から現代(1990年代 - 現在)[編集]

冷戦終結後、アメリカ空軍は地域紛争への対応や対テロ戦争へとその焦点を移す中で、ステルス技術や情報ネットワーク能力を重視した航空機の開発を進めた。

豆知識[編集]

  • アメリカ空軍の航空機命名規則では、"F"は戦闘機(Fighter)、"B"は爆撃機(Bomber)、"C"は輸送機(Cargo)、"KC"は空中給油輸送機(Tanker/Cargo)、"A"は攻撃機(Attack)、"E"は電子戦機(Electronic)、"R"は偵察機(Reconnaissance)、"T"は練習機(Trainer)、"U"は多用途機(Utility)、"H"は救難ヘリコプター(Helicopter/Rescue)、"V"は垂直離着陸機(Vertical Take-Off and Landing)、"X"は実験機(Experimental)、"Y"は試作機(Prototype)を示す。
  • アメリカ空軍は、ネリス空軍基地で毎年レッドフラッグ演習を実施しており、世界中の空軍が参加して実戦的な訓練を行っている。
  • SR-71ブラックバードは、その驚異的な速度と高高度飛行能力により、ソ連の防空網を突破する上で非常に有効な手段であった。

関連項目[編集]

参考書籍[編集]

  • 岡部いさく『世界の軍用機年鑑』(イカロス出版、2024年)
  • 青木謙知『アメリカ空軍のすべて』(光人社NF文庫、2018年)
  • 軍事研究編集部『世界の名機シリーズ』(各号、文林堂)