アメリカ海軍

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アメリカ海軍(アメリカかいぐん、英語: United States Navy、略称: USNまたはU.S. Navy)は、アメリカ合衆国海軍である。アメリカ合衆国軍の主要な軍種の一つであり、世界最大の海軍力を持つ。海軍省の下に置かれ、アメリカ合衆国国防総省の一部を構成する。

概要[編集]

アメリカ海軍の主な役割は、海洋における国家安全保障の維持、シーレーンの保護、そして海外におけるアメリカの国益の推進である。その任務には、海上阻止戦力投射核抑止人道支援災害派遣などが含まれる。

アメリカ海軍は、空母打撃群を中心とした大規模な艦隊を運用しており、世界中の海洋に展開している。現役の隊員数は約34万人、予備役は約10万人に上る。

歴史[編集]

アメリカ海軍の起源は、アメリカ独立戦争中の1775年10月13日に設立された「大陸海軍」に遡る。独立戦争終結後、財政難により一度解体されたが、北アフリカバルバリア海賊による商船への脅威に対抗するため、1794年3月27日に再設立された。

19世紀には、米英戦争南北戦争を通じてその規模と能力を拡大した。特に南北戦争では、ハンプトン・ローズ海戦に代表される装甲艦の登場や、海上封鎖戦術が用いられた。

第一次世界大戦後、アメリカはワシントン海軍軍縮条約などの軍縮条約に署名したが、第二次世界大戦の勃発により再び急速な拡張を遂げた。太平洋戦争では、ミッドウェー海戦レイテ沖海戦など、多くの大規模な海戦で重要な役割を果たし、連合国側の勝利に貢献した。

冷戦期には、ソビエト連邦海軍に対抗するため、原子力潜水艦ミサイル駆逐艦の開発、空母艦隊の増強が進められた。ベトナム戦争では、トンキン湾事件をきっかけに本格的な関与を始め、沿岸での支援や内陸水路での作戦に従事した。

冷戦終結後も、アメリカ海軍は世界の主要な紛争人道危機に介入し続けている。湾岸戦争イラク戦争アフガニスタン紛争など、現代の多くの軍事作戦において不可欠な存在である。

組織[編集]

アメリカ海軍は、アメリカ合衆国海軍省の下に置かれ、文民である海軍長官が統括する。軍事面では、海軍作戦部長(Chief of Naval Operations、CNO)が最高位の軍人として海軍を指揮する。

主な組織は以下の通り。

装備[編集]

アメリカ海軍は、多種多様な艦艇、航空機、装備を運用している。

豆知識[編集]

  • アメリカ海軍のモットーであるForged by the Seaは、「海によって鍛えられた」という意味で、海軍の歴史と伝統、そして隊員の強靭な精神を表している。
  • アメリカ海軍の艦船は、軍艦旗として星条旗を掲げるが、艦首には独自のエンスン(軍艦旗)である「ガフ・エンサイン」を掲げることがある。
  • 現在、アメリカ海軍は「355隻艦隊構想」を掲げ、艦艇数を355隻まで増強することを目指している。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Polmar, Norman 『Ships and Aircraft of the U.S. Fleet』 Naval Institute Press、2005年。ISBN 978-1591146858
  • Hone, Thomas C. 『The United States Navy: A Concise History』 University Press of Kansas、2012年。ISBN 978-0700618625