調布市北部地域巡回公共交通
調布市北部地域巡回公共交通 | |
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基本情報 | |
国 |
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所在地 | 東京都 |
種類 | 路線バス |
起点 | 南台 |
終点 | 南台 |
停留所数 | 18停留所(廃止時点) |
開業 | 2022年(令和4年)1月28日 |
廃止 | 2023年(令和5年)12月22日 |
運営者 | 京王バス |
路線構造 | 循環路線 |
営業所 | 京王バス調布営業所 |
使用車両 | トヨタ・ハイエース |
路線諸元 | |
調布市北部地域巡回公共交通(ちょうふしほくぶちいきじゅんかいこうきょうこうつう)とは、かつて調布市によって実証実験が行われていた京王バス調布営業所のバス路線である。
概要[編集]
導入に至る経緯[編集]
調布市の北部では従前からJR中央本線・京王線・京王井の頭線・西武多摩川線からのいずれの路線からも不便な立地の鉄道空白地帯であり、公共交通としては小田急バス・京王バスの路線バスに加えて調布市ミニバス(京王バスに委託運行)の調37系統がその役割を担っていた。しかしながら新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により利用者が大きく落ち込み、2020年(令和2年)11月に大幅に減便された[1]。同系統の調布駅北口バス停留所から上ノ原小学校バス停留所までの区間は調36系統と重複しているため一定の便数は確保されているが、同停留所以北では高齢者を中心に公共交通手段が失われることとなった。そこで減便された穴を埋め、影響を受けた高齢者等の移動手段として地域の交通ニーズを把握するために企画された実証実験がこの調布市北部地域巡回公共交通である。
路線としては京王バス調布営業所が管理・所有するワンボックスカー(トヨタ・ハイエース[注 1])が調布市北部のエリア内を循環するというもので、調37系統の減便で大きく割を食った野ヶ谷地区をはじめ病院や公園・商業施設を経由するものであった。反時計回りに深大寺北町・深大寺東町地区を循環する。毎週火曜日と金曜日に1時間に1本、1日に7便を運行した[1][2]。また、運賃は無料であった[1]。
運行開始にあたり、停留所は始発となる南台バス停留所をはじめいくつかの停留所が新設された。ただし実証実験のため本格的なバス停留所ポールなどは設置されず、施設の壁面やカラーコーンに貼り紙を設置するというもので対応した[3]。のちに運行終了に伴いこの貼り紙は撤去されている。
実証実験の終了[編集]
しかしながら経由地が調布市内限定であるため市外の施設(例:三鷹市新川に所在する杏林大学病院)に行きづらいこと、一方通行道路の関係で逆回りの循環路線が設定できないこと、運行日が火曜日と金曜日限定で乗車機会が免許維持路線レベルで乏しかったこと(2023年度は金曜日のみ運行)、そもそも調布市北部で完結する移動に需要が無かったことなどが原因で[3]、市民の声を受けデマンドタクシー「のるーと調布」による実証実験に置き換わる形で廃止されている[4]。
歴史[編集]
- 2020年(令和2年)11月16日:調37系統を15.5往復から2.5往復へ大幅に減便[1]。これを受け、調布市ではワゴン車を活用した対象地域内を巡回する公共交通(実証実験)の導入に向けた検討を開始する[3]。
- 2022年(令和4年)
- 1月28日:実証実験開始に伴い開業する[5]。当初は65歳以上の高齢者のみが乗車可能であった。この時点では実証実験の期間は1年間を予定していた。
- 4月22日:調布市クリーンセンター(清掃工場)の跡地に、商業施設「ブランチ調布」が開業することに伴い、調37系統をブランチ調布まで延伸。これに伴い、従来の起終点であった東八道路上の「都営深大寺住宅」停留所は調布駅方面のみの停車となる。なお、これに伴う調36系統(上ノ原循環)のダイヤ変更はない[6][7]。
- 5月17日:停留所にブランチ調布バス停留所を追加する[5]。
- 7月1日:停留所にクリエイトバス停留所(クリエイトエス・ディー調布深大寺東町店駐車場内)を新設・追加する[5]。
- 10月1日:北部地域巡回公共交通の年齢制限を撤廃し「65歳以上の高齢者以上に限り乗車可能」という利用条件が廃止される[2]。
- 12月5日:令和4年度(2023年3月31日まで)をもって、北部地域巡回公共交通の実証実験運行を一旦終了することを発表[2]。同年度内の調布市議会において、実証実験運行の終了後は、受益者負担の観点からの有料化[8]、定時定路線からデマンド型交通への移行[8][9]などを検討するとした。
- 2023年(令和5年)
停留所一覧[編集]
いずれの停留所も鉄道駅との乗換はない。
停留所名 | バス乗換 | 備考 |
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南台 | 調37・鷹61・鷹62(⇒深大寺市営住宅バス停留所) | トップフレッシュマーケット深大寺店・マツモトキヨシ調布深大寺店駐車場内 新設停留所 |
日本消防検定協会前 | 調37 | |
深大寺東町六丁目 | ||
野ヶ谷ふれあいの家入口 | ||
ブランチ調布 | 2022年(令和4年)5月17日より停車 | |
都営深大寺住宅前 | 鷹58 調37(⇒都営深大寺住宅バス停留所) |
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吉野東 | 鷹58 | |
吉祥寺病院 | 新設停留所 | |
花水木前 | 新設停留所 | |
市立図書館深大寺分館 | 深大寺保育園前の交差点から北に15メートル地点 新設停留所 | |
山野公園 | 吉06・鷹56(⇒山野バス停留所) | 調布北高校南交差点から南に70メートル地点・篠宮農園前 新設停留所 |
深大寺地域福祉センター | 新設停留所 | |
神代植物公園北 | 神代植物公園北交差点から北に160メートル地点 新設停留所 | |
神代植物公園前 | 吉04・吉05・吉06・鷹56・鷹65 丘21・調34(⇒神代植物公園バス停留所) |
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調布市総合体育館前 | 吉04・吉05・丘21・調34・鷹65 | |
クリエイト | クリエイトSD調布深大寺東町店駐車場内 2022年(令和4年)7月1日より停車・新設停留所 | |
深大寺東町五丁目 | セブン-イレブン調布深大寺東5丁目店前のT字路を北西に130メートル地点 新設停留所 | |
梅の湯 | 新設停留所 | |
深大寺東町六丁目 | 調37 | |
日本消防検定協会前 | ||
南台 | 調37・鷹61・鷹62(⇒深大寺市営住宅バス停留所) |
脚注[編集]
- 出典
- ↑ a b c d “ミニバス北路線・東路線運行便数の変更”. 調布市 (2020年11月6日). 2025年6月11日確認。
- ↑ a b c (運行期間を3月31日(金曜日)まで延長・年齢制限なし)北部地域巡回公共交通の実証実験 2022年12月5日更新、2023年3月9日閲覧(2023年3月9日時点のウェブアーカイブ)
- ↑ a b c “北部地域公共交通に関する新たな実証実験について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 令和5年度第1回調布市公共交通活性化協議会, (2023年8月24日) 2025年8月23日閲覧。
- ↑ a b “【東京都で初導入・巡回バスからの転換】東京都調布市において『のるーと調布』の運行開始”. ネクスト・モビリティ株式会社 (2024年1月24日). 2025年8月22日確認。
- ↑ a b c “北部地域巡回交通(実証実験)について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 調布市, オリジナルの2025年8月22日時点によるアーカイブ。 2025年8月22日閲覧。
- ↑ “クリーンセンターの跡地に新たな施設がオープンします! BRANCH調布 4/22(金)オープン”. 市報ちょうふ 1708号. 調布市 (2022年4月5日). 2022年4月5日確認。
- ↑ ブランチ調布の開業に伴う調布市ミニバス北路線(調37系統)の延伸 調布市、2022年4月18日、2022年6月5日閲覧。
- ↑ a b “調布市議会だより 第250号 4頁「学校施設の改善計画とミニバス北路線と地域巡回交通について問う」”. 調布市ホームページ. 調布市議会 (2022年8月5日). 2023年3月9日確認。
- ↑ “調布市議会だより 第252号 3頁「北部地域のまちづくりと空き家・空き地の適正管理について」”. 調布市ホームページ. 調布市議会 (2023年2月5日). 2023年3月9日確認。
- ↑ a b “北部地域巡回公共交通の無料実証実験終了に伴う令和5年4月以降の対応”. 調布市 (2023年4月7日更新). 2023年8月6日確認。
- ↑ a b “北部地域におけるデマンド型交通実証実験の運行” (日本語) (プレスリリース), 調布市, (2024年1月30日), オリジナルの2025年4月30日時点によるアーカイブ。 2025年8月23日閲覧。
- 注釈
調布市北部地域巡回公共交通(廃止)の停留所一覧 |