試衛館
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試衛館(しえいかん)は江戸時代の天然理心流の剣道道場である。
修業時代[編集]
試衛館は新選組の中心人物が浪士隊に参加する以前に剣術修行をしていた道場である。天然理心流三代目の近藤周介が1839年(天保10年)、江戸市谷柳町に開設した。 近藤勇は1848年(弘化5年)15歳で試衛館道場の近藤周助に入門した。後に新選組の主力となる土方歳三、沖田総司、山南敬助、永倉新八、藤堂平助、原田左之助、井上源三郎らが試衛館で剣道修行を行っていた。試衛館は近藤家の住居も兼ねていた。近藤勇が京都に向かった後は、佐藤彦五郎が試衛館を引き継ぎ、1867年(慶応3年)まで存続した。
名称[編集]
試衛館の名は小島鹿之助が近藤勇と土方歳三の事績を記した『両雄士伝』に『構場(号試衛)江都市谷柳街』と書かれることが根拠である。なお、実際に当時において試衛館という名称だったのかは異論がある。
剣道[編集]
試衛館での剣道の実力は天才剣士の沖田総司と実戦剣道の永倉新八が双璧だったとする見方が多い。
跡地[編集]
江戸市谷甲良屋敷にあったとされるが、試衛館の正確な位置は不明である。『新選組始末記』(子母澤寛)には、「道場は三間に四間の稽古場と、外に住居がついて試衛館といっていた」と書かれる[1]。市谷甲良屋敷は江戸の古地図に掲載されているので、およその場所は判明している。現在、「東京都新宿区市谷柳町25」に碑が建っている[2]。新宿区教育委員会が建てた碑である。「新選組近藤勇の道場「試衛館」は市ヶ谷甲良屋敷内のこのあたりにありました」と書かれる。