死ぬまでに観たい映画1001本
テンプレート:Infobox book 『死ぬまでに観たい映画1001本』(しぬまでにみたいえいがせんいっぽん、英語: 1001 Movies You Must See Before You Die)は、スティーヴン・ジェイ・シュナイダーが編集し、70人以上の映画評論家が各映画について寄稿したオリジナルの随筆を収録した映画参考書、および同書に掲載されている映画、短編映画、テレビシリーズといった映像作品の総称である。
ロンドンを拠点とするQuintessence Editionsが企画・制作したシリーズの一つで、英語版はカッセル(英国)、ABC Books(オーストラリア放送協会の出版部門)、Barron's(米国)から出版された。初版は2003年に出版され、最新版は2021年12月14日に出版された。
2003年にオーストラリアで最初に出版され大成功を収め、 2004年4月には7番目のベストセラーとなった[1]。
各作品にはあらすじと短い評論が添えられており、中には写真付きのものもある。2021年版は1902年のジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』から始まり、2020年のクロエ・ジャオの『ノマドランド』で終わる。
日本語をはじめ、ドイツ語、フランス語、スウェーデン語、ハンガリー語、デンマーク語、トルコ語、スペイン語、ポルトガル語など、さまざまな言語版に翻訳され、出版されている。
概要[編集]
本書は、読者の好奇心を刺激し、映画への関心を高めることを目的として編集されている。収録された作品は、特定のジャンル、国、時代に偏ることなく、映画史における傑作、貴重な作品、重要な作品を幅広く取り上げ、映画の全体像を捉えられるような構成になっている[2]。
掲載された映像作品の形式はほとんど長編映画、短編映画だが、ポーランドの『デカローグ』とデンマークの『キングダム』というテレビシリーズも2つだけ選出された。長編、短編双方に実写劇映画、ドキュメンタリー映画、アニメーション映画が含まれている[2]{。
劇映画のジャンルとしてはSF、フィルム・ノワール、ミステリー、スリラー、ホラー、ファンタジー、伝記、ミュージカル、アクション、西部劇などが幅広く揃えられている[2]。
掲載作品の国籍も幅広く、アメリカ、フランス、イギリスといった国際的に有名な作品の多い国を中心としながらも、エジプト、キューバ、セネガル、サウジアラビアといった、世界的に見て映画産業があまり盛んでない国の作品も存在する[2]。
掲載作品の特徴[編集]
大衆向けの映画と文芸映画、超大作と低予算映画のどちらにも偏らず、多岐にわたる特徴を持つ作品が選出されている[2]。
- ハリウッドの超大作:『ジュラシック・パーク』『タイタニック』『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
- ヨーロッパのアートシネマ:『ラストタンゴ・イン・パリ』『情事』『二十四時間の情事』
- ポピュリスト傾向の強い作品:『トップガン』『レインマン』『ビッグ』『E.T.』
- 思想的・倫理的に価値を持つ作品:『國民の創生』『怪物團』『意志の勝利』『ソドムの市』
- カルト映画:『エル・トポ』『セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身』『世界残酷物語』『ピンク・フラミンゴ』
- ブラック・スプロイテーション映画:『スウィート・スウィートバック』『黒いジャガー』『スーパーフライ』
- 知名度の高い世界の傑作:『市民ケーン』『レイジング・ブル』『ゴッドファーザー』『羅生門』『戦艦ポチョムキン』
- アンダーグラウンド作品:『スコーピオ・ライジング』『燃え上がる生物』『Hold Me While I'm Naked』
- 実験映画:『波長』『Heaven and Earth Magic』『ヴィニール』
さらに世界中の映画運動の作品を網羅しており、ドイツ表現主義、イタリアのネオレアリズモ、フランスのヌーヴェルヴァーグ、インドのパラレル映画、ポーランド派、チェコ・ヌーヴェルヴァーグ、日本ヌーヴェルヴァーグ、イギリスのブリティッシュ・ニューウェーヴ、ブラジルのシネマ・ノーヴォ、アメリカン・ニューシネマ、西ドイツのニュー・ジャーマン・シネマ、イラン・ニュー・ウェイヴ、デンマークのドグマ95など20世紀以降の主要な潮流をそれぞれ代表する作品が精選されている。
年代[編集]
最も古い掲載作品は1902年製作、ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』で、サイレント映画の黎明期から、最新のデジタル時代に至るまで、映画の技術と表現の進化を辿る構成となっている。各年代の作品が広く選ばれているが、世界的に映画運動が盛んだった1950年代末~1970年代初頭の作品が、相対的に多く掲載されている。また、2000年代以降の作品は、改訂のたびに大きく入れ替わるため、1つのエディションに掲載される作品数は比較的少ない。
エディション[編集]
英語版[編集]
2003年の初版以降毎年改訂され、2021年版までが出版されている。複数の国で複数の出版社から販売されており、左側の表記年と出版年は必ずしも一致しない。同じバージョンでも表紙が異なることがあるが、掲載されている作品は同じである。
表紙[編集]
- 2021年版:マ・レイニーのブラックボトム(アメリカ版)[注 1]、TENET テネット(イギリス版)[注 2]
- 2020年版:ジョーカー[注 3]
- 2019年版:アリー/ スター誕生(アメリカ版)[注 4]、女王陛下のお気に入り(イギリス版)[注 5]、グレイテスト・ショーマン(オーストラリア版)[注 6]
- 2018年版:ブレードランナー 2049[注 7]
- 2017年版:メッセージ(アメリカ版)[注 8]、ムーンライト(イギリス版)[注 9]
- 2016年版:レヴェナント: 蘇えりし者[注 10]
- 2015年版:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(ペーパーバック版[注 11]。ハードカバー版[注 12]はポスターのモンタージュ)
- 2014年版:ゼロ・グラビティ[注 13]
- 2013年版:ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日[注 14]
- 2012年版:裏切りのサーカス[注 15]
- 2011年版:ブラック・スワン(アメリカ版)[注 16]、インセプション(イギリス版)[注 17]
- 2010年版:アバター[注 18]
- 2009年版:ダークナイト[注 19]
- 2008年版:インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説[注 20]
- 2007年版:スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還[注 21]
- 2006年版:シャイニング[注 22]
- 2005年版:シャイニング[注 23]・パルプ・フィクション[注 24](イギリス版)
- 2004年版:サイコ[注 25]
- 2003年版:サイコ[注 26]
日本語版[編集]
日本では、ネコ・パブリッシング社により、以下の日本語版が出版されている。
- 『死ぬまでに観たい映画1001本 第五版』:
- 掲載作品は2021年版に、『吸血鬼ドラキュラ』『アメリカン・ビューティー』『アイダよ、何処へ?』『スーヴェニア 私たちが愛した時間』、『The Souvenir Part II』『DUNE/デューン 砂の惑星』『ドライブ・マイ・カー』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『秘密の森の、その向こう』『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』『MEMORIA メモリア』『コーダ あいのうた』の12作品を加え、『偶然の旅行者』『アイズ ワイド シャット』『存在のない子供たち』『アシスタント』『フェアウェル』『ジョーカー』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『MONOS 猿と呼ばれし者たち』『ヴァスト・オブ・ナイト』『マ・レイニーのブラックボトム』『ソウルフル・ワールド』『TENET テネット』の12作品を除いたもの[2]。(表紙:2001年宇宙の旅)2022年11月11日発売[注 27]
- 『死ぬまでに観たい映画1001本 第四版』:掲載作品は2019年版と同じ(表紙:グレイテスト・ショーマン)2020年3月30日発売[注 28]
- 『死ぬまでに観たい映画1001本 改訂新版』:掲載作品は2014年版と同じ(表紙:ゼロ・グラビティ)2015年1月10日発売[注 29]
- 『死ぬまでに観たい映画1001本 改訂新版』:掲載作品は2011年版と同じ(表紙:ブラック・スワン)2011年9月10日発売[注 30]
- 『死ぬまでに観たい映画1001本』:掲載作品は2004年版と同じ(表紙:サイコ)2004年12月20日発売[注 31]
改訂時の入れ替え[編集]
改訂に際しては、掲載作品の入れ替えが行われている。英語版では通常、改訂時から数年~十数年前に製作された作品を数本~十数本削除し、直近のものを中心に同数の作品が追加される。例外として2013年版では、これ以外に20世紀の作品30本あまりを入れ替える大幅な改訂が行われた[3]。
本数について[編集]
本書のタイトルは『死ぬまでに観たい映画1001本』であるが、2008年版以降は1001本を超える作品が掲載されている。その理由は以下のシリーズ作品が「1本」としてまとめてカウントされたからである[2]。
- 『トイ・ストーリーシリーズ』:2003年版から1作目の『トイ・ストーリー』が掲載され、2013年版からは『トイ・ストーリー2』と『トイ・ストーリー3』を加えた『トイ・ストーリー3部作』として、2020年版以降はさらに『トイ・ストーリー4』を加えた『トイ・ストーリー4部作』としてまとめて掲載された。
- 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ:2003年版と2004年版では1作目の『ロード・オブ・ザ・リング』のみが掲載され、2005年版では『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』と『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』がそれぞれ個別の作品として加えられた。2006年版と2007年版では『王の帰還』のみが掲載され、2008年版以降は『ロード・オブ・ザ・リング3部作』として3本まとめて掲載された。
- 『アベンジャーズ』シリーズ:2019年版では『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が掲載され、2020年版では『アベンジャーズ/エンドゲーム』と併せて『アベンジャーズ終章2部作』として掲載された。2021年版では除外された。
以上より、各エディションの掲載本数は以下の通り。
| 2003年版 | 2004年版 | 2005年版 | 2006年版 | 2007年版 | 2008年版 | 2009年版 | 2010年版 | 2011年版 | 2012年版 | 2013年版 | 2014年版 | 2015年版 | 2016年版 | 2017年版 | 2018年版 | 2019年版 | 2020年版 | 2021年版 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1001 | 1001 | 1001 | 1001 | 1001 | 1003 | 1003 | 1003 | 1003 | 1003 | 1005 | 1005 | 1005 | 1005 | 1005 | 1005 | 1005 | 1007 | 1006 |
掲載作品一覧[編集]
以下の表は、これまで本書の英語版に掲載されたことのある作品の一覧である。邦題が存在しない作品は、英語版のタイトルを記してある。複数の邦題を有する作品については併記してある[2]。
統計[編集]
出典:[2]
以下は日本語版である『死ぬまでに観たい映画1001本 第五版』における掲載作品の多い(4本以上)監督と、国別の掲載作品数の一覧である。
| 監督 | 本数 |
|---|---|
| 16 | |
| 10 | |
| 10 | |
| 9 | |
| 9 | |
| 8 | |
| 8 | |
| 8 | |
| 8 | |
| 8 | |
| 7 | |
| 7 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 6 | |
| 5 | |
| 5 | |
| 5 | |
| 5 | |
| 5 | |
| 5 | |
| 5 | |
| 5 | |
| 5 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 |
| 国 | 本数 |
|---|---|
| 572 | |
| 157 | |
| 101 | |
| 72 | |
| 62 | |
| 30 | |
| 19 | |
| 19 | |
| 16 | |
| 14 | |
| 14 | |
| 13 | |
| 13 | |
| 13 | |
| 10 | |
| 9 | |
| 9 | |
| 9 | |
| 9 | |
| 9 | |
| 8 | |
| 8 | |
| 8 | |
| 7 | |
| 6 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 4 | |
| 3 | |
| 2 | |
| 2 | |
| 2 | |
| 2 | |
| 2 | |
| 2 | |
| 2 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 | |
| 1 |
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ OCLC 1191798232
- ↑ OCLC 1442257415
- ↑ OCLC 1227469320
- ↑ OCLC 1112375996
- ↑ ASIN: 1788401778
- ↑ OCLC 1121208853
- ↑ OCLC 1108041919
- ↑ OCLC 972773850
- ↑ OCLC 1190901808
- ↑ OCLC 967496885
- ↑ ASIN: 1844038793
- ↑ OCLC 975901903
- ↑ OCLC 894758931
- ↑ OCLC 863433312
- ↑ OCLC 796279948
- ↑ OCLC 1300776664
- ↑ OCLC 1026226312
- ↑ OCLC 780558191
- ↑ OCLC 403468162
- ↑ OCLC 441740595
- ↑ OCLC 156860159
- ↑ OCLC 70264485
- ↑ OCLC 987932119
- ↑ ASIN: 1844034259
- ↑ ASIN: B0164K25OI
- ↑ OCLC 54356063
- ↑ ASIN: 4777055159
- ↑ ASIN: 4777054527
- ↑ ASIN: 4777053083
- ↑ テンプレート:NDLBibID
- ↑ ASIN: 4777050661
出典[編集]
- ↑ “BEST SELLERS - The Sunday Telegraph - Australia - Newstext”. en:The Daily Telegraph (Sydney). (2004年4月18日) 2025年11月4日閲覧。
- ↑ a b c d e f g h i スティーヴン・ジェイ・シュナイダー 2022.
- ↑ 『1001 Movies You Must See Before You Die』 スティーブン・ジェイ・シュナイダー、Barron’s、2013年。ISBN 9780764166136。
参考文献[編集]
- 『死ぬまでに観たい映画1001本』 スティーヴン・ジェイ・シュナイダー、野間けい子訳、ネコ・パブリッシング、2022年9月30日、5。ISBN 9784777055159。
外部リンク[編集]
- 1001 Movies You Must See Before You Die - ウェイバックマシン(2018年2月8日アーカイブ分) from Barron's Educational Series, with A Peek Inside
- 1001 Movies You Must See Before You Die (All Editions Combined) from IMDb(英語)(本書に掲載された映像作品のリスト)