杉並三駅

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杉並三駅(すぎなみさんえき)は、中央線西荻窪駅阿佐ケ谷駅高円寺駅の3駅の蔑称。中央快速線中央・総武線各駅停車が停車するが、休日ダイヤの快速線は全列車が通過するため、快速線ホームは閉鎖される。

経緯[編集]

1960年代に中央線の複々線化が行われた際、当時の国鉄はこの3駅を通過する予定だった。しかし、土地を提供した地元住民からの猛反発から、3駅に停車するとの覚書が締結された。この状況が現在も続いているが、通勤五方面作戦で複々線化された他路線と比較して快速運転が行われる区間がかなり短いことから、停車不要との主張が根深い。さらにネットでは三駅に対する誹謗中傷やネガティブキャンペーンも後を絶たず、中には平日に快速のホームに降りた人に「不法侵入だ」と決めつけ晒すという自粛警察さながらの行動まで確認されている。結果的に「杉並三駅はかなり嫌われている」というすごく悪いイメージが付いてしまう風評被害を被ってしまっている。

この区間は線路別複々線であるため快速から各駅停車への乗り換えが不便であり、方向別複々線であれば地元の反発は生じなかったであろうとの意見もある。ただし、通勤五方面作戦において方向別複々線が採用されたり[1][2]、JR化後に修正された例はない。

一応中央特快があるため、多摩地区から東京への優等列車アクセスは確保されているが、杉並三駅停車により列車密度が高いがために他の通勤五方面路線区ほどのスピードアップができていない。

このようにデメリットが目立つ杉並三駅への快速電車停車だが、実は解決策がある。それは中央線の複々線区間を三鷹 - 立川間で延伸することである。杉並区と国鉄が締結した覚書では、立川までの複々線が開業するまでの暫定措置として三駅への快速停車を行うという趣旨の文言があり、要は複々線の延伸さえすれば簡単に解決する話なのである。しかしながらお察しの通り複々線化にJRは消極的で、これからの多摩地域の人口減少を鑑みると費用対効果は薄いと判断しているようであり、これでは当面は解決しないことになる。だが仮に立川まで複々線延伸を行うと、三駅停車解消、それによる中野以西の劇的な速達化[3]、線路容量逼迫の解消による特急列車の増発や速達化などがメリットとして挙げられる。訪日外国人観光客の増加で富士回遊をはじめとした中央本線特急の利用が増加している昨今、多摩地域全体の未来を見据えた投資としても今からでも遅くないのではないだろうか

比較[編集]

路線 快速運転区間 距離 並行する緩行線
JT 東海道線 東京駅 - 横浜駅 - 戸塚駅 40.9 km JK 京浜東北線(東京 - 横浜)
JO 横須賀線(横浜 - 戸塚)
JO 総武快速線 錦糸町駅 - 千葉駅 34.4 km JB 中央・総武線各駅停車
JJ 常磐快速線 北千住駅 - 綾瀬駅 - 我孫子駅 26.1 km C東京メトロ千代田線JL 常磐線各駅停車
JU 宇都宮線高崎線 東京駅 - さいたま新都心駅 28.7 km JK 京浜東北線[* 1]
JC 中央快速線(休日) 御茶ノ水駅 - 吉祥寺駅 19.9 km JB 中央・総武線各駅停車
JC 中央快速線(平日) 御茶ノ水駅 - 中野駅 12.1 km
おまけ
TS スカイツリーライン 北千住駅 - 新越谷駅 15.1km [** 1]
NH 名鉄名古屋本線 鳴海駅 - 堀田駅 6.0 km [** 2]
KH 京阪本線 天満橋駅 - 寝屋川信号所 12.6 km [** 3]
  1. 上野駅から赤羽駅を同一の東北線として換算したときの営業キロ。東京駅 - 上野駅と赤羽駅 - さいたま新都心駅とした場合、前者が4.2 km、後者が15.5 kmの19.7 kmとなる。
  1. 複々線区間における優等列車(区間準急)が通過運転を行う区間。なお多くの時間帯では区間準急よりも停車駅が少ない準急・急行がメインで運行されている。
  2. 名古屋市南区四駅は全優等種別が標準通過駅
  3. 淀屋橋中之島線中之島)- 天満橋 - 萱島間で複々線を用いての緩急分離ダイヤ

脚注[編集]

  1. これらの路線では朝ラッシュ時は都心方向、夕ラッシュ時は逆方向が混雑することから、方向別ホームを採用すると2つのホームが朝夕に片方ずつ大混雑するところ、路線別ホームの場合は両ホームに混雑を分散でき、最混雑時に必要なホーム幅を節約できる。また、方向別複々線の場合は工事中の線路の切り替えが複雑になるといった問題や、貨物ヤードへの引き上げ線の配置が大掛かりになるというデメリットもあったため、迅速な複々線化完了のためには線路別複々線の採用が必須であった。
  2. 関西でほぼ同時期に複々線化されたJR神戸線の兵庫(新長田)〜西明石間も線路別複々線が採用された。
  3. 場合によっては最高速度引き上げが見込まれ、立川・八王子周辺からの対首都圏の所要時間が劇的に短縮されることになる。

関連項目[編集]

  • 千歳烏山駅 - 京王線の駅。特急が停車するようになりもはや杉並三駅同等の扱いを受けている。しかし、経緯はほぼ真逆といってもいい(杉並三駅は周辺民からの激しい要望だったのに対し、千歳烏山駅は完全に鉄道会社の独断で周辺民はむしろ消極的だった)。
  • 天王台駅 - 常磐線の駅。杉並三駅と同様、地元からの要望により快速停車を存置。そのため緩行線は天王台を挟んで「日本一の無駄使い」状態になっている。
  • 峡東三駅 - 同じ中央線内でもこちらは特急に関する問題。
  • ムカつく列車の停車駅の一覧 - 杉並三駅と先述の千歳烏山駅も取り上げられている。