リュードベリの公式

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リュードベリの公式とはバルマーの公式を一般化したものであり、水素スペクトル線波長を計算することを可能にする公式である。

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1889年スウェーデンの物理学者のヨハネス・リュードベリは、この公式を用いて、水素の全ての遷移(可視スペクトルの一部にあるバルマー系列L(n=2)だけでなく、紫外線領域のライマン系列K(n=1)、及び赤外線領域のプント系列M(n=3)ブラケット系列N(n=4)ハンフリーズ系列P(n=6)) に対するバルマーの公式を一般化した。

1λ=RH(1n21m2)

この2つの項の差がスペクトル線となり、これらは遷移における原子エネルギー準位を表す。

n=2の場合、バルマー系列は次のようになる。

1λ=4B(141m2)=RH(141m2)
m=3,4,5,6,7...

量子数nが一定でmが変化する場合、水素のさまざまなスペクトル系列が得られる。

水素スペクトル系列
軌道 量子数n 量子数m スペクトル系列 最小波長 最大波長
λmin=n2/RH=n291 nm α (mn=1)
K 1 2 ライマン系列 91 nm 121 nm
L 2 3 バルマー系列 365 nm 656 nm
M 3 4 パッシェン系列 820 nm 1.874 nm
N 4 5 ブラケット系列 1.458 nm 4.051 nm
O 5 6 プント系列 2.278 nm 7.456 nm
P 6 7 ハンフリーズ系列 3.281 nm 12.365 nm

リュードベリ=リッツの公式[編集]

1908年、物理学者のヴァルター・リッツは、リュードベリ=リッツの公式を用いて、水素以外の元素にもリュードベリの公式を一般化した。

1λ=RM[1(n+a)21(m+b)2]
  • RM=ある化学元素に対するリュードベリ定数
  • a,b=各元素の特性パラメータ(水素の場合はいずれも0)

各元素はそれぞれ固有のリュードベリ定数RMを有する。すべての水素原子(つまり、最外殻軌道に電子が1つしかない原子)について、RMは「無限遠」のリュードベリ定数から、次のように導出できる。

RM=R1+meM

例えば水素原子の場合、

RH=R1+memp=R1+11836=0.999,455,634R

「無限遠」におけるリュードベリ定数は、

R=mecα24π=mee48ε02h3c=1.097,373,156,850,8(65)×107m1