リュードベリ定数とは原子スペクトルの計算に使われる物理定数であり、特に水素原子のスペクトル線の波長を決定するのに用いられる。記号は
と表される。
スウェーデンの物理学者のヨハネス・リュードベリにちなんで名付けられた。リュードベリは水素などの元素の発光スペクトルに特定の規則性があることを発見し、その規則を表す式を導入した。
現在、リュードベリ定数の数値は以下のようになっている。

=電子の質量
=電気素量
=微細構造定数
電気定数
=プランク定数
=光速
これはエネルギー定数にも変換できる。

この定数は原子物理学でよく使われており、原子核の質量が最大限と見なされる水素類似系のイオン化エネルギーに対応する。水素原子では、電子の質量によってわずかな補正が生じ、イオン化エネルギーは以下のように表される。

ここで、
は原子核中の陽子の質量である。
また、リュードベリ定数を反転させると、

となる。ここで、
は電子のコンプトン波長を表す。
さらにリュードベリ定数は以下のようにしても表すことができる。

関連項目[編集]