フェルミ準位

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フェルミ準位とは熱平衡状態にある物質における、電子が占めるエネルギー準位のことで、電子がその準位上で50%を占める状態のことである。名前はイタリアの物理学者のエンリコ・フェルミにちなむ。

公式[編集]

フェルミ準位は以下のような式で定義される。

=電子のエネルギー
=ボルツマン定数
=絶対温度(K)

また、フェルミ準位はで表されることもある。

絶対零度[編集]

絶対零度(0K)ではフェルミ準位よりも低いエネルギー準位は全て電子で満たされ、それ以上のエネルギー準位は全て空となる。

金属[編集]

金属におけるフェルミ準位は、価電子帯が部分的に占有されており、その途中に位置する。電子はフェルミ準位近くの状態に励起されやすいため、電気伝導度が高い。

半導体[編集]

フェルミ準位の禁制帯における位置(伝導帯価電子帯の間)によって半導体の材質が決まっているため、半導体工学では重要なものとなっている。

真性半導体

フェルミ準位が禁制帯のほぼ中間地点に存在する。

n型半導体

フェルミ準位が伝導帯寄りに存在する。

p型半導体

フェルミ準位が価電子帯寄りに存在する。

化学ポテンシャル[編集]

絶対零度におけるフェルミ準位は、理想フェルミ気体における化学ポテンシャルそのもので、同義視できる。

関連項目[編集]