自然放出

自然放出とは原子、原子核、分子、またはその他の光源が励起状態からより低いエネルギーの定常状態に遷移しながら、自発的に光子を放出する過程である。これは、別の励起状態ないしは基底状態である。

概要

原子や原子核などの光源がエネルギー$E_{2}$の励起状態にあり、エネルギー$E_{1}$の新しい状態に崩壊する場合、エネルギーの差は光子のエネルギー量に相当する。

$E_{2}-E_{1}=h\nu$

• $h$=プランク定数
• $\nu$=周波数

自然放出は外的要因なしに発生し、光子の位相と方向は無作為である。これはレーザーで用いられる誘導放出とは対照的である。誘導放出では、原子が電磁場と相互作用し、電磁場にエネルギーを放出する。

励起された光源が一定時間内に崩壊する確率は一定であり、その数は放射性崩壊と同様に、一定の半減期を経るにつれて指数関数的に減少していく。

逆に、光子が捕獲され原子がさらに励起された状態に移行する過程は減衰と呼ばれる。

原子の可能なエネルギー状態は、放出される光子の可能なエネルギー量、ひいては可能な光子周波数を決定する。これが、各元素が独自のスペクトル線を持ち、それを用いて物質を識別できる理由である。

関連項目

• 誘導放出