国鉄シキ800形貨車

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国鉄シキ800形貨車は、2026年現在も運用中の、変圧器輸送を専門とする貨車

概要[編集]

1973年1974年1996年に、それぞれシキ800・シキ801・シキ810が日本車輌製造により1両ずつ製造された。このうちシキ800は2019年11月の運用を最後に廃車となり、シキ810もそれ以前の2009年に(書類上)廃車となっているため、2019年以降は現存する車両はシキ801のみであることになる。

現在運用中のシキ801は日本通運所有の私有貨車で、普段は栃木県小山駅に停留している。

登場の経緯[編集]

発電所変電所に設置される特大の変圧器は、車両限界を超える大きさになることが多く、鉄道貨物で輸送する際は専用の大物車が必要とされてきた。かつては各重電メーカーがそれぞれ専用の貨車を保有していたが、こうした貨車は利用頻度が低く、稼働率の低さが課題となっていた。

そこで、メーカーの垣根を越えて共通で利用できる貨車として開発されたのがシキ800形である。ただし変圧器はメーカーごとにヒンジ(吊り下げ用の金具)の形状や寸法が異なるため、そのままでは複数メーカーの製品に対応できない。そこで、アタッチメントとなる継手を介して側梁部分を可動式にすることで、異なる形状・寸法のヒンジにも対応できるよう設計された。

この汎用性を実現する中核が、荷受梁(貨物を載せる構造物)の可変・交換構造である。シキ800形では製造当初から複数タイプの荷受梁が用意されており、積荷の形状に応じて使い分けられる仕組みになっている。

仕様
B1梁 荷受梁左右の位置をハンドル操作で手動調整できる。ヒンジ穴も上下2箇所用意され、幅広い積荷・継手に対応する。
B2梁 B1梁と同様に左右の幅を調整できるが、手動ハンドルではなく油圧ジャッキ式を採用している。
C梁(中間梁) 前後のB2梁で支持される構造で、単独では使用できない。変圧器を吊り下げる分割落し込み式の輸送に用いられる。

こうして、シキ800形は特定のメーカー専用ではなく、荷受梁を積み替えることで様々な形状・重量の変圧器に対応できる汎用貨車として1973年に登場した。

所有と廃車の沿革[編集]

シキ800・シキ801は当初から日本通運の私有貨車であった。一方でシキ810はもともと東芝物流の私有貨車として製造された。2006年に名義上は日本通運へ変更されたが、車両表記自体は東芝物流のまま変更されなかった。

1996年製のシキ810は2009年に廃車となり、台車・台枠・まくら枠・ブレーキ装置などの足回り部品がシキ801へ提供された。廃車の公式な理由が明文化された資料は見当たらないが、以下のような事情が関係しているのではないかとみられている。

  • シキ800・シキ801が当初から日本通運所有として一貫した車籍を持っていたのに対し、シキ810は東芝物流由来という異なる出自を持つ車両だった。
  • 3両体制を維持するよりも、稼働率の低い大物車を1両に集約した方が保有・管理コストの面で合理的だった。
  • 車籍を存続させる車両として選ばれたのは、より単純な所有関係にあったシキ801であり、シキ810は車籍上廃車としたうえで、実用可能な部品のみをシキ801に継承させる形が取られた。

この結果、書類上(車籍)はシキ801が存続する形になったが、足回りの実態はほとんどが元シキ810の部品で構成されることとなった。

荷受梁についても複雑な経緯を辿っており、現在のシキ801の部材は以下の通り。

部材 由来 備考
B1梁 元シキ800 1974年のシキ801製造時に転用され、以後シキ801用として使用
B2梁 元シキ810 2009年のシキ810廃車時にシキ801へ移植
C梁(中間梁) 共用部品
足回り(台車・台枠・まくら枠・ブレーキ) 元シキ810 2009年のシキ810廃車時に移植

運用[編集]

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シキ800形は変圧器輸送という特殊な用途のため運用頻度が低く、そのうえ重厚な見た目をしていることから、走行する際は毎回のように撮り鉄から注目を集める。

  • 2024年8月27日 - 午前4時30分に北旭川駅に姿を現し、20時30分にクレーン車を二台使って荷下ろしをした。車体は何も積んでいない状態で26メートル、変圧器搭載時は33メートルとなり、重さは80トンになった。青函トンネルを経て苫小牧へ向かい、苫小牧‐旭川までの道のりを変圧器を搭載して走った。

参考文献[編集]

- 『北海道新聞』2024年11月17日発行 撮り鉄伊丹のきょうも鉄分多めです 14面 北海道新聞社