デシベル
ナビゲーションに移動
検索に移動
デシベル(単位記号:dB)は、諸物理量の基準量との比を表すときの対数の取り方を表す単位。 底は10で、その対数値に10倍したものを示す。
概要[編集]
音響工学や電気工学、振動工学で比を表すのに使われる。身近な例には音の大きさがある。 比であるので無次元量を表すが、基準量が自明であれば次元をもつかのようにも使用される。 対数で表記しているので、0dBや-10dBのような負の値もあり得る他、大きなdb値では少し違うだけで桁違いの差がある。 音で言えば、0dBや-10dBはほぼ無音であり、100dB程度が通常使われる最大で、400dBにもなるとほぼあり得ない空気そのものが破壊される(?)レベルである。
音響工学[編集]
基準量が自明なものとして、以下のようなものがある。
- dBSPL(音圧):媒質が空気での基準量は20µPa。20µPaは人間の1kHzでの最小可聴値とされていたことによる。
- dBSPL(エネルギー):基準量は1pW/m^2。
- dBFS(デジタル値):アナログ音声には用いず、デジタル音声のみに使う。基準量は規格上の最大。よって、上限は通常0dBFS。ただし、正弦波以外の波形も考えると、実効値は0dBFSを超える場合もある。
電気工学[編集]
基準量が自明なものとして、以下のようなものがある。
- dBW,dB(W)(電力):基準量は1W。
- dBm,dB(mW)(電力):基準量は1mW。
- dBp,dB(fW)(電力):基準量は1pW。
- dBf,dB(pW)(電力):基準量は1fW。
- dBV,dB(V)(電圧):基準量は1Vr.m.s。
- dBµV,dB(µV)(電圧):基準量は1µVr.m.s。特に無線通信で使われる。
- dBv,dBu,dBs(電圧):基準量は775mVr.m.s。特に音響機器で使われる。dBVとの混同をさせるために一般的にはdBuを、NHKではdBsを使用する。
- dBi(アンテナの利得):基準量はアイソトロピックアンテナの利得。
- dBd(アンテナの利得):基準量はダイポールアンテナの利得。
また、インピーダンスを一定とすると、電力は電圧の2乗に比例するので、電力のゲインは
となって、電圧で電力のゲインを示すときは10倍ではなくて20倍になる。 ただし、はそれぞれ電力と電圧で、下付き添え字は入出力(in,out)を示す。
電力の利得をdB表記したようなものを使った指標に次のようなものがある。
- SNR:SN比,信号対雑音比とも。信号と雑音の比である。
- SFDR:信号と最大高調波(スプリアス)の比である。
- THD:信号と全高調波の比である。
- SNDR:信号とそれ以外の比である。
- NF:雑音指数とも。SNRの劣化具合である。