無次元量
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無次元量(むじげんりょう)とは、単位を使わずに表すことができる量である。
概要[編集]
無次元量の代表例として、比がある。例えば、長さ3mの棒と長さ5mの棒の長さの比を考えてみよう。この比は「3m:5m」となるが、「m」という単位は同じであるために「約分」されて消滅し、単に「3:5」と表すことができる。これこそ、無次元量である。物理量で無次元量であるものとしては、静止摩擦係数や動摩擦係数、角度[1]などがある。また、円周率や自然対数の底といった数学定数も無次元量である。無次元量は、単位が必要ないため、計算を行う際には大変便利である。 また、基準量を用いた規格化によって次元のある量を無次元量のように扱うこともある。単位換算などを考えなくて良い一方で、次元解析ができない欠点がある。
関数との関係[編集]
関数によっては、入力や出力の次元に決まりがある場合があり、無次元量との関連がある。
二次関数などは任意の次元をもつ入力があり得て出力は係数の次元に依存するが、各項は同じ次元なので各項の比は無次元量である。
指数関数や対数関数,三角関数,双曲線関数などの入力や出力が無次元量になっているか確認することで、検算することができる。 これは、テイラー展開した形式を見ると分かりやすい。テイラー展開すると二次関数同様に複数の項が出てくるが、各項は同じ次元でかつ係数も無次元なので、 入力も無次元量である必要があり、よって出力も無次元量となる。
デルタ関数は入力と出力の積が無次元量である。これは、デルタ関数の定義による(積分が1つまり無次元になる)。