オペアンプ

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オペアンプとは、非反転入力端子と反転入力端子をもつ増幅器。演算増幅器OPアンプとも。

概要[編集]

増幅や比較、加算減算微分積分発振など様々な用途に使われる。 非反転入力端子は+で、反転入力端子は-で示される。

特性[編集]

差動利得[編集]

電圧の利得。理想オペアンプでは無限大で表記する。

同相利得[編集]

電圧のの利得。理想オペアンプでは0。で表記する。

同相信号除去比[編集]

同相がどれほど除去されているかを示す値。理想オペアンプでは無限大。と表記する。差動利得と同相利得を用いて、

入力インピーダンス[編集]

入力側からみたインピーダンス。理想オペアンプでは無限大。で表記する。

出力インピーダンス[編集]

出力側からみたインピーダンス。理想オペアンプでは0。で表記する。

周波数帯域[編集]

オペアンプを使用できる周波数帯域。理想オペアンプではあらゆる範囲。

オフセット電圧[編集]

何も入力していなくても入力されているような電圧。理想オペアンプでは0。

内部雑音[編集]

オペアンプ内部で生じる雑音。理想オペアンプでは0。

様々な用途[編集]

正転増幅回路/非反転増幅回路[編集]

後述の反転増幅回路と異なり、符号を反転せずに電圧を増幅できる回路

正転増幅回路

上記回路では

となる。

電圧フォロワ[編集]

正転増幅回路のうち、増幅率が1倍の回路。電圧をそのまま取り出して次の回路に伝えるために使われる。

電圧フォロワ回路

上記回路は正転増幅回路の電気抵抗とした回路に相当して

となる。

反転増幅回路[編集]

符号を反転させて電圧を増幅する回路。

反転増幅回路

上記回路では

となる。

コンパレータ[編集]

電圧を比較するオペアンプ。負帰還をかける前提で設計されておらず、比較に特化している。

加算回路[編集]

電圧を(重みづけ)加算して出力する回路。

加算回路

上記回路は、反転増幅回路の入力側の抵抗を多入力にしたものになっていて

と、抵抗の値に依って重みづけされた加算になる。
とすれば

となって、利得を除けば、単純な加算になる。
また、同じ要領でn個の入力をもつ加算回路をつくれる。

減算回路[編集]

電圧を(重みづけ)減算して出力する回路。

減算回路

上記回路では

と、抵抗の値に依って重みづけされた減算になる。
とすれば

となって、利得を除けば、単純な減算になる。

微分回路[編集]

電圧を時間微分して出力する回路。

微分回路

上記回路は、反転増幅回路の入力側の抵抗キャパシタにしたものになっていて

となる。
微分を虚数単位角周波数で書けば

となって、直流成分がカットされるある種のハイパスフィルタになる。

積分回路[編集]

電圧を時間積分して出力する回路。

積分回路

上記回路は、反転増幅回路の負帰還をかける抵抗キャパシタにしたものになっていて

となる。
積分を虚数単位と角周波数で書けば(また、初期値を0とする)

となって、交流成分がカットされるある種のローパスフィルタになる。

関連項目[編集]