あしたのジョー2
『あしたのジョー2』は、高森朝雄とちばてつやの漫画『あしたのジョー』を原作とするテレビアニメおよび劇場用アニメ。
テレビアニメ[編集]
1980年10月13日から1981年8月31日に日本テレビ系列で放送された。1話30分、全47話[1]。演出は出﨑統、作画監督は杉野昭夫。製作は東京ムービー新社。アニメーション制作はあんなぷる。テレビシリーズ『あしたのジョー』(旧TVシリーズ。1970-1971年)の続編であるが、物語のつながりとしては旧TVシリーズを再編集した映画『あしたのジョー』(1980年)の続編にあたる[2][3]。旧TVシリーズは力石徹との対戦後、カーロス・リベラとの対戦で終了する。新TVシリーズは力石徹との対戦後から始まり、原作の最終回にあたるホセ・メンドーサとの対戦で終了するため、旧TVシリーズと物語が一部重複している。原作にはない独自のストーリーやキャラクターが多数登場する[3]。最終回ではメンドーサとの対戦で燃え尽きたジョーの姿にジョーが放浪している姿が挿入され、ジョーの生死はどちらとも解釈できるラストシーンとなっている[4][5]。
演出の出﨑と作画監督の杉野は旧TVシリーズからの続投であるが、マッドハウスの丸山正雄に新シリーズの制作を反対されたため、同社を退社してあんなぷるを設立した[6]。出﨑は「さきまくら」の名義で大半の回の絵コンテを担当している[6]。脚本の1人の善福次郎は実在する人物ではなく、シナリオライターの書いた脚本が出﨑の絵コンテの段階で大幅に改変されたため、便宜的に作り出された名前である[7]。声優陣は矢吹丈役のあおい輝彦、丹下段平役の藤岡重慶らが旧TVシリーズから続投した。白木葉子役はオーディションが行われ、田中エミと森脇恵が同点合格し、白木葉子役は田中、林紀子役は森が担当することになった[8]。
メインスタッフ[編集]
- 原作・監修:高森朝雄、ちばてつや
- 企画:吉川斌、川野泰彦
- 音楽:荒木一郎
- 作画監督:杉野昭夫
- 美術監督:男鹿和雄
- 撮影監督:高橋宏固
- 録音監督:加藤敏
- 選曲:鈴木清司、合田豊
- 文芸担当:飯岡順一
- 制作担当:青野史郎
- 演出:出崎統
- プロデューサー:高橋靖二、加藤俊三
- コンテ:さきまくら、竹内啓雄
- 脚本:篠崎好、高屋敷英夫、山崎晴哉、大和屋竺、善福次郎
- 製作:東京ムービー新社
メインキャスト[編集]
劇場用アニメ[編集]
1981年7月4日公開。上映時間112分[9]。監督は出﨑統、作画監督は杉野昭夫。製作は三協映画、ヘラルド・エンタープライズ、富士映画、ちば企画。配給はヘラルド・エンタープライズ、富士映画[10]。旧TVシリーズを再編集した映画『あしたのジョー』(1980年)の続編。TVシリーズ『あしたのジョー2』と同時進行で同じスタッフにより制作された[2]。序盤から中盤はTVシリーズの再編集。終盤はTVシリーズに先行して制作・公開され、後にTVシリーズの終盤に流用された[2]。
メインスタッフ[編集]
- 製作総指揮:梶原一騎
- 製作:川野泰彦
- 原作:高森朝雄、ちばてつや(講談社刊)
- プロデューサー:島田十九八
- 作画監督:杉野昭夫
- 音楽監督:荒木一郎
- 美術:小林七郎
- 撮影:高橋宏固
- 録音:瀬川徹夫
- 編集:鶴渕允寿
- 選曲:太田正一
- 効果:帆苅幸雄
- 助監督:竹内啓雄
- 監修:ちばてつや
- 脚本・監督:出崎統
- 製作協力:東京ムービー新社
- 製作:三協映画、ヘラルド・エンタープライズ、富士映画、ちば企画
メインキャスト[編集]
評価[編集]
小黒祐一郎はテレビ版について「1980年当時、『あしたのジョー2』は間違いなく一番格好いいアニメだった」「演出も作画もシャープだった。「1970年の旧TVシリーズからの10年間に何があったのだ?」と思うくらいにタッチが変わっている」「出崎・杉野のゴールデンコンビ、高橋宏固撮影監督、男鹿和雄美術監督、選曲の鈴木清司という「出崎チーム」の代表作でもある。劇場版『エースをねらえ!』で、彼らのアニメーションのスタイルが完成したとするならば、そのスタイルを駆使して作った作品が『あしたのジョー2』だ」と評している[2]。
板垣伸はテレビ版を「きっと人生を豊かにする出崎アニメ20本」の第1位に選び、「出崎&杉野(昭夫さん)と小林プロ(美術)・高橋プロ(撮影)チームの頂点かと……。こんなのが毎週テレビで放映されてた事自体が信じられないし、学生の頃全10巻の廉価版ビデオセットを(昼飯ガマンして)買って友人たちに貸しまくって布教活動(?)したところ、寝不足の輩が続出。みんな「観だしたら止まらなかった」との事。その気持ちが正解!」と評している[11]。
丸山正雄は旧TVシリーズと比較し、「アニメーションとしての完成度は『2』のほうがはるかに上です。でも、原作の弱いところがでてしまっている。やっぱり、力石を超えられないじゃないですか。『あしたのジョー』は出﨑統の最高傑作だと思います」と述べている[12]。
押井守は劇場版『エースをねらえ!』と劇場版『あしたのジョー2』を繰り返し見てアニメーションを映画にする演出を学んだとし、「『エースをねらえ!』で見せてもらった出崎演出の集大成が『あしたのジョー2』」[13]、「(劇場版『あしたのジョー2』は)自分が最も恩恵をこうむった、アニメーションの演出の方法論を考えるきっかけになった記念すべき作品であり、出崎さんは、自分がアニメ監督としてやっていく上で絶対に乗り越えなければならない壁だったんだよ」と評している[14]。
出典[編集]
- ↑ あしたのジョー2 | 1980年代 | TMS作品一覧 トムス・エンタテインメント
- ↑ a b c d 小黒祐一郎「アニメ様365日 第52回 『あしたのジョー2』(TV版)」WEBアニメスタイル、2009年1月26日
- ↑ a b 大山くまお、林信行編著『アニメーション監督 出﨑統の世界――「人間」を描き続けた映像の魔術師』河出書房新社、2012年、170-171頁
- ↑ 小黒祐一郎「第54回改訂版 「あしたのジョー」に関する2つの解釈」WEBアニメスタイル、2009年1月28日
- ↑ 長野辰次「『あしたのジョー』アニメ化50年。原作と少し違った「燃え尽き」描写の意味は?」マグミクス、2020年4月30日
- ↑ a b 早川清一朗「初代から10年後に放送開始した『あしたのジョー2』 再スタートには「紆余曲折」も」マグミクス、2022年10月14日
- ↑ 小黒祐一郎「アニメ様365日 第57回 敗者の栄光」WEBアニメスタイル、2009年2月2日
- ↑ 早川清一朗「初代から10年後に放送開始した『あしたのジョー2』 再スタートには「紆余曲折」も(2/3 ページ)」マグミクス、2022年10月14日
- ↑ あしたのジョー2 | 1980年代 | TMS作品一覧 トムス・エンタテインメント
- ↑ 映画アニメ 劇場版 あしたのジョー2 (1981) allcinema
- ↑ もっとアニメを観よう2011 第4回 板垣伸が選んだ「きっと人生を豊かにする出崎アニメ20本」 WEBアニメスタイル、2010年12月6日
- ↑ 大山くまお、林信行編著『アニメーション監督 出﨑統の世界――「人間」を描き続けた映像の魔術師』河出書房新社、2012年、85頁
- ↑ 「監督としてやっていく上で絶対に乗り越えなければならない壁」あの押井守が認めた「アニメ史に残る傑作映画」の正体 文春オンライン、2022年3月27日
- ↑ (3ページ目)「監督としてやっていく上で絶対に乗り越えなければならない壁」あの押井守が認めた「アニメ史に残る傑作映画」の正体 文春オンライン、2022年3月27日
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- TVアニメ あしたのジョー2 (1980) - allcinema
- 映画アニメ 劇場版 あしたのジョー2 (1981) - allcinema
- [2期/第1話]あしたのジョー2 (1980)│人間ドラマに重点を置いたボクシングアニメの傑作│"Tomorrow’s Joe 2"│TMSアニメ60周年 - TMSアニメ公式チャンネル
- 板垣伸のいきあたりバッタリ!第851回 『(劇)ジョー2』の魅力(1) - WEBアニメスタイル