電界効果トランジスタ
電界効果トランジスタとは、電界を利用したトランジスタ。FETと略す。
種類[編集]
JFETやMOSFETがある。 MOSFETには、エンハンスメント型とディプレッション型がある。よく使われるのは、エンハンスメント型である。 また、Nチャネル型とPチャネル型という区分もある。
JFET[編集]
junction FETの略であり、ゲート部分がpn接合になっている。
HFET[編集]
Hは、ヘテロ接合に由来する。HJFETとも。
MESFET[編集]
ME,Sはメタル(金属)・セミコンダクター(半導体)に由来する。ゲート部分がショットキー接合になっている。 動作原理はJFETのそれに似ている。
MISFET[編集]
M,I,Sはメタル(金属)・インシュレータ(絶縁体)・セミコンダクター(半導体)に由来する。
MOSFET[編集]
M,O,Sはメタル(金属)・オキサイド(酸化物)・セミコンダクター(半導体)に由来する。 MISFETの一種であり、絶縁体として酸化物を使う構成である。
MFSFET[編集]
M,F,Sはメタル(金属)・フェロエレクリック(強誘電体)・セミコンダクター(半導体)に由来する。 FeFETとも呼び、Feはフェロエレクリックのことである。
TFET[編集]
Tunnel FETの略であり、トンネル効果を利用する。
構造[編集]
プレーナー型[編集]
従来のMOSFETの形状である。
SOIFET[編集]
S,O,Iはシリコン(ケイ素)・オン・インシュレータ(絶縁体)に由来する。 チャネルの下に絶縁膜を形成したMOSFETである。
MuGFET[編集]
Mu,Gはマルチ・ゲートに由来する。1つのチャネルに対して複数のゲートを持つMOSFETである。
FinFET[編集]
Fin(ヒレ)のようなチャネルを3方向からゲートでつつむような構造のMOSFETである。
GAA[編集]
G,A,Aはゲート・オール(完全)・アラウンド(周り)に由来する。ゲートがチャネルを完全に取り囲む構造のMOSFETである。
CFET[編集]
NMOSとPMOSと相補的に使うようなCMOSと言う構成があるが、これを素子レベルで一体化したMOSFETである。
浮遊ゲートMOSFET[編集]
浮遊ゲートをもち、しきい値電圧を変えられるMOSFETである。類似の構造に、窒化膜に電子をトラップする方式(MONOS型)もある。
応用[編集]
論理回路[編集]
MOSFETでは、Nチャネル型とPチャネル型であることを示して、NMOSやPMOSと呼ぶ。NMOSとPMOSと相補的に使うようなCMOSと言う構成がある。
メモリ[編集]
SRAMのフリップフロップを構成するための素子、DRAMやフラッシュメモリのキャパシタにつながるスイッチになる。 他に、MFSFETは強誘電体メモリとして期待されている。
パワーエレクトロニクス[編集]
MOSFETのうち大電流を流すようなものをパワーMOSFETと呼ぶ。 パワーMOSFETよりもさらに大電流を扱う場合は、FETではないパワー系のバイポーラトランジスタであるIGBTなどが使われる。