論理回路

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

論理回路とは、デジタル電子回路による、論理演算や記憶を行う回路。

実装[編集]

真理値の「真・偽」や2進数の「0・1」を、電圧の正負や高低、電流の方向や多少、位相の差異、パルスなどの時間の長短、等で表現して、 論理演算を実装する。電圧の高低で表現する場合それぞれを「H(ハイ)・L(ロー)」等と呼ぶ。素子としてはトランジスタなどの半導体素子がある。

正論理・負論理[編集]

正論理では「H」を真偽値の「真」に、負論理では「L」を真偽値の「真」に対応させる。

分類[編集]

基本的な演算を実装する論理ゲートがあり、それらを組み合わせて複雑な動作をする回路を構成する。 状態を持たない組み合わせ回路と状態を持つ順序回路に大別される。

組み合わせ回路[編集]

組み合わせ回路は、以下のような論理ゲートを組み合わせた回路である。現在の入力のみで出力が決まり、順序回路と異なり状態を持たない。 ただし、伝播遅延によって信号が遅れることはある。

NOT(否定論理)[編集]

入力の反転を出力する。入力が真ならば偽を、偽ならば真を出力する。
AND・ORとともに基本回路であり、この3つで他の回路を構成できる。

AND(論理積)[編集]

入力すべてが真のときそしてそのときに限り、真を出力する。入力のいずれかが偽のときに、偽を出力する。
NOT・ORとともに基本回路であり、この3つで他の回路を構成できる。

OR(論理和)[編集]

入力のいずれかが真のときに、真を出力する。入力すべてが偽のときそしてそのときに限り、偽を出力する。
NOT・ANDとともに基本回路であり、この3つで他の回路を構成できる。

XOR(排他的論理和)[編集]

2つの入力が一致するときに偽を、不一致の時に真を出力する。
加算器などで使用される。

NAND(否定論理積)[編集]

NOT+ANDであり、ANDの否定を出力する。入力すべてが真のときそしてそのときに限り、偽を出力する。入力のいずれかが偽のときに、真を出力する。
NANDだけでNOT・AND・OR・XORなど他の回路を構成できる。

NOR(否定論理和)[編集]

NOT+ORであり、ORの否定を出力する。入力のいずれかが真のときに、偽を出力する。入力すべてが偽のときそしてそのときに限り、真を出力する。
NORだけでNOT・AND・OR・XORなど他の回路を構成できる。

XNOR(否定排他的論理和)[編集]

NOT+XORであり、XORの否定を出力する。2つの入力が一致するときに真を、不一致の時に偽を出力する。
加算器などで使用される。

順序回路[編集]

順序回路は、ループにより内部に状態を持っていて、過去の状態と取得時の入力信号とで出力が決まる回路である。入力信号の組み合わせによっては不定になり得る。

フリップフロップ[編集]

制御信号により現在の入力信号の保持を行うもの。ラッチとも。論理回路ではフリップフロップと呼ぶものも、コンピュータ・システムでの回路名としては(通常は複数ビットの記憶回路を)レジスタと呼ぶ。