沖縄都市モノレール1000形電車

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沖縄都市モノレール1000形電車

沖縄都市モノレール1000形電車は、沖縄県那覇市を中心に運行される沖縄都市モノレール線旅客用車両である。2003年8月10日の開業に合わせて導入された跨座式モノレール車両で、現在も同線唯一の形式として活躍している。

製造と導入経緯[編集]

1000形電車は、沖縄都市モノレールの開業に向けて新規に設計・製造された車両である。試作車は2001年日立製作所によって製造され、その後量産車として2002年に日立製作所と川崎重工業の両社がそれぞれ6編成ずつを製造した。
開業時には計13編成が揃い、那覇空港首里間の運行に投入された。以降、路線延伸や輸送力強化のために増備が行われ、2016年から2019年にかけててだこ浦西駅延伸に対応する編成が導入され、さらに2020年代には3両編成化に向けた車両も登場している。

編成構成[編集]

1000形電車は基本的に2両編成で構成されており、先頭車同士が連結された形態となっている。各車両には運転台が設けられており、両方向への運行が可能である。2023年以降は、輸送力強化の一環として中間車を追加した3両編成も導入されており、通 勤時間帯の混雑緩和に寄与している。

技術仕様[編集]

この車両は、最高速度は65km/hに設定されており、起動加速度は3.5km/h/sと高めで、都市部の短距離輸送に適した性能を持つ。
この車両は、軌条にある直流1500V電車線からの集電装置を持ち、制御装置にはIGBT素子によるVVVFインバータ制御が採用され、省エネルギーかつ滑らかな加減速を実現している。駆動方式はTD継手式2段減速直角駆動方式で、台車には鋼板溶接構造のボルスタレス台車が使用されている。走行輪には窒素ガス入りのチューブレスタイヤが採用されており、騒音や振動の低減にも配慮されている。

車体デザイン[編集]

車体はアルミニウム合金合金製で、軽量かつ耐腐食性に優れている。外観は沖縄の伝統文化を意識したデザインとなっており、上部はグレー、下部は首里城赤瓦をイメージした赤色で塗装されている。前面は丸みを帯びた形状で、中央には非常用貫通扉が設けられている。前照灯は初期車両ではシールドビームが使用されていたが、増備車ではLEDライトに変更され、視認性と省電力性が向上している。

車内設備[編集]

車内はロングシートを基本とし、座席の表地には沖縄の伝統的な紅型模様模様があしらわれている。運転台後方には展望席としてクロスシートが設置されており、前面展望を楽しむことができる。窓は大型で、車窓からの景観を十分に楽しめる設計となっている。車椅子スペースは那覇空港側の車両端部に設けられており、バリアフリー対応がなされている。連結部には荷物置き場も設置されており、空港利用者の大きな荷物にも対応可能である。車内案内装置にはLCD式の「パッとビジョン」が採用されており、次駅案内や乗り換え情報が視覚的に表示される。

その他の特徴[編集]

沖縄都市モノレールでは、地域との連携を重視しており、1000形電車には様々なラッピング車両が登場している。DMMかりゆし水族館沖縄銀行そらとぶピカチュウプロジェクトなど、観光・企業・イベントとのコラボレーションが展開されており、車両自体が広告媒体としても活用されている。また、座席の形状や車内設備は増備車で改良が加えられており、快適性の向上が図られている。