斎藤環

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

斎藤 環(さいとう たまき、1961年 - )は、精神科医。筑波大学名誉教授。つくばダイアローグハウス院長。

岩手県北上市出身。1980年岩手県立盛岡第一高等学校卒業[1]。1986年筑波大学医学専門学群卒業。1990年筑波大学医学専門学群環境生態学卒業。「思春期青年期に発症し遷延化した無気力状態に関する研究」で博士(医学)(筑波大学)[2]。1987年より医療法人爽風会佐々木病院千葉県船橋市)に勤務。1998年同病院診療部長[3]。2013年筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。2024年3月退職、名誉教授。同年10月に医療法人八月会「つくばダイアローグハウス」(茨城県つくば市)を開設、同院長。

2015年オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)の設立に参加、共同代表を経て[4]、2026年運営委員[5]青少年健康センターで「実践的ひきこもり講座」ならびに「ひきこもり家族会」を主宰[6]。同センターで思春期の電話・手紙相談を担当[7]。同センター参与を経て[8]、2021年会長[9]

専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学、ラカン精神分析、「ひきこもり」問題の治療、支援ならびに啓蒙活動[10]。時事問題、精神分析、文学、美術、音楽、マンガ、アニメ、映画、サブカルチャー全般の評論活動を展開[11][12][13]

『関係の化学としての文学』(新潮社、2009年)で2010年度の日本病跡学会賞を受賞。『世界が土曜の夜の夢なら――ヤンキーと精神分析』(角川書店、発売:角川グループパブリッシング、2012年)で第11回角川財団学芸賞を受賞。『心を病んだらいけないの?――うつ病社会の処方箋』(與那覇潤共著、新潮選書、2020年)で第19回小林秀雄賞を受賞。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『文脈病――ラカン/ベイトソン/マトゥラーナ』(青土社、1998年、新装版2001年)
  • 『社会的ひきこもり――終わらない思春期』(PHP新書、1998年)
    • 『改訂版 社会的ひきこもり』(PHP新書、2020年)
  • 『戦闘美少女の精神分析』(太田出版、2000年/ちくま文庫、2006年)
  • 『若者のすべて――ひきこもり系VSじぶん探し系』(PHPエディターズ・グループ、発売:PHP研究所、2001年)
  • 『「ひきこもり」救出マニュアル』(PHP研究所、2002年)
    • 『「ひきこもり」救出マニュアル 理論編』(ちくま文庫、2014年)
    • 『「ひきこもり」救出マニュアル 実践編』(ちくま文庫、2014年)
  • 『博士の奇妙な思春期』(日本評論社、2003年)
  • 『OK?ひきこもりOK!』(マガジンハウス、2003年)
  • 『若者の心のSOS』(日本放送出版協会[NHK人間講座]、2003年)
  • 『心理学化する社会――なぜ、トラウマと癒しが求められるのか』(PHPエディターズ・グループ、発売:PHP研究所、2003年)
    • 『心理学化する社会――癒したいのは「トラウマ」か「脳」か』(河出文庫、2009年)
  • 『ひきこもり文化論』(紀伊国屋書店、2003年/ちくま文庫、2016年)
  • 『解離のポップ・スキル』(勁草書房、2004年)
  • 『フレーム憑き――視ることと症候』(青土社、2004年)
  • 『文学の徴候』(文藝春秋、2004年)
  • 『「負けた」教の信者たち――ニート・ひきこもり社会論』(中公新書ラクレ、2005年)
  • 『家族の痕跡――いちばん最後に残るもの』(筑摩書房、2006年/ちくま文庫、2010年)
  • 『生き延びるためのラカン』(バジリコ[木星叢書]、2006年/ちくま文庫、2012年)
  • 『社会に背を向ける若者たち』(述、富山県民生涯学習カレッジ編、富山県民生涯学習カレッジ[県民カレッジ叢書]、2007年)
  • 『メディアは存在しない』(NTT出版、2007年)
  • 『ひきこもりはなぜ「治る」のか?――精神分析的アプローチ』(中央法規出版[シリーズCura]、2007年/ちくま文庫、2012年)
  • 『思春期ポストモダン――成熟はいかにして可能か』(幻冬舎新書、2007年)
  • 『アーティストは境界線上で踊る』(みすず書房、2008年)
  • 『母は娘の人生を支配する――なぜ「母殺し」は難しいのか』(NHKブックス、2008年)
  • 『文学の断層――セカイ・震災・キャラクター』(朝日新聞出版、2008年)
  • 『関係の化学としての文学』(新潮社、2009年)
  • 『「文学」の精神分析』(河出書房新社、2009年)
  • 『関係する女 所有する男』(講談社現代新書、2009年)
  • 『博士の奇妙な成熟――サブカルチャーと社会精神病理』(日本評論社、2010年)
  • 『ひきこもりから見た未来――SIGN OF THE TIMES 2005−2010』(毎日新聞社、2010年)
  • 『キャラクター精神分析――マンガ・文学・日本人』(筑摩書房[双書zero]、2011年/ちくま文庫、2014年)
  • 『「社会的うつ病」の治し方――人間関係をどう見直すか』(新潮選書 、2011年)
  • 『世界が土曜の夜の夢なら――ヤンキーと精神分析』(角川書店、発売:角川グループパブリッシング、2012年/KADOKAWA[角川文庫]、2015年)
  • 『被災した時間――3.11が問いかけているもの』(中公新書、2012年)
  • 『原発依存の精神構造――日本人はなぜ原子力が「好き」なのか』(新潮社、2012年)
  • 『承認をめぐる病』(日本評論社、2013年/ちくま文庫、2016年)、
  • 『ヤンキー化する日本』(KADOKAWA[角川oneテーマ21]、2014年)
  • 『猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか』(青土社、2015年) 
  • 『ビブリオパイカ――斎藤環書評集1997-2014』(日本評論社、2015年) 
  • 『オープンダイアローグとは何か』(著・訳、医学書院、2015年)
  • 『おたく神経サナトリウム』(二見書房、2015年)
  • 『人間にとって健康とは何か』(PHP新書、2016年)
  • 『オープンダイアローグがひらく精神医療』(日本評論社、2019年)
  • 『中高年ひきこもり』(幻冬舎新書、2020年)
  • 『その世界の猫隅に』(青土社、2020年) 
  • 『コロナ・アンビバレンスの憂鬱――健やかにひきこもるために』(晶文社、2021年)
  • 『「自傷的自己愛」の精神分析』(角川新書、2021年)
  • 中井久夫スペシャル』(NHK出版[別冊NHK100分de名著]、2022年)
    • 『集中講義中井久夫――心の病の「豊かさ」を読む』(NHK出版[別冊NHK100分de名著]、2025年)
  • 『映画のまなざし転移』(青土社、2023年)
  • 『イルカと否定神学――対話ごときでなぜ回復が起こるのか』(医学書院、2024年)
  • 『いじめ後遺症』(岩波新書、2025年)

共著[編集]

  • 『少女たちの戦歴――『リボンの騎士』から『少女革命ウテナ』まで』(アライヒロユキ、荷宮和子、織原ジン、村瀬ひろみほか共著、青弓社[ポップ・カルチャー・クリティーク]、1998年)
  • 『京極夏彦の世界』(永瀬唯、永原孝道、川崎賢子、東雅夫、高遠弘美、鷹城宏、野崎六助共著、青弓社[寺子屋ブックス]、1999年)
  • 『激論!ひきこもり』(工藤定次共著、永富奈津恵構成、ポット出版、2001年)
  • 『「ほしのこえ」を聴け』(大塚英志、東浩紀、大地丙太郎、前田真宏、由水桂、大口孝之、ササキバラ・ゴウ、藤島康介共著、徳間書店[アニメージュ叢書]、2002年)
  • 『「性愛」格差論――萌えとモテの間で』(酒井順子共著、中公新書ラクレ、2006年)
  • 『奇妙な凪の日――長谷川健郎写真集』(文、長谷川健郎写真、左右社、2006年)
  • 『爆笑問題のニッポンの教養 ひきこもりでセカイが開く時 精神医学』(太田光、田中裕二共著、講談社、2008年)
  • 『脳と心――クオリアをめぐる脳科学者と精神科医の対話』(茂木健一郎共著、双風舎、2010年)
  • 『世界一やさしい精神科の本』(山登敬之共著、河出書房新社[14歳の世渡り術]、2011年/河出文庫、2014年)
  • 『特別授業3.11 君たちはどう生きるか』(あさのあつこ、池澤夏樹、鎌田浩毅、最相葉月、橘木俊詔、田中優、橋爪大三郎、鷲田清一共著、河出書房新社[14歳の世渡り術]、2012年/河出文庫、2021年)
  • 『ひきこもりのライフプラン――「親亡き後」をどうするか』(畠中雅子共著、岩波ブックレット、2012年、新版2020年)
  • 『子育てが終わらない――「30歳成人」時代の家族論』(小島貴子共著、青土社、2012年、新装版2019年)
  • 『反知性主義とファシズム』(佐藤優共著、金曜日、2015年)
  • 『ポップスで精神医学――大衆音楽を"診る"ための18の断章』(山登敬之、松本俊彦、井上祐紀、井原裕、春日武彦共著、日本評論社、2015年)
  • 『「平和」について考えよう』(水野和夫、田中優子、高橋源一郎共著、NHK出版[別冊NHK100分de名著]、2016年)
  • 『わたしたちの手塚治虫』(園子温、ブルボンヌ、釈徹宗共著、NHK出版[別冊NHK100分de名著]、2018年)
  • 『フェイクの時代に隠されていること』(福山哲郎共著、太田出版、2018年)
  • 『心を病んだらいけないの?――うつ病社会の処方箋』(與那覇潤共著、新潮選書、2020年)
  • 『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』(解説、水谷緑まんが、医学書院、2021年)
  • 『いのっちの手紙』(坂口恭平共著、中央公論新社、2021年)
  • 『なぜ人に会うのはつらいのか――メンタルをすり減らさない38のヒント』(佐藤優共著、中公新書ラクレ、2022年)
  • 進撃の巨人という神話』(宮台真司、藤本由香里、島田一志、成馬零一、鈴木涼美、後藤護、しげる共著、blueprint[Real sound collection]、2022年)
  • 『いじめ加害者にどう対応するか――処罰と被害者優先のケア』(内田良共著、岩波ブックレット、2022年)
  • 『「ひきこもり」の30年を振り返る』(石川良子、林恭子共著、岩波ブックレット、2023年)
  • 秋葉原事件を忘れない――この国はテロの連鎖へと向かうのか』(中島岳志、雨宮処凛、杉田俊介、平野啓一郎共著、かもがわ出版、2023年)
  • 『臨床のフリコラージュ――心の支援の現在地』(東畑開人共著、青土社、2023年)
  • 『ケアする対話――この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ』(横道誠、小川公代、頭木弘樹、村上靖彦共著、金剛出版、2024年)

編著[編集]

  • 『ひきこもる思春期――いかに考え、いかに向き合うか』(編、星和書店[こころのライブラリー]、2002年)
  • 『精神医学の名著50』(福本修共編、平凡社、2003年)
  • 『入門子どもの精神疾患――悩みと病気の境界線』(山登敬之共編、日本評論社[こころの科学増刊]、2011年)
  • 『母と娘はなぜこじれるのか』(編著、NHK出版、2014年)
  • 『N:ナラティヴとケア 第8号 オープンダイアローグの実践』(野村直樹共編、遠見書房、2017年)
  • 『現代社会とメンタルヘルス――包摂と排除』(中谷陽二責任編集、森田展彰、小西聖子共同編集、星和書店、2020年)
  • 『オープンダイアローグ 思想と哲学』(石原孝二共編、東京大学出版会、2022年)
  • 『オープンダイアローグ 実践システムと精神医療』(石原孝二共編、東京大学出版会、2022年)
  • 『病跡学の現在――天才と病理のあいだ』(小林聡幸共編、金剛出版、2025年)

監修[編集]

  • NHK「ひきこもりサポートキャンペーン」プロジェクト編『ひきこもり――hikikomori@NHK』(日本放送出版協会、2004年)
  • 『くすりにたよらない精神医学』(井原裕、松本俊彦共同監修、日本評論社[こころの科学増刊]、2017年)
  • 『私はこうしてサバイバルした』(松本俊彦、井原裕共同監修、日本評論社[こころの科学増刊]、2017年)
  • 『ケアとしての就労支援』(松本俊彦、井原裕共同監修、日本評論社[こころの科学増刊]、2018年)
  • 『知的障害の子をもつお母さんお父さんの笑顔のために』(井原裕、松本俊彦共同監修、日本評論社[こころの科学増刊]、2019年)
  • 『いまこそ語ろう、それぞれのひきこもり』(林恭子共同監修、日本評論社[こころの科学増刊]、2020年)
  • 『コロナ禍の臨床を問う』(井原裕、松本俊彦共同監修、日本評論社[こころの科学増刊]、2021年)
  • 『職場がアブナイ――働く人のためのメンタル系サバイバルガイド』(井原裕、松本俊彦共同監修、日本評論社[こころの科学増刊]、2024年)

訳書[編集]

  • ヤーコ・セイックラ、トム・アーンキル『開かれた対話と未来――今この瞬間に他者を思いやる』(監訳、医学書院、2019年)
  • ニック・パットマン、ブライアン・マーティンデール編、石原孝二編訳『サイコーシスのためのオープンダイアローグ――対話・関係性・意味を重視する精神保健サービスの組織化』(高木俊介、白木孝二、山田成志、宮本有紀、大井雄一、松本葉子、福井里江、植村太郎、西村秋生、辻井弘美、村上純一、大谷保和、石橋佐枝子共訳、北大路書房、2023年)

出典[編集]

外部リンク[編集]