同和鉱業キハ2100形気動車

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同和鉱業キハ2100形気動車(どうわこうぎょうキハ2100がたきどうしゃ)とは、同和鉱業1962年(昭和37年)から導入した気動車である。

概要[編集]

秋田県を走る小坂線の改軌に際して導入された気動車で、日本車輌製造で62年に2101から2105の5両、67年に2106・2107の2両、合計7両が製造された。なお2104は2106・2107登場後に2108へと改番された。

車体はステップレスの片側2扉・両運転台構造で、座席はセミクロスシート。前面には貫通扉がある。エンジンはDMH17形ディーゼルエンジンにTC2A型液体式変速機を組み合わせており、国鉄気動車とほぼ同じ。
なお本車両の車体は日本車輌が昭和30年代前半に「私鉄標準車体」として設計した電車用規格型車体を流用している。この規格車体は結局電化私鉄での採用例が現れず、その中で常総筑波鉄道キハ800形の製造時にこの車体を採用。同和鉱業もこれに続いた。

運用[編集]

小坂線・花岡線の旅客列車で最長3両編成で運用されたこともあった。しかし旅客需要の減少により余剰化し、1981年と83年に2108と2102が秋田を離れて岡山県片上鉄道線へと転出し、岡山で生涯を終えた。

1988年(昭和63年)にはワンマン運転の開始に備え、2105・2106・2107の3両がワンマン化改造を受けた。改造対象外となった2101・2103は予備車となり、1993年(平成5年)には2103が廃車されている。最後まで残存した2101・2105・2106・2107の4両は94年の小坂線の旅客営業終了まで残存し、旅客営業終了後は2101・2106が廃車。ワンマン対応済みだった2105・2107は弘南鉄道へ譲渡されて黒石線に投入された。

保存[編集]

弘南鉄道へ譲渡されなかった2101・2106は廃車後も引き続き秋田県内に留まり、2101は小坂町総合博物館郷土館での展示を経て小坂駅跡に整備された小坂レールパークへ、2106も小坂レールパークで保存されている。

岡山へと渡った2108は片上鉄道キハ801号として備前市内で保管されていたが、2014年(平成26年)が始まってすぐの時期までに解体された。

弘南鉄道へ譲渡された2105・2107は青森県南津軽郡田舎館村道の駅で保存されたが、2013年(平成25年)秋ごろまでに解体されている。

よって現存が確実なキハ2100形は小坂レールパークで保存されている2101・2106の2両のみとなる。