中性子捕獲

中性子捕獲とは狭義では原子核が質量を持つ粒子を放出することなく中性子を放出する核反応である。その代わりに原子核は得た結合エネルギーをガンマ線として放出する。この反応はn-ガンマ反応ともいう。しかし、質量粒子の放出を伴う中性子の反応は、特にその励起機能がn-ガンマ反応の励起機能に類似している場合、中性子捕獲と呼ばれることがある。これは例えば、ホウ素10におけるn-アルファ反応が当てはまり、「ホウ素中性子捕獲療法」という用語があることからもそれは明らかである。

中性子は陽子と異なり電荷を持たず、原子核から反発されないため、低い運動エネルギーでいとも簡単に原子核に近づくことができる。捕獲断面積は、一般的に熱中性子エネルギー、すなわち非常に低い中性子エネルギーにおいて特に大きくなる。

天体物理学でも用いられ、恒星での中性子付着はs過程またはr過程として起こる。これは、質量数が約60を超える元素、つまり鉄やニッケル原子よりも重い原子の形成を説明するため、宇宙元素合成において重要な役割を果たす。これらの元素は、恒星内で熱核反応、つまり核融合によって生成されることはない。