ローレンツ変換

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物理学に於けるローレンツ変換とはガリレイ変換がニュートンの運動方程式に対して不変な座標変換であるのと同じような感じで電磁波の波動方程式に対して不変な座標変換を表わす線形変換である。名称はオランダの物理学者ヘンドリック・ローレンツに因む。

アインシュタインの特殊相対性理論の基礎となる変換公式とされている。

概要[編集]

取り敢えずローレンツ変換とは以下の如き(x,y,z,t)座標(※四次元時空)に対する変換である。;

  • {x′=γ(x−vt)y′=yz′=zt′=γ(t−vx/c2)

ここで係数γはローレンツ因子と呼ばれる実数で

γ=11−v2/c2

で表される。(※文字cは真空中の光速度を表す。)

上述の変換に対してc→♾(光速度=無限大)の極限をとれば ガリレイ変換と同じものになる。

導出[編集]

ちょっと大変だけど上述のローレンツ変換の等式を導いてみよう。その準備としてまず以下の合成関数の偏微分公式を求める事にする。

合成関数

f(α,β)=f(α(x,t),β(x,t))

を考えると連鎖法則より

fx=fααx+fββx

が成り立つ。これを更に偏微分すれば

fxx=(fααx)x+(fββx)x=(fα)xαx+fααxx+(fβ)xβx+fββxx

が得られる(積の微分法を用いた。)。

ここで(天下り的だが)関数α、βの2階偏導関数を零とすれば

fxx=(fα)xαx+(fβ)xβx={(fα)ααx+(fα)ββx}αx+{(fβ)ααx+(fβ)ββx}βx
∴fxx=αx2fαα+2αxβxfαβ+βx2fββ

が求まる(シュヴァルツの定理を使った)。同様に

ftt=αt2fαα+2αtβtfαβ+βt2fββ

も成り立つ。

さて、話は変わるけど1次元のガリレイ変換は

x′=x−vt,t′=t

で表される(y,z座標は略した)。これをお手本にして

x′=D(x−vt),t′=At+Bx

なる座標変換を考えたらx'=α、t'=βとおいた時

αx=D,αt=−Dv,βx=B,βt=A

が求まる。これを上述の偏微分公式に代入すれば

{fxx=D2fx′x′+2BDfx′t′+B2ft′t′ftt=D2v2fx′x′−2ADvfx′t′+A2ft′t′

が成り立つ。

ところで1次元の電磁波の波動方程式は

∂2ϕ∂t2=c2∂2ϕ∂x2

で与えられるが、これを

◻ϕ=∂2ϕ∂x2−1c2∂2ϕ∂t2=0

と変形しよう(※上式の□はダランベール演算子またはダランベルシアンと呼ばれる偏微分作用素である。[1])。これを使うと上述の偏微分の等式は ◻f=fxx−1c2ftt=D2fx′x′+2BDfx′t′+B2ft′t′−D2v2c2fx′x′+2ADvc2fx′t′−A2c2ft′t′=0 と書ける。で、この式が電磁波の方程式と同じ形になるためには D2(1−v2c2)=1,B+Avc2=0,B2−A2c2=−1c2 が成立せねばならない。これを未知数A,B,Dに関する連立方程式と考えて解けば

A=D=11−(v/c)2=γ
B=−v/c21−(v/c)2=−γ(v/c2)

が得られる。これらを上述の座標変換公式に代入すればローレンツ変換の公式が導かれる。//

脚注[編集]

  1. ↑ 3次元版は◻=Δ−1c2∂2∂t2で表される。(Δはラプラシアンである。)