ロシア軌間

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ロシア軌間とは旧ロシア帝国およびソ連圏の鉄道で普及している線路の軌間であり、広軌の一種である。1520mm、1522mm、1524mmのものが該当する。

歴史[編集]

ナポレオン戦争後、ロシア帝国が鉄道を建設しようとすると、同じ線路幅であると鉄道で簡単に侵略できてしまうことを懸念してスペインと同じくイギリスやフランスが採用した標準軌(1435mm)とは異なり新たな軌間を採用した。1851年サンクトペテルブルク=モスクワ線が開業し、この軌間が初めて採用された。このロシア軌間の採用は後のドイツによる2度の侵攻の妨げとなり、その機能を果たした。当初は1524mmで建設が進められたが、ソ連時代に1520mmに統一された。ロシア帝国時代に鉄道網が完成したフィンランドは、1524mmのまま運用し続けた。ただし、双方の軌間には互換性があり、台車交換等を行う必要はない。

詳細の説明[編集]

ロシア軌間は現在のロシアを中心に旧ソ連・ロシア帝国諸国の国で普及しており、標準軌に次ぐ2番目に大きな軌間ネットワークを形成する。周りの接続する軌間は全て標準軌である。標準軌ネットワークへ列車を直通させる場合は、軌間可変車両を用いる必要がある。台車交換可能な客車または、車軸変換型の車両を用いる。ただし、貨物列車の場合は、貨物の積み替えのみの場合が多い。有名な軌間可変を行う駅はブレスト中央駅コヴェリ駅プジェミシル駅ザーホニ駅ヤシ駅エレンホト駅満州里駅豆満江駅などがある。トルニオ駅シェミャヌフカ駅アキャイラ駅アルティンケル駅などのようにただ単に貨物輸送(国境付近の旅客輸送は乗り換えのみ)しか考慮されていない場合は、貨物の積み替え場などしか設置されていない場合が多い。また、以前までは貨物輸送しか考慮されていなかったジョージア-トルコ国境のアハルカラキス・サエルタショリソ・ルキニグジス・サドグリ駅は、最近ではトルコ-ジョージア-アゼルバイジャン間の国際列車の実現のために、軌間可変設備が設置された。

最近は、フィンランドやウクライナバルト三国ではロシアとの鉄道の繋がりを弱め、西欧との鉄道との繋がりを強める脱ロシアを目指すために、主要な既存のロシア軌間線(ウクライナの場合全線)を標準軌線にするという計画がある。しかし、コスト面からデメリットが多く、新線の建設や、一部路線のみの施工、標準軌線を付け加え単線並列方式にするなどという妥協策が現実的である。

ロシア軌間採用国[編集]

ほぼ全線で採用される国[編集]

ロシア帝国時代の1524mmをそのまま使用。
ソ連の影響が大きかったので鉄道を建設する際は、1520mmで建設された。

一部路線または国境付近に存在する国[編集]

工業的な目的で建設された路線や、国境付近での輸送の効率化などでロシア軌間が存在する国がある。後者の場合は、4線軌条だったり、単線並列方式が採用される。

トルニオ=ハパランダ線に存在。標準軌との4線軌条となっている。
ポーランド国鉄65号線(フルビェシュフ-クラクフ間)の工業用の長距離線や、国境付近への乗り入れを考慮した路線が多数ある。
ウジゴロド=ハニスカ線の工業用の路線や、チエルナ・ナト・ティソウ駅付近の線路がある。
ザーホニ駅付近の台車および貨物積み替え場の関係で、その近辺で広大なロシア軌間網がある。
ウンゲーニ-ヤシ間、ガラツィ付近でロシア軌間が存在する。テレスヴァ=ヴァレア・ヴィシェウルイ線のようにロシア軌間と標準軌の4線軌条線のみの場合がある。
インチェフ・ボローン駅サラフス駅までロシア軌間線が乗り入れる。
カザフスタン、モンゴル、ロシアの3カ国と接続される。
豆満江駅までロシア軌間線が乗り入れる。

ロシア軌間ネットワークと接していないが、ロシア軌間線がある国[編集]

これでは一瞬ハテナになるかもしれないが、このような国は実は存在する。それは、鉄道フェリーでロシア軌間が採用されている国と接続する場合である。そこに、フェリー港にロシア軌間線と積み替え場が存在している。

ザッスニッツフェリー港駅に存在する。主な行き先はラトビア。
トリスティコヴォ駅の操車場に存在する。主な行き先はジョージア。

関連項目[編集]